ヒルマ・アフ・クリント展

東京国立近代美術館

  • 開催期間:2025年3月4日(火)~2025年6月15日(日)
  • クリップ数:117 件
  • 感想・評価:12 件
ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-1
ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-2
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ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-14
ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-15
ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 3,青年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
321×240cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 7,成人期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
315×235cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 2,幼年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
315×234cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 9,老年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
320×238cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント,ハムガータン(ストックホルム)のスタジオにて 1895年頃
ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《ポピー》 制作年不詳 水彩、インク・紙 58×35.5cm ヒルマ・アフ・クリント財団
By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《エロス・シリーズ,WU/薔薇シリーズ,グループII,No. 5》 1907年 油彩・キャンバス
58×79cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《知恵の樹,Wシリーズ,No. 1》 1913年 水彩、グアッシュ、グラファイト、インク・紙
45.7×29.5cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《白鳥,SUWシリーズ,グループIX:パート1,No. 1》 1914-1915年 油彩・キャンバス
150×150cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《白鳥,SUWシリーズ,グループIX:パート1,No. 13》 1915年 油彩・キャンバス
148.5×151cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《白鳥,SUWシリーズ,グループIX:パート1,No. 17》 1915年 油彩・キャンバス
150.5×151cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《祭壇画,グループX,No. 1》 1915年 油彩、箔・キャンバス 237.5×179.5cm
ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント 《無題》 1934年 水彩・紙 50×35 cm ヒルマ・アフ・クリント財団
By courtesy of the Hilma af Klint Foundation
ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-1
ヒルマ・アフ・クリント展 東京国立近代美術館-1
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

抽象絵画の先駆者、ヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)のアジア初となる大回顧展を、2025年3月4日(火)から開催します。

20世紀初頭、ワシリー・カンディンスキーやピエト・モンドリアンといった同時代のアーティストに先駆け、抽象絵画を創案した画家として、近年再評価が高まるヒルマ・アフ・クリント。19世紀後半のスウェーデンに生まれたアフ・クリントは、王立芸術アカデミーで正統的な美術教育を受けた後、肖像画や風景画で評価を得、画家としてのキャリアをスタートさせました。

一方で神秘主義思想に傾倒した彼女は、降霊術の体験などを通して、アカデミックな絵画とはまったく異なる抽象表現を生み出していきます。そして1906年から1915年にかけて「神殿のための絵画」と呼ばれる全193点の抽象絵画を描き上げます。それらは自身が構想した神殿を飾るためのものでした。その後81歳で死去するまで制作を続けましたが、作品はほとんど展示されることなく手元に残されました。

彼女の残した1,000点を超える作品群、自身の思想を克明に記したノートなどは、長らく限られた人々に知られるばかりで、1980年代以降、ようやくいくつかの展覧会で紹介が始まります。潮目が変わったのは21世紀に入ってからで、アフ・クリントは未知の画家として世界に驚きをもって迎えられることになります。

2013年にストックホルム近代美術館からスタートしたヨーロッパ巡回の回顧展でその全貌が明らかになり、100万人以上の動員を記録、また2018年にニューヨーク・グッゲンハイム美術館(アメリカ)で開催された回顧展においては、同館史上最大となる60万人の動員を記録します。その注目は全世界的なものとなり、以降、世界各地で大規模な展覧会が開催され続けています。

アジア初の展覧会となる本展では、アフ・クリントのキャリアにおける最良の達成と言える、高さ3m超・10点組の絵画《10の最大物》(1907年)をはじめ、すべて初来日となる作品約140点が出品されます。代表的作品群「神殿のための絵画」を中心に構成し、画家が残したスケッチやノートなどの資料、同時代の神秘主義思想・自然科学・社会思想・女性運動といった多様な制作の源の紹介をまじえ、ヒルマ・アフ・クリントの画業の全容をご覧いただきます。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2025年3月4日(火)~2025年6月15日(日)
会場 東京国立近代美術館 Google Map
展示室1F 企画展ギャラリー
住所 東京都千代田区北の丸公園3-1
時間
  • 10:00~17:00
    金・土曜日は20:00まで
    (最終入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日、5月7日
※ただし3月31日、5月5日は開館
観覧料 一般 2,300円(2,100円)
大学生 1,200円(1,000円)
高校生 700円(500円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金
    ※中学生以下、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料
    ※本展の観覧料で観覧日当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)も観覧できます
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URLhttps://art.nikkei.com/hilmaafklint/

東京国立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

東京国立近代美術館 東京国立近代美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

今年のベスト入り決定です!もう一回行く!

・とにかく「10の最大物」がすごい。壁際でなく柱側に並べた人が偉すぎる。これ見られただけで行った甲斐があった。

・ニコ美を見たら「この図形や色にどんな意味があるのかと考えがちですがそこじゃなく」とか言ってましたけど、そんなことないです。意味なくないですよ。シュタイナーは慰めで何となく作品を褒めたわけではないと思います。ちゃんと作品の中の哲学を見出していたはずです。

・白鳥シリーズとか、プログレのジャケットみたいなすごいのいっぱいだった。それが小部屋みたいな展示室の壁一面に掛けてあって、こっちがトランス状態になりそうだったわ。

・大きな作品が多くて見ごたえあった。世界観がきっちりしていて、自動筆記とは思えない安定感。さすがです。

・水彩はシュタイナーの影響見て取れるんですが、もう少し数が見たかった。

・テレビ番組でどなたかが「中間色が多くてきれい。見ていて気持ちいい」と仰っていて、自分も全く同じ感想でした。例えば「赤は血の色でかつ警告色」みたいなことの逆で、人間の生理的にしんどくない色というのがある気がします。

・なんでシュールレアリスムの自動筆記はOKで、神智学の延長のコックリさんはだめなのか、欧米人って意味不明・・・識以下(今は無意識っていうのかしら・・・)に眠っている自分の実態を表現している、って考えたら同じじゃないの。なんでカンディンスキーやクレーは評価されてんのに彼女はだめなのか・・・ウイリアム・ブレイクなんてどうするんだよ!「あの木に天使がいっぱいなってる(実ってる)のが見える、うふふ」だぞ、おい!!

・日本人はオカルトというのが何だったのかをもう一度整理する必要があると思った。一時期ユングやシュタイナーはオカルト領域で語られることが多かったのは事実だが、今では当時の評価とはさすがに違う。2005年位にドイツ人とシュタイナー教育について話したけど現地でも評判いいと言ってたぞ。ネットの字ずらだけで知らないのに知ったかぶりしてるから「オカルト」の文字に踊っちゃうんじゃないの?

・今民藝がブームらしいけど、日本でシュタイナー関連で有名な高橋巌と柳宗悦は交流があった。柳宗悦はバリバリの宗教哲学者だし、しかも著作は「ウイリアム・ブレイク」でデビューじゃなかったっけ?(間違ってたらごめんね) 要するに当時は色んな思想を色んな人が模索していて、… Read More

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Camdenさん、アバウトさん、Sukekiyo-Acckermanさん

REPORT

後々ふり返れば、歴史的な回顧展になるのかな?

ヒルマ・アフ・クリント。ユニークなフレーズで形取られます。
・百数十年前のスウェーデンの女性作家
・20世紀替りの頃の抽象画、先駆者
・長らく世に出ず、2010年代から評価急騰
・グッゲンハイムで歴代最高の観客動員を記録
・スピリチュ…readmore

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Sukekiyo-Acckermanさん
  • VIEW83
  • THANKS1
  • BY Camden

4.0

ポップで可愛い

ポップで可愛くて、これが150年も前の絵とは思えないくらい今にも十分通用する絵。
神智学のヘレナ・ブラヴァツキーに傾倒していたヒルマ・アフ・クリント。2か月で仕上げないといけないと降霊術で降りて来て、そのために3メートル以上する10枚の大きな絵をテンペラにて描き上げた。テンペラの手法は早く絵の具が乾くからだという。
ヘレナ・ブラヴァツキーに傾倒していたのは彼女だけでなくカンディンスキーや詩人のイエーツまでも傾倒していたのだから、時代の先端を行く人たちは皆傾倒していたのかもしれない。シュタイナーの教育にも色濃くその影響があるらしいし、ヒルマ・アフ・クリントはシュタイナーにも会っていると会場の説明にもあった。
私はただ単純にポップで可愛いこの絵を愛でたいだけで観に行きましたが、ヒルマのバックグランドが結構強烈でした。

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でれっとたんさん、アバウトさん

REPORT

早い話がコックリさんアート

当展会場で写真撮りまくってるかた、呪いか災厄か天罰かが身に降りかかっても知りませんよ。
H.A.クリントの作品は美術館に飾る見世物じゃないと、彼女のひ孫が言い出して作品を管理する財団関係者の解任訴訟起こしたんですと。おーコワ。
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さいさん、アバウトさん、Camdenさん

3.0

目に見えない力に突き動かされた如き作品たち

抽象画は苦手ながら「ヒルマ・アフ・クリント展」、千鳥ヶ淵のと皇居の桜と「ボッティチェリ美しきシモネッタ」も合わせて、行ってきました。休日昼過ぎなので結構混雑していましたが、観辛いことはありませんでした。オール撮影OK(動画禁)です。今展は、抽象絵画の先駆者といわれるヒルマ・アフ・クリントの、アジア初の大規模回顧展で、彼女の画業の全貌に迫る作品群を観られるとのことでした。死後20年は作品を公開しない様にといい残されて‥、ということで世に長く知られなかったとか。ちょっと怖い‥。抽象画やデザインのイメージでしたが、流石です、普通の絵がめちゃ上手いです。児童書挿絵も可愛らしいです。そしていよいよホンチャン、なのですが‥。これは宗教画の抽象表現というものなのでしょうか‥。残念ながら私には、霊的感性については全くよく解らないし、彼女のメッセージも受け取り得なかったのですが、う~んやっぱ凄いです、何かいい?! パステルカラー系が多いので、あたたかくて優しい感じです。モノトーンの作品が割合気に入りました。今回の展覧会の目玉とも言われる<10枚の最大物>、速く乾くテンペラ技法を使い、たった2か月で高さ3メートル超の巨大な作品10点を完成させたそうですが、もしかしてちょっとトランス状態だったみたいなこと?? その大きさに加え、私の様なモノでも感じてしまう不思議な荘厳さがありました。まあ、とにかく、何がどうとは言えないのですが、理解不能ではあっても、行って良かったです。
65歳を過ぎてから2・3か月に一度は行かせて頂く近美さんのMOMATコレクション展も、この季節らしいラインナップ多めで、良かったです。好きな作品、鈴木主子「和春」、川合玉堂「二日月」「行く春」、松林桂月「春宵花影図」、跡見玉枝 「桜花図巻」などなどにも会えました。

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Camdenさん、黒豆さん、アバウトさん

4.0

デフォルトモード絵画

Hilma af Klintを初めて知った。きちんと美術教育を受けたいいところのお嬢さんで、展覧会の最初のコーナーででちゃんとお金になる絵も描けることが示され、決してヘタクソだから霊にたよって抽象画を描くようになったわけではないことが分かる。メインの作品は、神だか霊だかの啓示を受けて描いたものだそうで、どうも本人の意図的な計算はなされていないみたいだ。スピリチュアルな存在がHimaに描かせた絵といったところか。実際はそんな存在はあるわけないので、これらを生み出したのはやはり100%Hilmaの脳だ。デフォルトモードの脳が描いたものと考えると興味深い。そんなモードで描いても画家だから作品になるのだろう。幼少時に見たイメージだとかが意図せず反映されているのが、後半の資料で示唆される。また細胞や男女等、生命の根源とそのエネルギー、輪廻といった彼女の持つ観念がなんとなくわかる。しかし、さほど深い哲学的なものはみえず、新興宗教の施設みたいな感じがして変な気分で終わった。この後常設展に行ってなんかほっとした。

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黒豆さん、Camdenさん

REPORT

21世紀に美術界に突如して現れた異端のアーティスト

ヒルマ・アフ・クリントは、自らの絵を広めようと試みたがうまくいかなかった。

積極的に活動したシュタイナーの人智学協会でさえ彼女の作品にあまり関心を示さなかった。

ヒルマ・アフ・クリントが生まれ、活動した
19世紀から20世紀初頭…readmore

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ebizou3110さん、アバウトさん
  • VIEW247
  • THANKS2
  • BY holy0408

3.0

神秘と抽象のはざまで

抽象絵画の先駆者、クリント(1862-1944)の回顧展。スウェーデン出身の彼女は、神秘主義思想や女性運動を背景に独自の絵画を展開させ、近年評価が高まった作家だ。抽象絵画の先駆者ということで、象徴主義から抽象絵画を生み出したチェコの画家、クプカを思い浮かべて見た。実際鑑賞すると、抽象絵画というより、思想の図式絵画と言った方が適切だと思った。近代絵画に特有の自律的な造形性の強調が彼女の絵画にはない。比較するとしたらクプカより、アウトサイダー・アーティストのアドルフ・ヴェルフリの方が妥当だと思った。ヴェルフリも特有の世界観のもとに自己の絵画を展開させ独特の宇宙を繰り広げた。ただクリントはしっかりとした美術教育を受け、神秘主義思想の図式化を試みても、作品自体は造形的にとても魅力的だ。色彩が豊富でまた円、螺旋、三角形の揺れ動く構図も斬新だ。後期の流れるような水彩画も素晴らしい。彼女の作品は、モダンアートの多様性の幅を広げたと思う。

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mio_sprさん、morinousagisanさん、アバウトさん
  • 3
  • BY aki

3.0

ヒルマにハマらず

今年楽しみにしていた展覧会の一つなのだけど期待していたわりになんだかあんまりピンとこず・・・
図版では明るい色合いで良さげにみえたのが実見すると絵の具の塗りがキレイじゃなくてなんか好みじゃない・・・
初っ端のアカデミー時代の作品が素直で好ましかったです。
コルビュジエ、ザオ・ウーキー、ミロ、アフ・クリントと見てきてモッサリした暑苦しい抽象画には惹かれないのだなと。
すべて写真撮影可能。グッズ売り場はチケットなしでも入れそうでした。

コレクション展は素晴らしいです!
春恒例の菊池芳文、川合玉堂(二日月も好き)、松林桂月、船田玉樹、跡見玉枝の桜の名品がズラリ。最高。
版画は清宮質文特集、シュルレアリスム、ジャン・アルプも取り上げていました。
写真は須田一政の大好きな《風姿花伝》カッコイイ。後期は渡辺兼人、こちらも楽しみ。
ハイライトの小林古径、土田麦僊、徳岡神泉、板倉鼎もいいし、初見の嚴培明《スーダンの少年》もスゴイ。
春コレは再訪しようと思います。

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mio_sprさん、ns6121さん、Rikashさん、komagatayaさん、morinousagisanさん、他3人

5.0

神との対話の中で自らの内面の機微を作品に照らした画家

以前(と言ってもかなり昔ですが)人智学に興味を持って少し勉強したことがあります。私なりのキーワードはシュタイナー教育・学校、子安美知子、エンデなどですが、シュタイナー学校で幼年期の生徒に書かせていた絵がヒルマの同心円の絵そっくりだったことを思い出しました。展示されていた年譜を読むとヒルマとシュタイナーとの出会いはどこか運命的ですね。二人が相互に影響を受けたことをシュタイナー教育の後継者が汲んでカリキュラムに取り入れたのかな?いずれにしても以前人智学に興味を持った時には見逃していたかもww。ということで改めてヒルマの絵が人智学に根ざしていたということがわかったのは少し驚きでした。

キリスト教文化圏の人達は思春期に自らの信仰をロジカルに規定する時期があると思います。例え夫婦や家族であっても神とは1対1で向き合うことが必要とされるので自然な成り行きでそうなるかと。ヒルマ自身はそのタイミングで霊的なインスピレーションを得ますが、第2章で展示された絵には(この時期はカワイイ絵も多いですが)そのあたりのプロセスが表現されているのではないかと感じました。そしてヒルマは生涯を通じて神智学(人智学)を背景に神との関わりで得たイメージを作品に反映し続けたのではないかと思いますが、見ていて1つ特徴的なことに気が付きました。一定の間隔を置いて絵がシンメトリーになるタイミングがあるのです。再度アシンメトリーに戻るのですが何か1つのステップを遂げた際にシンメトリーになる印象を持ちました。

何といっても今回の目玉は300号の10連作(No46~55)だと思いますが、私が良いと思った作品もこの中に含まれています。

◎052 10の最大物、グループⅣ 成人期
○048 10の最大物、グループⅣ 青年期
○055 10の最大物、グループⅣ 老年期

この連作を書いた時点でヒルマは45歳です。その後40年近く生きるのにすでに老年期を描いています。彼女なりの未来のイメージで描いたのでしょうか?052の成人期にはある種の完成されたイメージを感じました。安定間というのでしょうか。最終的に055の老年期に絵はシンメトリーになります。この055はその手前の9枚が収斂したとてもロジカルな絵だと感じました。

以上、あえて事前に情報を仕入れずに見てみた感想です。3月に見れなかった彼女の映画を来月見る予定でいるので、それが済んで… Read More

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mio_sprさん、Camdenさん、ns6121さん、holy0408さん、アバウトさん、他4人

4.0

この作品群は抽象画なのか宗教画なのかと思いながら鑑賞する

2年前に「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」という映画で知ったアフ・クリント。カンディンスキーやモンドリアンに先駆けて抽象絵画を創作した、とも言えるし、その意味では美術史を書き換える、というテーマがある。それは「白人男性中心の美術史」という問題に関わってくる。ともかく実物が拝見出来る、というので竹橋の近美へ。

最大の見所は高さ3m、幅2mの巨大な抽象画10枚の展示。展示室の真ん中に壁を4つ組み合わせて、壁一つに2~3枚飾ってある。その周りをぐるりと巡りながら鑑賞することになる。展示室の壁際にはベンチがあって、座って鑑賞することもできる。ベンチの辺りは照明が落としてあって、割りと落ち着ける。10枚一組の作品のタイトルは《10の最大物、グループIV》。1907年の作品で、紙にテンペラで描いてキャンバスに貼り付けてある。絵の感じは柔らかい。色調は明るく、描かれているものは丸い。なんとなくふわっとした感じだけど、大きい。

そして、そもそもアフ・クリントの作品は抽象画なのか、という問題もある。観客として見る限りは抽象画に見えるのだけど、アフ・クリントは交霊会で「高次の存在」から指令を受け描いた、としている。ちょっとややこしい。

写真撮影OK。図録あり。図録には岡崎乾二郎の長めの解説付き。

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mio_sprさん、Camdenさん、holy0408さん、karachanさん、黒豆さん、他3人

3.0

はじめてのヒルマ・アフ・クリント

今回の展覧会で初めて知ったヒルマ・アフ・クリント…
背景を考えず作品と向き合ったとして好みは分かれるところでは。
私はそれほどでも、でした。
大きな空間の真ん中に大作を掲げ、ベンチで囲む展示は面白いなと思いました。

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ns6121さん、karachanさん、他2人

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出展作品・関連画像IMAGES

ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 3,青年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
321×240cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 7,成人期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
315×235cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 2,幼年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
315×234cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 9,老年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付)
320×238cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント,ハムガータン(ストックホルム)のスタジオにて 1895年頃
ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《ポピー》 制作年不詳 水彩、インク・紙 58×35.5cm ヒルマ・アフ・クリント財団
By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《エロス・シリーズ,WU/薔薇シリーズ,グループII,No. 5》 1907年 油彩・キャンバス
58×79cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《知恵の樹,Wシリーズ,No. 1》 1913年 水彩、グアッシュ、グラファイト、インク・紙
45.7×29.5cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

ヒルマ・アフ・クリント 《白鳥,SUWシリーズ,グループIX:パート1,No. 1》 1914-1915年 油彩・キャンバス
150×150cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of the Hilma af Klint Foundation

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