ジャン=フランソワ・ミレーの没後150年を記念して、
山梨県立美術館が、3のつく日を「ミレーの日」に。
山梨県立美術館「ミレー館」で、毎月3のつく日に貴重な名画の数々が撮影可能に!

1978年に開館した 山梨県立美術館 は、「ミレーの美術館」として知られる。同館が最初に収蔵したジャン=フランソワ・ミレーの作品は、《種をまく人》であった。この作品を中心として、ミレーやバルビゾン派の作家、ヨーロッパの主要な風景画家、ならびに山梨ゆかりの作家や日本の近現代作家の作品をコレクションしている。現在の所蔵品の総点数は現在約1万点にもおよぶ。

1850年 山梨県立美術館蔵
年に4回ほど開催される特別展以外にも、ミレーやコロー、ルソーといったバルビゾン派を主に紹介する「ミレー館」、望月春江や近藤浩一路など山梨ゆかりの作家や日本近現代の重要な作家を多彩なテーマで紹介する「テーマ展示室」、版画作品で知られる萩原英雄の作品や蒐集品を紹介する「萩原英雄記念室」の3室で開催される、各コレクション展も年4回ほど展示替えが行われており、いずれも見応えのある充実した内容の展示が楽しめる。
毎月3のつく日は、“ミレーの日”。貴重な名画の撮影が可能に!

1853年 山梨県立美術館蔵
ミレー没後150年の節目となる今年、そして山梨県立美術館の開館記念日でもある11月3日より、「ミレー館」での、展示作品の写真撮影が可能となる(一部作品を除く)。 「撮影可能な日をあらかじめ設定することで、撮影を楽しみたい方と静かに鑑賞したい方のどちらにも快適に過ごしていただきたい」、という思いから当企画を決定したとのこと。
ジャン=フランソワ・ミレーは、農村に生きる人々の姿を見つめ、その日常の営みを描いた画家である。フィンセント・ファン・ゴッホは、庶民の生活を芸術として昇華させたミレーに強く感動し、ミレーを心の師のように尊敬しており、《種をまく人》をはじめとして多数のミレー作品の模写を残している。印象派のカミーユ・ピサロも、光や大気の描写を重視する一方で、ミレーから影響を受け、自然の中で生きる人々や田園風景を数多く描いた。
- 3のつく日は「ミレーの日」開催概要
2025年11月3日(月・祝)より、3のつく日に開催 ※休館日を除く
直近3ヶ月の撮影可能日:
11月3日(月・祝)、13日(木)、23日(日)、30日(日)
12月3日(水)、13日(土)、23日(火)
2026年1月3日(土)、23日(金)、30日(金)、31日(土)
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/permanent/index.html

1868年 山梨県立美術館蔵
ジャン=フランソワ・ミレー
ジャン=フランソワ・ミレー(1814–1875)は、19世紀のフランスで活躍した画家である。フランス北西部ノルマンディー地方に生まれ、若い頃にパリで絵の修行を積んだ後、1849年にパリ近郊のバルビゾン村へ移り住んだ。そこで彼は、農村で働く人々の姿や、自然の風景を丁寧に描き続けた。その作品は、のちの印象派の画家たち――ピサロやゴッホなどにも大きな影響を与えている。日本では、明治時代に西洋文化が広まり始めた頃から紹介され、多くの芸術家たちに愛されてきた。代表作《種をまく人》は、岩波書店のロゴにも使われていることで知られている。
山梨県立美術館とミレー

山梨県では、置県100年を迎えるにあたり、美術館建設の計画が持ち上がった。その際、どのような作品を収集するかが議論され、当時の田辺国男知事が、「近代の西洋美術をコレクションの中核に」と考え、専門家の意見を求めたところ、農業が盛んな山梨の風土にふさわしい作品として、19世紀フランスの画家ミレーやバルビゾン派の作品が候補に挙がる。そして1978(昭和53)年の開館の前年、偶然にもミレーの《種をまく人》《夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い》の2点を入手する機会を得て、その後もミレーの作品、そしてバルビゾン派の作品の収集を継続してきた。
近代化によって社会が大きく変化する中でも、大地とともに生き、その恵みを得る人々の姿や、自然の豊かさを描き続けたミレー。代表作の《種をまく人》はじめとする名画の数々を、豊かな自然を擁する山梨の地でぜひ堪能して欲しい。
ミレーについて学べる、必見の動画も合わせてご紹介!
ミレーの生涯や、ゴッホなどのミレーの影響を受けた画家らについて、愛らしくコミカルなアニメでわかりやすく楽しく学べる動画。イラストレーターの城井文氏が、監督・アニメーションを担当している。美術館訪問の際には、ぜひ動画を鑑賞してからのお出かけをお薦めしたい。
日本で出会える世界的名画、ジャン=フランソワ・ミレーの「種をまく人」
当サイトの「この名画・名品を観に行きたい!美術館散歩 Vol.03」にて、ジャン=フランソワ・ミレー《種をまく人》について紹介している。
《種をまく人》の名画たる由縁や、山梨県立美術館にミレーの作品が70点も収蔵されている理由について、山梨県立美術館の学芸員 太田智子氏に話を伺った以下の記事(※2020年取材記事)も、合わせてご一読いただければ幸いである。
https://www.artagenda.jp/feature/news/20200529

- 美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ 美術館情報
- 山梨県立美術館|Yamanashi Prefectural Museum of Art
400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27
開館時間:9:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(日曜日の場合は開館)、年末年始、その他臨時開館・休館あり