特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

東京国立博物館

  • 開催期間:2024年1月16日(火)~2024年3月10日(日)
  • クリップ数:86 件
  • 感想・評価:20 件
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国宝 舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
本阿弥光悦坐像 伝本阿弥光甫作 江戸時代・17世紀
重要文化財 紫紙金字法華経幷開結(部分) 平安時代・11世紀 京都・本法寺蔵
※会期中、部分巻替えがあります。
重要美術品 短刀 銘 兼氏(金象嵌 花形見) 志津兼氏 鎌倉~南北朝時代・14世紀
(刀装) 刻鞘変り塗忍ぶ草蒔絵合口腰刀 江戸時代・17世紀
刀 金象嵌銘 江磨上 光徳(花押)(名物 北野江) 江義弘 鎌倉~南北朝時代・14世紀 東京国立博物館蔵
重要文化財 花唐草文螺鈿経箱 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 京都・本法寺蔵
重要文化財 舞楽蒔絵硯箱 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻(部分)
本阿弥光悦筆/俵屋宗達下絵 江戸時代・17世紀 京都国立博物館蔵
重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻(部分)
本阿弥光悦筆/俵屋宗達下絵 江戸時代・17世紀 京都国立博物館蔵
蓮下絵百人一首和歌巻断簡 本阿弥光悦筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
重要文化財 黒楽茶碗 銘 時雨 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 愛知・名古屋市博物館蔵
重要文化財 赤楽茶碗 銘 加賀 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 京都・相国寺蔵
重要文化財 赤楽兎文香合 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京・出光美術館蔵
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

「異風者(いふうもの)」(『本阿弥行状記』)といわれた本阿弥光悦(ほんあみこうえつ 1558-1637) は、戦乱の時代のなかで、書・漆工・陶磁などさまざまな造形にかかわり、革新的で傑出した品々を生み出しました。一方で、光悦の世界は大宇宙(マクロコスモス)のごとく深淵で、その全体像をたどることは容易ではありません。

本展では、光悦自身の手による書や作陶にあらわれた内面世界を紹介するとともに、光悦と工匠たちが篤く信仰した当代の法華衆の社会についても注目し、造形の世界の最新研究と信仰のあり様とを照らしあわせることで、総合的に光悦を見通そうとするものです。

光悦が、篤い信仰のもと確固とした精神に裏打ちされた美意識によって作り上げた諸芸の優品の数々は、現代において私たちの目にどのように映るのか。本展を通じて紹介します。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年1月16日(火)~2024年3月10日(日)
  • ※会期中、一部作品の展示替えを行います
会場 東京国立博物館 Google Map
展示室平成館 特別展示室
住所 東京都台東区上野公園13-9
時間 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日、2月13日(火)
※ただし、2月12日(月・休)は開館
観覧料 一般 2,100円(1,900円)
大学生 1,300円(1,100円)
高校生 900円(700円)
  • ※( )内は前売料金
    ※中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等を要提示
    ※前売り券は12月1日(金)から1月15日(月)まで、展覧会公式サイト、各種プレイガイドほかで販売
    ※本展は事前予約不要です。混雑時は入場をお待ちいただく可能性があります
    ※最新の券売情報の詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URLhttps://koetsu2024.jp/

東京国立博物館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

東京国立博物館 東京国立博物館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

マルチな才能

本阿弥光悦は前から好きな書家の1人。その特別展ということで、とても楽しみにしていた展覧会でした。
光悦が刀剣や工芸などマルチな才能を持っていたことは知っていましたが、今回の展覧会では様々な方向から光悦像に迫っていて、非常に面白かったです。様々な専門分野の方が揃っているトーハクならではの企画展だと感じました。
特に書は、若書きから晩年までの作品があり、圧巻でした。書風の変遷をしっかりと追うことができ、満足度が高かったです。解説もわかりやすく、見ながら学べる感じでした。
非常に良い展覧会でした。

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morinousagisanさん、karachanさん

5.0

法華経の世界観を作品で表した

ずっと行きたかった、東京国立博物館の特別展「本阿弥光悦の大宇宙」展、終了前日に何とか行けた。

夕方に行ったが、普通に入れて、普通に見ることが出来た。

これが印象派をはじめとする西洋絵画だったら、まともに見ることはできなかっただろう。

つくづく、日本人は、日本の美術を過小評価していると思う。

しかし、さすがはトーハク。

展示品の質の高さと展示のレベルが群を抜いている。

本阿弥光悦は、日蓮法華宗の熱心な宗徒の家系で、親族や仕事などもこの日蓮法華宗のコミュニティが中心に回っている。

結局、本阿弥光悦は、法華経の世界観を作品で表したようだ。

斬新な彼の作品のアイデアは、仏からのインスピレーションなのだろう。

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karachanさん

3.0

異色の光悦展で実像に迫る

トーハクの特別展で、会期末が迫っているのに、やはり評判今一、のあらわれでしょうか、びっくりするほど空いていました。ゆっくり鑑賞できて、私としては良かったのですが。
私は工芸と絵画好きで、刀装具は大好きなのですが、書や刀剣そのものへの興味は、ほとんどあまりありません。いくら観ても理解できないのです。琳派マルチアートプランナー本阿弥光悦展には飛びつくところ、今展の様に刀剣鑑定士研士や書家としての光悦、そして法華経信仰に重点を置いた展覧会に、今一心が動かず、時を過ごしてしまいました。それでも、今まで知らなかった光悦という人を色々感じることが出来て、それなりに行って良かった展覧会でした。病いを得てもなお、表現すること、美しいものを見出すこと、に懸命だった光悦、やっぱ凄い! 前より更にまた少し好きになりました。
今展の評価、流石と思うのはやはり、照明と展示ケースが素晴らしいこと、そして鶴下絵三十六歌仙和歌巻や茶碗などの見せ方です。少し残念だったのは、冒頭に舟橋蒔絵硯箱を展示していること。引き付けとしては凄いです。でも、ただでさえ混雑して騒がしくもあり、照明効果も下がる入り口に、敢えて展示の流れからも切り離してまで、この場所に持ってきた理由は?? それから展示室は全体にがんとした印象を受け、第一会場の最後の部屋がまるまる、ただ8K映像を流すスペースになっていました。内容はともあれ、展示のボリュームが今一なのです。光悦本人の手によるものだけではなく、制作に関わったものをも多く展示しているわけですから、何か物足りない気がしてしまいます。今展の趣旨から宗達関連の展示を避けたせい??  4章光悦茶碗の展示は、とても素晴らしく、トーハクさんや五島さん三井記念さんで今まで何度となく観ていた作品でも、とても感動出来ました。ただ、サンリツ美術館さんの国宝白楽茶碗《銘不二山》や畠山美術館さんの重文赤楽茶碗《銘雪峯》には会えなかったことが、とてもとても残念でした。
お孫さんの手による光悦の木像、その真面目で厳しさもありながら、人好きそうな優し気な表情の像に、光悦の全ての真実があらわされているような気がしました。

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holy0408さん、uchikoさん、karachanさん、morinousagisanさん

REPORT

芸術家・本阿弥光悦、同時代の芸術を極め抜いたお人

光悦の「書」のゆったりとおおらかな文字。墨の濃淡や穂先の流れから見て取れる強弱、それはまるでリズムやフレーズを感じる文字の運びのよう。意外にも読みやすい!という印象も。
光悦の「茶碗」は、シンプルな造形ながら強い存在感を持つ…readmore

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  • BY moca

5.0

ブランディング

本阿弥光悦と言うと漠然と【琳派】を思い浮かべ
今まで工芸、書道家としての側面しか知らずにいました。
この展覧会の鑑賞を経て、
家職の刀剣鑑定から得た審美眼と調整、仲介などのプロデュース力によって
光悦はその時代のブランドとして信頼される存在だったのだと知ることができました。

また、刀剣の価値を保証する「折紙」が【折紙付き】の語源となっていることなど
新たな知識を得ることができました。

宗達の下絵、光悦の書のコラボレーション作品の数々はどれも見応えがあり、
謡本も美しいものでした。

何より国宝「舟橋蒔絵硯箱」が初っ端から迎えてくれて
じっくり鑑賞することができて幸せでした。

4作品の8Kの映像は見る価値あります。

長々と鑑賞してしまい、
常設展には立ち寄れませんでしたが
無知な私にとって大変有意義な展覧会で大満足でした。

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holy0408さん、karachanさん

REPORT

乙(オツ)な異風者、本阿弥光悦

人気を博している光悦展。開館時間延長の恩恵で時間ずらした休日の夕方に訪問です。

入口正面には代表作の舟橋蒔絵硯箱 (ふなばし まきえ すずりばこ)がスポットライトに淡く金色に輝きます。
デザインが斬新で、全面に波濤を描いた金の…readmore

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morinousagisanさん、さいさん、karachanさん
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  • BY uchiko

5.0

黒楽茶碗銘時雨

船橋蒔絵硯箱は見たことがあるため、それほど期待していなかったのですが、第二会場の土の刀剣の展示が良かったですね。奥の真ん中に展示されていた黒楽茶碗銘時雨が良かったです。高台がほぼなく、それでいて安定感があり、この茶碗で嗜んでみたいと思いました。森川如春庵は16歳で手にしたと知り、それは凄いなと思いました。

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karachanさん

5.0

唯一無二のアーティスト

国宝「舟橋蒔絵硯箱」は、一昨年の国宝展で初めて見たときの感動ほどはないかなと思っていたところ、こんなに盛り上がったフォルムだったのかと感動。実物を見てから2年の間に、写真で見る機会が多くあり、斜め上から撮った写真の映像が頭にあってか、実物のこんもり感に改めて驚き、感動しました。実物を直接見る重要性を改めて感じました。
重要文化財「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」皆様もおっしゃっているとおり見応えがありました。まずは下絵を中心に一通り見たあと、今度は文字を中心に見て、最後に横から全体を眺めて鶴の群像劇を体感することができました。書き忘れていた和歌の部分を探しだすと、小さな文字でちょうど上空にいる1羽の鶴の上に書いている辺り、本阿弥光悦が目立たないようにしているのかなとも思いました。結局2周しかしなかったので、もっと見とけばとちょっと後悔しています。
法華信仰に篤かった本阿弥光悦、日蓮の直筆の書を見て、光悦の書とはまったく違い、激しく波打つような字体に一番心打たれました。

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uchikoさん、黒豆さん、morinousagisanさん、さいさん

4.0

本阿弥光悦とは‥やはり何者

本阿弥光悦とは、能書家であり、陶芸もやり蒔絵も制作したとは知っているけれど、一体何者なのかがよく分からない。それがこの展覧会で分かるのでは、という期待を込めて臨む。
いきなり《舟橋蒔絵硯箱》が展示されており、盛り上がった蓋の意匠に、考えるな、感じろと言われているようだ。それから、蒔絵、書、陶芸と進む。
光悦は、自ら制作するとともに、プロデューサー(光悦村)として関わった。数寄者、粋人、ディレッタントといった方がいいのだろうか。やはり分からなくなるが、多方面にわたる作品自体に感じればいいのだろう。
宗達下絵の王朝風《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は圧巻。長次郎と並べられた樂茶碗も見もの。
辻邦生の『嵯峨野明月記』を読み返してみたくなった。

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karachanさん、micco3216さん

5.0

書も茶の湯もよくわからないけど楽しめました。

光悦の生きた時代と光悦の人間性を感じることができました。最近は京都のいろいろなところに行っているので、地理的にもその場所の雰囲気がわかり、作品の見かたが変わったように思います。鷹峯は機会があったら訪れたいですね。

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karachanさん、micco3216さん、morinousagisanさん

REPORT

好きこそものの上手なれ。

光悦好き♡・・・と言いながら、今回腰引けてたんですよね。
書や刀って、わかるかなぁって・・・。
光悦作品は少ないだろうにどうやって膨らませるんだろう?と考えた時に、書や刀がぶわ~だったらどうしよ・・・って思いました。
で、私は今回光悦作…readmore

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fumiko773さん、ファイさん、morinousagisanさん、Sukekiyo-Acckermanさん、harukaさん、他4人
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  • BY さい

5.0

光悦とは何者か

本阿弥家の稼業、法華経とのつながり、書状から垣間見れる人脈、光悦好みの刀、光悦作の茶碗と、複数の切り口が新鮮で、ゆっくり拝見できて良かったです。

第1章の最後の方に、光悦が揮毫した扁額が何点もあり、中山法華経寺や池上本門寺と光悦縁のお寺が割合に近くにあるのを知ってびっくり。お寺に行きたいです。

光悦茶碗は、日本中から集められており、目の保養でした。

「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は、だーっと全巻が展示されており、金銀の鶴と光悦の書の躍動感に、うっとり。天井に飾られた和歌巻のタペストリーも素敵でした。
和歌の読み下しがあると、もっと良かったと思います。

書や本もかなりの割合でしたので少々渋い感じで、
琳派の華やかな工芸品が並んでいることを期待しているとちょっと物足りないかもしれませんが、今まで知らなかった光悦ワールドが広がりました。

中尊寺展→光悦展の順番で廻りました。中尊寺展の混雑からすると、会場も広く、光悦展の方が空いているようでしたが、たまたまかもしれません。

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karachanさん、micco3216さん、morinousagisanさん

5.0

豪華★

鶴下絵三十六歌仙和歌巻を
全部いっぺんに見られるときがくるとは??
飛び立つときも素晴らしい、
降り立つところもより素晴らしい!
金銀泥の混ざった発色が
なんとも言えず輝いていて。
そこに光悦の散らし書き✨
何度でもいつまでもみていられます?
はじめの頃は文字も大きくゆとりある配置、
最後の方は文字がちっちゃく
きゅっとなっていたり、二段になっていたり。
やっば?入りきらんと思った
無理やりな調整がまた良い?
4周しました(笑)

ちなみに天井に
鶴下絵三十六歌仙和歌巻の
タペストリーが飾ってあるのも
圧巻ですよ。

所要時間2時間
蒔絵や螺鈿が大好きだから
第二章に時間確保計画でしたが
第三章を倍ほどの時間鑑賞しました。
トーハクは毎回想定時間を超えて、
空腹との戦いになるので?
コンビニおにぎりを胃にいれてから
いざ出陣?で正解でした。

平日お昼、それほどの
混雑なくみることができました〜

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karachanさん、morinousagisanさん

3.0

長生きしたんだ

目当ては茶碗。黒楽赤楽。どれも素晴らしかった。
書は興味がないため、焼き物の展示をじっくりと鑑賞。
この時代に80歳まで生きたとは、驚き。

4.0

宗達や楽家とのつながりで生み出された芸術

本阿弥家一族が日蓮法華宗の熱心な信徒で、光悦の芸術仲間の人脈は法華宗信徒にあったということは、今まで知りませんでした。家康から洛北の鷹峯に土地を拝領して一種の芸術村を作りますが、そこに集まった職人や芸術家たちは、法華宗信徒でもあったんですね。60歳を過ぎてから始めた楽焼では、楽家と深い関わりがありましたが、楽家も日蓮法華宗徒だったとは。

展示で圧巻なのは俵屋宗達とのコラボ作品「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の13.6m全巻。俵屋宗達が描いた鶴の群れを下絵に、光悦の書が抑揚をつけて舞うように散らし書きされた巻物を観ていると、まるで音楽を奏でているように感じます。
ただ不思議なのは、俵屋宗達については本展ではほとんど言及がないということ。
俵屋宗達の才能を見出して、一緒にコラボ作品を創ったのも、本阿弥光悦の人を観る力があったからこそと思うので、その点にもう少し触れても良かったのにと思いました。
この展覧会では、琳派の流れで光悦を捉えることを、意図的に排除しているのですが、宗達も日蓮法華宗の信者だったと思うし、家系図にさりげなく登場する義理の親戚なので、もう少し前面に取り上げて欲しかったと思います。

最後の光悦茶碗の展示も素晴らしかった。楽家との協業で生み出された茶碗が秀逸な上に、茶碗ひとつずつをガラスケースの中でスポットライトを当てて浮かび上がらせる展示空間は、まさに宇宙を想起させるもの。やっぱり展示の演出は重要です。

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karachanさん、morinousagisanさん

4.0

一つの肩書には収まらない人

今までは光悦といっても宗達の下絵を中心に見ていて、光悦の字はクセが強いな、くらいの認識だったのだが、今回ばかりは立正安国論といろは歌にくぎ付け。
当たり前だけど、楷書も書くのね!という驚きと、こんな長いの同じ字体で書いてもつまらんやろ、という声が聞こえたような。
いろはの字のセレクトといい、多彩な書を堪能した。もう少し読めるようになりたい・・・
正直いうと刀には全く興味はないが、よい茶碗も沢山見られたし満足。(ただし、ちょっとお高いので★4つ)

自分が思っているより光悦ってマイナーなのか、金色堂に比べてえらく空いていた。

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karachanさん、黒豆さん

4.0

光悦の世界

本阿弥光悦関連の展示は確か結構前にもあったような気はするのだけど
もう覚えてないので今回の展示も楽しみにしていた

まるでしゃべり口調をそのまま強弱としてあらわしたかのような書
リズム感のある漆工に陶磁と
まさにフルコースともいうべき楽しみのある展示だ

(個人的にはキービジュアルに使われてる
船橋蒔絵硯箱が一番最初に展示されてるのがうれしかった)

あまり興味がない人が見ても確実に、いや絶対に
「お?」っと足を止めて二度見したくなる
そういうものに出会える展示だと思う

しかしやっぱ書関連の展示が印象的だったなあ

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karachanさん、uchikoさん、morinousagisanさん

4.0

光悦は琳派の祖というより、刀と書の人ってのが良くわかる展示

本阿弥光悦というと俵屋宗達と組んで琳派の祖となる方、となんとなく思い込んでいました。今回の展示では、琳派の説明もなく、光悦の本業である刀と実際に手掛けた書、そして趣味的なプロデュース作品として蒔絵とか、晩年に手掛けた茶碗が並んでました。まあ、宗達との共同作品とされる《桜山吹図屏風》とか《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》もあるのですが、琳派という言葉は使われていない。《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は以前に琳派展でよくみたのですが…。

今回の展示で見えてくる光悦は、本業の刀にかかわる様々な技術者のネットワークの中心にいること、そこに法華信徒による京都の町衆ネットワークがからんでくることで、あらゆる芸術分野の技術を入手できる立場にあったということ。そういった後ろ盾があって、これだけの広い分野で活躍できた、という構図が見えてくる。一方で、光悦由来の作品が、どこまで光悦作品なのかはよくわからない、という側面もあるようです。

ただし、書については、光悦が実際に書いているわけで、光悦の姿がダイレクトに伝わってくる。特に日蓮法華宗関係の書である《立正安国論》は肥痩をきかせた筆線というのが良くわかるし、楷書で始まって行書、草書が混在していて見飽きない。

ちなみに、晩年の書は、ちょっと斜めになったりしているのですが、これは中風を患ったためで、解説によると、その症状もそこそこ研究されてわかってきているようです。なんとなく、晩年に陶芸を始めているのは、陶芸なら中風でも楽しめるからかな、と想像しております。

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3.0

展示方法が面白い!

光悦の作品だけで平成館が埋まるのかな~と思っていたけれど、展示が工夫されていて、「光悦美術館」のようでした。
展示の工夫を感じたのは、
1.入口で船橋蒔絵硯箱を展示:いきなり終了!くらいのインパクトがあります。
2.8Kの大画面部屋で作品を紹介:作品がまったく別物に見える8Kマジック(笑)
3.鶴下絵まわりの導線確保:腰高のパーテーションを設置
4.茶わんの個別展示:小さいケースだけの展示部屋を用意
あたりですね。

今回、鶴下絵の全体を初めて見て、エッシャーの「昼と夜」っぽいなと思いました。景色の流れと鳥の動きで、場面がどんどん移り変わっていく感じがワクワクします。
よほどの光悦ファンでなければ、1階で流している映像を見てからの入場をおススメします。ご近所さんの協力で作品が成り立っていることがわかります。

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4.0

ALL OF 光悦

本阿弥光悦、早速見てきましたが良かったです!

これはかなりスゴイ内容なのでは。
重文はほぼ押さえてあって、刀剣、漆芸、陶芸、謡本、書、宗達コラボと
アーティスト光悦としてよりトータルプロデューサーとしての側面を強く押し出した構成です。
《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は全期間全場面展示で嬉しい!宗達作品としても最高レベルでホントにカッコイイ。
陶磁は個人蔵を含めた選りすぐりで全作品360度鑑賞出来て素晴らしい。
書巻もかなりの場面を見せてくれるし、広い会場を使ってゆったりとした展示になっています。

ほぼほぼ光悦展の決定版として良いかなと思います。
ほぼとしたのはサンリツの《不二山》は門外不出だから仕方がないとしても
畠山記念館の《四季草花下絵古今集和歌巻》と《雪峰》の重要作が未出品なのはとても残念。
(確か九州で畠山記念館の名品展やるんですよね、そちらに出るのかも)

で光悦展、空いています。
トーハク特別展としてはかなり快適に鑑賞できる部類で土日でもそこまで混まないのでは。
特に好きな鶴下絵と光悦茶碗が後半に展示されているため、何度もじっくり鑑賞出来たのは嬉しい。
絵画が少なくやや地味目な印象の展示内容ですがよく練られた好企画だと思います。

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国宝 舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵

本阿弥光悦坐像 伝本阿弥光甫作 江戸時代・17世紀

重要文化財 紫紙金字法華経幷開結(部分) 平安時代・11世紀 京都・本法寺蔵
※会期中、部分巻替えがあります。

重要美術品 短刀 銘 兼氏(金象嵌 花形見) 志津兼氏 鎌倉~南北朝時代・14世紀

(刀装) 刻鞘変り塗忍ぶ草蒔絵合口腰刀 江戸時代・17世紀

刀 金象嵌銘 江磨上 光徳(花押)(名物 北野江) 江義弘 鎌倉~南北朝時代・14世紀 東京国立博物館蔵

重要文化財 花唐草文螺鈿経箱 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 京都・本法寺蔵

重要文化財 舞楽蒔絵硯箱 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵

重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻(部分)
本阿弥光悦筆/俵屋宗達下絵 江戸時代・17世紀 京都国立博物館蔵

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