2025年上半期に開催スタートの注目の
展覧会を一挙ご紹介!(第2弾 関西&全国版)
「モネ 睡蓮のとき」「日本、美のるつぼ」「パウル・クレー展」「超 国宝-祈りのかがやき-」「日本美術の鉱脈展」
「What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」「帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち」ほか

アートアジェンダがお薦めする、2025年の上半期(1~6月)に始まる注目の展覧会、第1弾の東京&関東版 に続き、第2弾 関西&全国版のおすすめ展覧会のご紹介です。
今回は、12の展覧会をご紹介しています。コロナ禍を経て、これまで海外の美術館の所蔵作品などを借りて大々的な宣伝を伴いながら開催された「ブロックバスター展」と呼ばれるような展覧会開催の占める割合が減り、自らの美術館が本来所蔵している作品を中心にした展覧会、あるいは、国内で作品を集められる(海外からの作品輸送を必要としない ※コロナ禍では、作品を海外から日本に輸送が叶わず、展覧会の開催が中止となったり、延期となったりした)展覧会が増えるようになりました。そうすると、自ずと日本画や仏像、浮世絵などの「和」な雰囲気の展覧会が多くなり、とくに関西方面では、大阪・関西万博の開催を控えた今年の上半期は、特別展「日本、美のるつぼ」、特別展「超 国宝」、「日本美術の鉱脈展」といった、日本の名品にフォーカスした展覧会が目白押しとなっています。
東京からの巡回となる「モネ 睡蓮のとき」など、相変わらず印象派の人気は根強いですが、今期は、日本の名品の数々に触れられる機会に恵まれた上半期になりそうです。
関西のほか全国から、全12の展覧会をご紹介しています。アートアジェンダ展覧会情報 も合わせてご参考にしていただいて、今年もたくさんの美術館・展覧会をお楽しみください。
モネの〈睡蓮〉が大集合!パリのマルモッタン・モネ美術館よりおよそ50点が来日。国内の所蔵作品も加えて、モネ晩年の芸術の極致を紹介

© musée Marmottan Monet
- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(1)
- 「モネ 睡蓮のとき」
開催美術館:京都市京セラ美術館
開催期間:2025年3月7日(金)〜6月8日(日)
印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840-1926)は、光と色彩をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめました。しかし後年になるにつれ、その芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆきます。
モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した時代でもありました。そのような中で彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体と映し出されるその水面でした。そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画”の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになります。本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、2mを超える大画面の〈睡蓮〉の数々です。
海外交流のなかで産み出された名品や、浮世絵のような日本の顔として世界各地で愛されてきた美術品など、異文化交流の軌跡から日本美術を再発見

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(2)
- 特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」
開催美術館:京都国立博物館
開催期間:2025年4月19日(土)〜6月15日(日)
日本の古美術は閉鎖的で変化に乏しいと見られがちですが、実際は古今東西の芸術文化が混じり合いダイナミックに形づくられてきました。現代に伝わる名品も、海外交流のなかで産み出されたものが少なくありません。大陸から日本列島にわたった技術や製品は、憧れとともに受容され、ときには誤解を伴った模倣や改造を加えられながら後世に継承されました。弥生、古墳時代の美しい青銅器や金工品、古代や中世の仏教芸術、漢字や水墨画、精巧な工芸品などがすぐに思い浮かびます。
逆に、日本では大衆的な商品にすぎなかった浮世絵が海外で評価され、今では日本美術の代表格となっていますし、伊万里焼や輸出漆器のように異国の商人との共同作業によって創り出され、日本の顔として世界各地で愛されてきた美術品もあります。大阪・関西万博が開催され、世界中から最新技術が集まるこの機会に、交流の軌跡をたどり、日本美術の底力を再発見します。
キュビスム、表現主義、ダダ、シュルレアリスムといったパウル・クレーと同時代の美術動向や、クレーの独自性や同時代性、交流などにもフォーカス

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(3)
- 「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」
開催美術館:兵庫県立美術館
開催期間:2025年3月29日(土)〜5月25日(日)
スイス・ベルン生まれのパウル・クレー(1879-1940)については、その独創的な画風から、生前より高い評価を受け、現在では20世紀前半に活躍した最も重要な美術家のひとりとみなされています。日本国内においても過去に重要なクレーの回顧展が数多く開催されてきましたが、それら従来の展覧会において、彼が活躍した20世紀前半の美術動向や同時代に活躍したその他の作家との交流関係に限定すれば、必ずしも詳細な研究に基づき、充実した内容に展開させるまでには至っていませんでした。
兵庫県立美術館を含め国内3館を巡回する「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」では、ベルンのパウル・クレー・センターとの学術的な協力のもと、キュビスム、表現主義、ダダ、シュルレアリスムといったクレーと同時代の美術動向にも目を向け、他作家の作品とあわせて展示することで、クレーの独自性にとどまらずその同時代性や交流などにも焦点を合わせます。
- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(3-巡回展)
- 「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」
開催美術館:愛知県美術館
開催期間:2025年1月18日(土)〜3月16日(日)
- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(3-巡回展)
- 「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」
開催美術館:静岡市美術館
開催期間:2025年6月7日(土)〜2025年8月3日(日)
仏教文化の聖地奈良に根をおろし、仏教・神道美術に特化した博物館として文化財を守り伝えてきた奈良国立博物館の130年の歴史を名宝とともに辿る

展示期間 5月20日~6月15日
- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(4)
- 奈良国立博物館開館130年記念特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」
開催美術館:奈良国立博物館
開催期間:2025年4月19日(土)〜6月15日(日)
わが国における博物館の成立背景に、国の近代化と各地で開かれた博覧会が大きく関係していることをご存じでしょうか。明治維新の急激な社会変動の中、仏像をはじめとする多くの文化財が散逸する危機に瀕しました。長らく仏教文化の中心地であった奈良での影響は著しく、この様子を憂いた人々を中心に明治8年(1875)から18回にわたり「奈良博覧会」が開催されました。東大寺を会場として、数多くの文化財が公開され、当時多くの人々が訪れたといいます。
こうした博覧会開催を経て、文化財の保護と展示の重要性が広く認知され、明治28年(1895)年4月29日に奈良博(当時は、帝国奈良博物館)は誕生しました。その2年後の明治30年(1897)には、今日の文化財保護法のもとになった「古社寺保存法」が制定され、その中で初めて「国宝」という言葉が登場します。そして、奈良博は多くの国宝とともに、その歴史を歩んできたのです。
このたびの展覧会は、奈良博設立の契機となった奈良博覧会からはじまり、開館後に奈良博に陳列されてきた南都の大寺の名品や、これまでに企画してきた展覧会のハイライトともいうべき名宝を一堂に会し、奈良博130年の歴史をたどるものです。「超 国宝」という展覧会タイトルには、選りすぐりの名品という意味だけに留まらず、先人たちから受け継いだ文化の灯を〈時代を超えて〉つないでいくという、奈良国立博物館の思いが込められています。
大阪市立美術館がリニューアルオープン!同館の名品の数々を中心に絵画や書蹟、拓本、彫刻、漆工、金工、陶磁、考古など約200件を一堂に展観

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(5)
- リニューアルオープン記念特別展「What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」
開催美術館:大阪市立美術館
開催期間:2025年3月1日(土)〜3月30日(日)
大阪市立美術館は、約2年半に及ぶ大規模改修工事を経て2025年3月1日にリニューアルオープンします。建築は登録有形文化財(建造物)に登録されているため、外観は大きくは変わりませんが、本館と地下展覧会室の入口を一体化したバリアフリーのエントランスや、慶沢園を臨めるテラスが設けられました。内装では、収蔵エリアの拡大や空調設備を一新したほか、エレベーターやエスカレーターの増設、ワークショップスペースの設置など、現代の美術館として生まれ変わっています。

1936年(昭和11年)5月1日に開館して以来、充実が図られてきた収蔵品は、日本・東洋美術を中心として、約8,500件にのぼります。リニューアル後最初の展覧会は、全館を使用して、絵画や書蹟、拓本、彫刻、漆工、金工、陶磁、考古など分野ごとに選りすぐりの作品約200件を一堂に展観します。
大阪市立美術館を代表する名品たちに加え、これまであまり紹介する機会のなかった作品も織り交ぜ、大阪市立美術館の「変わらぬ魅力と新たな魅力」を伝える貴重な機会です。
2000年の京博での展覧会がきっかけで空前のブームとなった伊藤若冲のような、まだまだ眠っている「知られざる鉱脈」を探してみませんか?

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(6)
- 「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」
開催美術館:大阪中之島美術館
開催期間:2025年6月21日(土)〜8月31日(日)
日本美術には、まだ世に知られていない作者、作品が埋もれています。例えば、伊藤若冲(1716–1800)の場合、2000年に京都国立博物館で開催された展覧会をきっかけに、空前の若冲ブームが巻き起こりましたが、そんな若冲も、2000年以前は一般の人々にとっては「知られざる鉱脈」でした。その後も若冲をはじめとする奇想の画家の発掘は進みましたが、縄文から近現代まで、いまだ知られざる鉱脈がまだまだ眠っています。
本展では、あらためてその鉱脈を掘り起こし、美しい宝石として今後の日本美術史に定着していくことを目標としています。ぜひ本展で、「未来の国宝」を探してみませんか?
【昨年10月に開催された本展の記者発表会レポートはこちら|FEATURE】
世紀の大発見!伊藤若冲・円山応挙の合作がお披露目。2025年に大阪中之島美術館で開幕の「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ !」で公開予定展
魅惑のサウスポー から生み出される、時代を超越した宇野亞喜良の華麗で耽美な創作世界に迫る。初期から最新作までの全仕事を網羅した大規模個展

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(7)
- 「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」
開催美術館:群馬県立館林美術館
開催期間:2025年1月25日(土)〜4月6日(日)
日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍し続ける宇野亞喜良(うのあきら 1934-)。1960年代の日本において「イラストレーション」「イラストレーター」という言葉を広め、時代を牽引してきたレジェンドでありながら、常に進化を続けています。その創作は、イラストレーション、ポスター、絵本、書籍、アニメーション映画、絵画、舞台美術など多岐におよび、1950 年代初めのデビュー以来、活動の範囲は限りなく広がっています。
本展は、宇野亞喜良の初期から最新作までの全仕事を網羅する、過去最大規模の展覧会です。1950年代の企業広告をはじめ、1960年代のアングラ演劇ポスターや絵本・児童書、近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、多彩で貴重な原画や資料等を紹介します。
「モノ」を撮影することで生まれた写真作品を、「ブツドリ (物撮り)」という言葉で見なおし、日本における豊かな表現の一断面を探る試み

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(8)
- 滋賀県立美術館開館40周年記念「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」
開催美術館:滋賀県立美術館
開催期間:2025年1月18日(土)〜3月23日(日)
ふと目に入った日常の「モノ」にレンズを向ける。カメラを手にしたことのある人であれば、誰しもが経験したことがある行為ではないでしょうか。カメラからスマートフォンへ、撮影するという行為はさらに一般的になり、SNSの普及により「モノ」を撮影した多くの写真が世界中に溢れています。
タイトルの「ブツドリ (物撮り)」という言葉は、もともとは商業広告などに使う商品(モノ)を撮影すること。この「ブツドリ」を「物」を「撮」るという行為として広く捉えてみると、写真史の中で脈々と続いてきた重要な表現の一形式であることに気がつきます。
本展は「モノ」を撮影することで生まれた写真作品を、この「ブツドリ」という言葉で見なおし、日本における豊かな表現の一断面を探る試みです。重要文化財である明治期の写真原板から、文化財写真、静物写真、広告写真、そして現代アーティストの作品まで、200点以上の写真作品を出品します。
まばゆいばかりに輝く花鳥画。明治後期から昭和初期に京都で活躍した画家・石崎光瑤が切り開いた、豊麗な色彩溢れる独自の世界を紹介

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(9)
- 生誕140年記念 石崎光瑤
開催美術館:静岡県立美術館
開催期間:2025年1月25日(土)〜3月23日(日)
富山に生まれた石崎光瑤(1884 –1947)は、江戸琳派の山本光一に学んだのち、京都に出て竹内栖鳳に入門。大正5年(1916)にインドを訪れて熱帯の風物に魅せられたのを機に、絢爛、濃密な花鳥画の世界を確立しました。狩野派の障壁画など日本の古画にも真摯に学びましたが、特に、大正末期というごく早い時期に伊藤若冲に注目し、若冲再評価の先駆けになった点は重要です。
花と鳥の理想郷を目指して探求を続けた光瑤。その画業を全国規模で紹介する初めての展覧会です。
風景画の名手として国民的に知られる東山魁夷の作品のほか、横山大観や菱田春草らの作品、そして近代の日本画家が憧憬した海外の画家の作品も紹介

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(10)
- 「東山魁夷と風景画の旅:日本から世界へ」
開催美術館:福田美術館
開催期間:2025年2月1日(土)〜4月13日(日)
風景画の名手として国民的に知られる東山魁夷(1908-1999)は、日本各地を旅して自然が織りなす風景を描き続けました。さらに魁夷は国外へ関心を示し、ドイツ留学を経て、欧州や中国など、彼の目を通した世界の風景も絵にしました。本展では、福田美術館で初公開となる、京都の修学院離宮を描いた《夕涼》をはじめ、オーストリア・メルクの修道院からドナウ川を見下ろす《青きドナウ》など、同館が所蔵する魁夷の作品、約30点を通期展示で公開します。
また、日本画の革新を目的に渡米した横山大観や菱田春草らの作品も展示し、さらに西洋の近代風景画の基礎を築いたカミーユ・コローによる《孤独、ヴィジャンの想い出(リムーザン)》や、印象派を代表するクロード・モネの代表作《プールヴィルの崖、朝》など、近代の日本画家が憧憬した海外の画家の作品も紹介します。
京都東山・鹿ヶ谷の地にて開館以来65年目を迎える今年、リニューアルオープンの泉屋博古館がリニューアル記念名品展で美術工芸の代表作を紹介

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(11)
- リニューアル記念名品展Ⅰ「帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち」
開催美術館:泉屋博古館
開催期間:2025年4月26日(土)〜6月8日(日)
泉屋博古館が、京都東山・鹿ヶ谷の地にて開館以来65年目を迎える2025年に、春、1年の改修工事を経て装いを新たにリニューアルオープンします。
記念の第一弾として、一貫して活動の核としてきた住友家伝来の美術品を中心に、日本、中国、朝鮮の古代から近世にいたる美術工芸の代表作を精選して紹介します。
いにしえから名高い逸品、時代とともに新たな価値が見出された優品、さらには今後注目を集める可能性を秘めた珍品。いずれも、時に気高く、時に優しく、出会う度に違った表情を見せてくれます。観る人の心に寄り添う不朽の住友コレクション、その奥深さに再び出会うまたとない機会です。
江戸時代末期から明治初期にかけての戦争や動乱、人々を熱狂させた流行現象など、激動する時代の諸相を描いた錦絵に歴史資料的側面から迫る展示

- 2025年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(12)
- 企画展示「時代を映す錦絵ー浮世絵師が描いた幕末・明治ー」
開催美術館:国立歴史民俗博物館
開催期間:2025年3月25日(火)〜5月6日(火・振)
江戸時代後期に成立した多色摺浮世絵版画である錦絵は、役者絵や美人画、名所絵などで高度な表現を成し遂げ、日本美術を代表するものとして世界的に認知されています。一方、錦絵は江戸市中に無数に存在する絵双紙屋を通して販売されるという流通形態も与って、世の中の出来事や流行を伝えるメディアとしての役割も果たしました。このメディアとしての性格は江戸時代末期に急速に強まっていきます。とくに天保の改革を機に風刺画のジャンルが成立してからは、世相を題材とした錦絵の中には、役者絵や美人画など既成のジャ ンルをしのぐヒット作も出てきます。
本展では、江戸時代末期から明治初期にかけての、戊辰戦争などの戦争や動乱、大地震、疫病の流行、多くの人々を集めた寺社の開帳や見世物、あるいは人々を熱狂させた流行現象など、激動する時代の諸相を描いた錦絵を、その歴史資料的側面に光を当てて展示します。
江戸時代中・後期に行われた出版統制令は、幕府や大名家に関する話題や政治的出来事を主題にしたものを出版することを禁じていたので、規制をかいくぐるための表現も多彩に発展します。世相を題材とした錦絵を時代順や画題ごとに展示するだけでなく、既存の画題を隠れ蓑としながら、いかに人々に情報を伝えたのかについても紹介します。