FEATURE

2024年上半期に開催スタートの注目の
展覧会を一挙ご紹介!(第2弾 関西&全国版)

「モネ 連作の情景」「両界曼荼羅伝説 
―『画聖』の誕生―」「
キュビスム展」「円空-旅して、彫って、祈って-」 

「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」「古代メキシコ」「キース・へリング展」ほか

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アートアジェンダがお薦めする、2024年の上半期(1~6月)に始まる注目の展覧会、第1弾の東京&関東版 に続き、第2弾 関西&全国版のおすすめ展覧会のご紹介です。

東京展に続く巡回展となる、「モネ 連作の情景」「
キュビスム展」「キース・へリング展」のほか、特に注目したいのが、 
神護寺が所蔵する《両界曼荼羅など重要な国宝を含む数々の作品で密教世界を紐解く「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」やこちらも国宝の秋冬山水図などを含む「雪舟伝説 
―『画聖』の誕生―」や「円空-旅して、彫って、祈って-」など、関西のほか全国から、全13の展覧会をご紹介しています。アートアジェンダ展覧会情報 も合わせてご参考にしていただいて、今年もたくさんの美術館・展覧会をお楽しみください。

1874年に第1回印象派展が開催されてから150年の節目に、国内外のモネの代表作約70点が一堂に会す「モネ 連作の情景」

《ルーヴル河岸》 1867年頃 油彩、カンヴァス 65.1×92.6cm デン・ハーグ美術館
© Kunstmuseum Den Haag -bequest Mr. and Mrs. G.L.F. Philips- van der Willigen , 1942
《ルーヴル河岸》 1867年頃 油彩、カンヴァス 65.1×92.6cm デン・ハーグ美術館
© Kunstmuseum Den Haag -bequest Mr. and Mrs. G.L.F. Philips- van der Willigen , 1942
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(1)
「モネ 連作の情景」
開催美術館:大阪中之島美術館
開催期間:2024年2月10日(土)~5月6日(月・振)

印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)は、自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残しました。同じ場所やテーマに注目し、異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりをカンヴァスに写し取った「連作」は、巨匠モネの画業から切り離して語ることはできません。移ろいゆく景色と、その全ての表情を描き留めようとしたモネの時と光に対する探究心が感じられる「連作」は、巨匠モネの画家としての芸術的精神を色濃く映し出していると言えるのかもしれません。

1874年に第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、国内外のモネの代表作約70点が一堂に会す本展では、モネの代名詞として日本でも広く親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフとした「連作」に焦点を当てながら、時間や光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿ります。

画聖と仰がれる雪舟への評価がいかにして形成されてきたのかを検証し「画聖」雪舟誕生の過程を明らかにする特別展 雪舟伝説 
―「画聖」の誕生―

国宝 秋冬山水図 雪舟筆 東京国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示
国宝 秋冬山水図 雪舟筆 東京国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(2)
特別展 雪舟伝説 ―「画聖」の誕生―
開催美術館:京都国立博物館
開催期間:2024年4月13日(土)~5月26日(日)

日本美術史上もっとも重要な画家の一人とされる雪舟。六件もの作品が国宝に指定されていることが象徴的に示しているように、雪舟に対する現在の評価は突出したものがあります。しかし、それは単純に作品が優れているという理由だけによるのではありません。雪舟とその作品に対し、歴史的に積み重ねられてきた評価の上に、今日の高い評価があるのです。

本展では、主に近世における雪舟受容を辿ることで、「画聖」と仰がれる雪舟への評価がいかにして形成されてきたのかを検証します。桃山時代に雪舟の後継者を自称した雲谷派と長谷川派、雪舟画風を流派様式の礎とした江戸時代の狩野派はもとより、これら漢画系の画家とは異なる実にさまざまな画家たちが雪舟を慕い、その作品に学びながら、新しい絵画世界を切り開いていきました。一口に雪舟受容といってもそれ自体複雑な性質を孕み、多角的に把握すべきものです。その多様な雪舟受容を通して、「画聖」雪舟誕生の過程を明らかにすることを目指します。

新たな地平を開いたキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による作品約130点を通して紹介する「キュビスム展―美の革命」

ロベール・ドローネー《パリ市》 1910-1912年
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle (Achat de l’ État, 1936. Attribution, 1937)
© Centre Pompidou, MNAM-CCI/Georges Meguerditchian/Dist. RMN-GP
ロベール・ドローネー《パリ市》 1910-1912年
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle (Achat de l’ État, 1936. Attribution, 1937)
© Centre Pompidou, MNAM-CCI/Georges Meguerditchian/Dist. RMN-GP
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(3)
パリ ポンピドゥーセンター  キュビスム展
―美の革命 
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
開催美術館:京都市京セラ美術館
開催期間:2024年3月20日(水・祝)~7月7日(日)

20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。西洋絵画の伝統的な技法であった遠近法や陰影法による三次元的な空間表現から脱却し、幾何学的に平面化された形によって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。

また絵画や彫刻の表現を根本から変えることによって、抽象芸術やダダ、シュルレアリスムへといたる道も開きます。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与え、装飾・デザインや建築、舞台美術を含む様々な分野で瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしています。

本展では、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品となります。20世紀美術の真の出発点となり、新たな地平を開いたキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による絵画を中心に、彫刻、素描、版画、映像、資料など約130点を通して紹介します。

代表的な3つの文明「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」焦点をあてた、古代メキシコ文明の奥深さと魅力に迫る特別展

チャクモール像 マヤ文明、900~1100年 チチェン・イツァ、ツォンパントリ出土 ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX
チャクモール像 マヤ文明、900~1100年 チチェン・イツァ、ツォンパントリ出土 ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(4)
「【特別展】古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」
開催美術館:国立国際美術館
開催期間:2024年2月6日(火)~5月6日(月・振)

紀元前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻まで、3千年以上にわたり繁栄したメキシコの古代文明。本展では、そのうち「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点をあて、多彩な出土品約140件を紹介します。

火山の噴火や地震、干ばつなど厳しい自然環境のなか、人々は神を信仰し時に畏怖しながら、王と王妃の墓、大神殿、三大ピラミッドなど各文明を代表する壮大なモニュメントを築きました。普遍的な神と自然への祈り、そして多様な環境から生み出された独自の世界観と造形美を通して、古代メキシコ文明の奥深さと魅力に迫ります。

人々の切実な祈りや願いに寄り添って作られた、素朴ながら力強く温かい「円空仏」の魅力に迫る「
円空-旅して、彫って、祈って-」

護法神立像(左)・善財童子立像(右) 岐阜県・神明神社(関市円空館寄託)
護法神立像(左)・善財童子立像(右) 岐阜県・神明神社(関市円空館寄託)
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(5)
「あべのハルカス美術館開館10周年記念 
円空-旅して、彫って、祈って-」
開催美術館:あべのハルカス美術館
開催期間:2024年2月2日(金)~4月7日(日)

生涯に12万体の仏像を彫ると誓ったといわれる江戸時代の僧・円空(えんくう 1632-1695)。円空は修験道(日本古来の山岳信仰が、役行者(えんのぎょうじゃ)を始祖として仰ぎ、外来の密教などと習合して、平安時代末に成立した一つの宗教体系)を修めた僧です。

山岳修行によって超自然的な力を獲得し、その力を用いて人々を救う活動をする宗教者です。円空はその実践として、各地の霊場を旅し、神仏を彫り、祈りを捧げました。円空が彫った神仏は、あるものは優しい微笑みをたたえ、あるものは迫力のある怒りの相を表し、多くの現代人の心をも惹きつけてやみません。

生誕、入寂の地である岐阜県や愛知県、三重県など東海地方を中心に北海道から近畿地方まで円空の足跡は遺されています。本展では、「円空仏」とよばれ親しまれている彫刻はもちろん、絵画や文書など円空の人柄に触れることのできる貴重な史料により、円空の生涯と活動を追っていきます。

空海が制作を指導した現存最古の曼荼羅を修理後初公開。空海と真言密教の魅力を紹介する特別展 
「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」

国宝 両界曼荼羅(西院曼荼羅<伝真言院曼荼羅>)のうち胎蔵界 平安時代(9世紀)京都・教王護国寺(東寺)
国宝 両界曼荼羅(西院曼荼羅<伝真言院曼荼羅>)のうち胎蔵界 平安時代(9世紀)京都・教王護国寺(東寺)
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(6)
生誕1250年記念特別展 
「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」
開催美術館:奈良国立博物館
開催期間:2024年4月27日(土)~6月23日(日)

本展は、空海(774~835)が日本にもたらした密教の全貌を解き明かすとともに、密教の「マンダラ空間」を展示室に展開し、国宝・重要文化財を含む様々な作品により、空海と真言密教の魅力を紹介します。

本展では、平安時代、淳和天皇の発願のもと空海が制作を指導した現存最古の曼荼羅で、神護寺(京都市右京区)が所蔵する国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》を、修理後初めて公開します。「胎蔵界曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」の2幅からなり、いずれも約4メートル四方の大きさを誇ります。

社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対してアートで闘い続けたキース・ヘリングの全貌に迫る展覧会

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年 中村キース・ヘリング美術館蔵
Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年 中村キース・ヘリング美術館蔵
Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(7)
「キース・へリング展 アートをストリートへ」
開催美術館:兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 ギャラリー
開催期間:2024年4月27日(土)~6月23日(日)

明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリート、つまり日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託しました。ヘリングが駆け抜けた31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージはいまなお響き続けています。

本展は6メートルに及ぶ大型作品を含む約150点の作品を通してヘリングのアートを体感することができます。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後までアートで闘い続けたヘリングのアートは、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることでしょう。

「写実に基づく装飾画」という新しい時代の芸術を確立した福田平八郎。見るものに今も新鮮な驚きを与え、自然美への共感を誘う平八郎の世界を展観

福田平八郎《漣》 重要文化財 昭和7年(1932)大阪中之島美術館
福田平八郎《漣》 重要文化財 昭和7年(1932)大阪中之島美術館
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(8)
「没後50年 福田平八郎」
開催美術館:大阪中之島美術館
開催期間:2024年3月9日(土)~5月6日(月・振)

大分市に生まれた福田平八郎(1892~1974)は、18歳のとき京都に出て絵を学びました。自然を隅から隅まで観察した写実的な作品で評価を得たのち、昭和7年(1932)に《漣》(重要文化財、大阪中之島美術館蔵)を発表し、その大胆な挑戦で人々を驚倒させました。その後も《竹》(京都国立近代美術館蔵)や《雨》(東京国立近代美術館蔵)など、色や形、視点や構成に趣向を凝らした作品を制作し「写実に基づく装飾画」という新しい時代の芸術を確立しました。

大阪の美術館では初、関西でも17年ぶりの回顧展となる本展は、代表作や所蔵館以外では初公開となる《雲》(大分県立美術館蔵)など、初期から晩年までの優品約120件を展示しその魅力に迫ります。また「写生狂」を自称した画家の瑞々しい感動やユニークな目線を伝えるスケッチ類も紹介して名作誕生の背景を探ります。

コシノジュンコの多彩で挑戦に満ちた活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会「JUNKO KOSHINO 
コシノジュンコ 原点から現点」

琳派コレクション “松柄羽織” 2004年
琳派コレクション “松柄羽織” 2004年
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(9)
「JUNKO KOSHINO コシノジュンコ 原点から現点」
開催美術館:新潟県立万代島美術館
開催期間:2024年2月22日(木)~5月26日(日)

大阪に生まれたコシノジュンコは、1960年に新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を最年少で受賞し、以後東京を拠点にファッションデザイナーとして活動を開始します。1978年のパリコレクションの参加をはじめ、世界各地でショーを開催し高い評価を得るとともに、オペラなどの舞台衣装にも活動の幅を広げます。さらに、近年ではインテリアや食、花火のデザイン、野外エンターテインメントのプロデュースなど、服飾デザインの領域を超えて意欲的に創造の対象を切り開いています。

本展は、コシノジュンコの創造の原点である高校時代に描いた絵画や装苑賞の受賞作をはじめ、現在にいたる多彩で挑戦に満ちた活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会です。衣装やデザイン画、写真パネル、映像演出など、約200点をとおして、コシノジュンコの創造の軌跡と魅力に迫ります。

コレクターの心をときめかせ、魅了した、細見家三代の美の世界を堪能する展覧会「京都 細見美術館の名品 
ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー」

伊藤若冲《雪中雄鶏図》江戸中期 細見美術館蔵
伊藤若冲《雪中雄鶏図》江戸中期 細見美術館蔵
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(10)
「京都 細見美術館の名品 ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー」
開催美術館:静岡市美術館
開催期間:2024年4月13日(土)~5月26日(日)

京都・細見美術館の収蔵品は、昭和の実業家・細見良(初代古香庵)に始まる細見家三代により80年近くをかけ蒐集され、日本美術史を総覧するコレクションとして国内外から高い評価を受けています。

本展では、約1000点に及ぶ良質なコレクションの中から重要文化財8件を含む名品104件を厳選して紹介します。古墳時代の考古遺物や平安・鎌倉時代の仏教・神道美術、室町時代の水墨画、茶の湯釜、桃山時代の七宝装飾、茶陶、江戸時代の風俗画、肉筆浮世絵、そして現代でも高い人気を誇る琳派、伊藤若冲など、名品が一堂に展示される貴重な機会となります。

ブーダン、クールベ、ゴーギャン、ドニら、ブルターニュの風土や人々を描いた近現代の絵画を通して、ブルターニュの魅力に迫る

アルフレッド・ギユ《さらば!》1892年 カンペール美術館蔵
Collection du musée des beaux-arts de Quimper
アルフレッド・ギユ《さらば!》1892年 カンペール美術館蔵
Collection du musée des beaux-arts de Quimper
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(11)
リニューアルオープン記念展
ブルターニュの光と風  画家が憧れたフランスの異郷
開催美術館:豊橋市美術博物館
開催期間:2024年3月1日(金)~4月7日(日)

フランス北西部のブルターニュ地方は、英仏海峡と大西洋の間に突き出た半島に位置し、その豊かな自然とケルトの伝統を受け継いだ独自の文化で知られています。サロン(フランス政府による展覧会)で活躍した画家をはじめ、印象派、ポン=タヴァン派らはその荒々しい海や大地、住民の素朴な暮らし、独特の風習などに魅せられて画題に選びました。

本展では、同地西端にあるカンペール美術館のコレクションを中心に、ブルターニュの風土や人々を描いた近現代の絵画を紹介します。ウジェーヌ・ブーダン、ギュスターヴ・クールベ、ポール・ゴーギャン、モーリス・ドニら多彩な画家による60余点を通して、ブルターニュの魅力に迫ります。

芦雪ならではの奇抜な着想と大胆かつ卓越した筆さばきを堪能。「奇想の画家」の異名で親しまれ、国内外で高く評価される長沢芦雪の画業をたどる

2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(12)
「特別展 生誕270年 長沢芦雪 -若冲、応挙につづく天才画家-」
開催美術館:九州国立博物館
開催期間:2024年2月6日(火)~3月31日(日)
重要文化財 龍図襖(部分) 長沢芦雪筆 江戸時代 天明6年(1786) 和歌山 無量寺・串本応挙芦雪館
前期(2月6日~3月3日)
重要文化財 龍図襖(部分) 長沢芦雪筆 江戸時代 天明6年(1786) 和歌山 無量寺・串本応挙芦雪館
前期(2月6日~3月3日)

長沢芦雪は、18世紀後半の京都で活躍した人気絵師。現代でも「奇想の画家」の異名で親しまれ、国内外で高く評価されています。その芦雪の画業をたどる本格的な展覧会が、この冬、いよいよ九州に初上陸します。代表作の龍・虎図襖(和歌山無量寺・串本応挙芦雪館所蔵)をはじめ、初期から晩年までの選りすぐりの作品が一堂に会します。

また、本展覧会では、芦雪と同時代に活躍した、伊藤若冲、円山応挙、池大雅、与謝蕪村らによる珠玉の名品がゲスト出陳します。日本美術の巨匠らが競い合い、創造的エネルギーを燃やした18世紀京都の絵画世界を紹介します。

栖鳳の若い頃から晩年までの、初公開作品を含む優品の数々と貴重な関係資料で、天才画家・竹内栖鳳の歩んだ軌跡を辿るとともに新たな魅力を紹介

竹内栖鳳 風濤 1918年(大正7)頃 海の見える杜美術館蔵
竹内栖鳳 風濤 1918年(大正7)頃 海の見える杜美術館蔵
2024年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(13)
「生誕160年 竹内栖鳳 天才の軌跡」
開催美術館:海の見える杜美術館
開催期間:2024年3月16日(土)~5月12日(日)

竹内栖鳳は1864年(元治元)、京都に生まれ、明治から大正、昭和にかけて京都の日本画界に多大な影響を及ぼした画家です。あらゆる流派の伝統的な画技を学ぶと同時に、それらに縛られることなく、時代に即した日本画を模索し続けました。

西洋絵画にも学び、1900年(明治33)に渡欧、自分の眼で見た西洋の風景や動物をまるで眼前に迫るかのような迫真性をもって画面に描き出し、それらは当時の日本画に新しい風を送り込みます。徹底的な写生を基底としつつ、その卓越した筆技であらゆるものを活写しました。

栖鳳の生誕160周年にあたる2024年、栖鳳の若い頃から晩年までの、初公開作品を含む優品の数々に加え、海の見える杜美術館が開館以来収集・整理してきた栖鳳に関係する資料と合わせ、天才画家・栖鳳の歩んだ軌跡を辿ります。他の画家との合作や書簡などに見られる交友関係、絵を描く際に栖鳳が参考にした写真や粉本、下絵から読み取れる制作過程など、今まであまり語られてこなかった栖鳳の画業の側面と、新たな栖鳳の魅力を紹介します。

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