ヒルマ・アフ・クリント展
東京国立近代美術館|東京都
開催期間: ~
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早い話がコックリさんアート
当展会場で写真撮りまくってるかた、呪いか災厄か天罰かが身に降りかかっても知りませんよ。
H.A.クリントの作品は美術館に飾る見世物じゃないと、彼女のひ孫が言い出して作品を管理する財団関係者の解任訴訟起こしたんですと。おーコワ。
なんせ、これらの作品はスピリチュアルアートの最たるもの。神か霊か憑き物か、クリント女史に降りてきてトランス状態で描かせた降霊画。日本で言えばコックリさん画ですから。
1862年、日本では幕末の頃にスウェーデンに生まれたクリントは、ストックホルムの王立アカデミーで学んで絵画の基礎を身につけた後、そっち系の道に踏み込みます。画家としての人生はその宗教団体信者としてあったわけで、ライフワークと言えるのが教会の神殿を飾る絵画です。
絵だけは大量に完成させていましたが、残念ながら神殿は実現せず、81歳の1944年に亡くなります。
存命中も死後も膨大な作品群は表に出ることはなく、半世紀以上も経った2013年にようやく個展開催になったそうです。
死後20年は作品は公表するなというのがクリントの遺言で、それを守った遺族が26年後に国立美術館に寄贈を申し出たら断られたんだそう。
まあそりゃそうかも。降霊画とわかれば何かの霊感商法かと思われてもしかたないもんね。
とはいうものの、よーく彼女の経歴と作品とを並べて時代考証をしてみると、世界初の抽象絵画ではないかと専門家は気づくわけです。
抽象画の祖ともいわれるカンディンスキーより先に描いてるんですから。これはもう早いもん勝ちの法則からいくとクリントの勝利です。
実際にクリントの抽象画が描かれたのは20世紀初頭、明治40年前後ですからね。当時としては画期的どころか、世に問えば賛否両論のセンセーションを巻き起こしてたに違いありません。
仮にこれが今を生きるアーティストが描いたのなら、まあとりたてて評価されることはないでしょう。割とよく見る図柄ですから。ニトリのカーテンにありそうな。
でもなんたって120年も前の作品ですからね。それからすると、斬新でオシャレなPOPアートじゃないですか。マリメッコの新作ですと言えば、信じる人もいるでしょう(笑)
21世紀の今、こんな貴重な世界初の抽象画を幸運にも目にすることができたのは喜ぶべきことだと私は思います。
たぶん彼女の絵は近いうちに教科書に載るんじゃないでしょうか。
そんなことを思いながら会場を回りました。
メインの大作《10の最大物》の部屋は照明をやや落とし、ぐるりと周回して全作を見るレイアウトで、これがかの神殿を飾るはずだったやつかと神妙に拝見させていただきました。
そんなことは気にもかけずにパシャパシャ大音響でスマホ撮影する若者たちの前途を案じながら(笑)
そうそう、彼女の霊視か予知能力か知りませんが、その《10の最大物》の老年期No.9は我々日本人が見たら驚きです。
菊の御紋と徳川葵が重なった紋様を描いているのです。それを描いた1907年から118年後に遠く離れた東洋の島国で公開されることの預言だったのでしょうか。
なんか書き出しとは一転して、クリント支持の論調になってしまいました。
私も最初は、スウェーデンのイタコかいとも思ってたんですけど、絵を見てるとなんだかそんな自分が恥ずかしくなってきて素直に明るい配色のアブスト画を楽しめばいいんじゃないと思うようになってます。
あ、これが霊感商法の手口か!