3.0
贅沢な不満と3度トライした私の記録
1900年前後の万博に出品された文物が好きなので、国宝まつりの中で一番期待していたんですが、結果はビミョウ。
まず、東博に頻繁に通っているせいで、最初の展示室にあった獅子の壺と長吉の鷲でトーンダウンしました。これ、東博の常設じゃん…。
両方ともすごく好きな作品なんですが、最近まで長く展示していたので、ハレの気分になれず。そして、立派な章立てもなんだかよくわからず。
もちろん、目を見張った作品もありましたよ。
『髹漆見本軍配形衝立』や『鳥獣文様綴織陣羽織』は面白かったし、祭壇のように並べられた古伊万里と『吉備大臣入唐絵巻』は、それぞれ九州とボストンまで行かずに見られてラッキーでした。
不完全燃焼のまま帰京。次は後期と思っていたんですが、仕事がヒマな時期だったことと、奈良博の前期展示をもう一度見たい気持ちに駆られて関西再訪。京博にも再チャレンジしたけれど、やっぱりビミョウ。
この時点で、次は奈良と大阪だけでいいか、くらいの気持ちになったんですが、国立新美術館のライブラリーに行ったら、会期中にもかかわらず本展の図録があったんです。
復習がてら後期展示で見るべきものがないか調べてみたら、断然好みの『竹雀図』を発見。行くべし!
『竹雀図』はよかったですよ。混雑する前に見ようと他の作品をすっ飛ばして見に行ったので、2分くらい独り占めできました。
結局、本展をビミョウと思い続けた原因は、期待しすぎと、章立ての理解にこだわりすぎたことだと思います。
いつもなら個々の作品を見て、好きとか面白いとかの感想を積み上げるんですが、今回は鼻息荒く「万博とは何ぞや!」みたいなフレームありきで見てしまったので、興味のない部分まで知ろうとがんばりすぎました。
過ぎたるは及ばざるが如し。まぁ、これもいい経験です。