5.0
日本初来日なだけあって
会期末に来日。当日券を事前に購入させておくのは中々良かった。目玉のヴィーナス像は、カピトリーニ美術館と同じ多角形の部屋の中央に置かれていてリスペクトが感じられた。これからも日伊の親睦が深まることを願う。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 311 の美術館・博物館と 616 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
永遠の都ローマ――二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は、古代には最高神をまつる神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。その丘に建つカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます。
同館のはじまりは、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります。古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家からもたらされた絵画など、その多岐にわたる充実したコレクションは、古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます。
本展は、カピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介します。
なお、2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年にあたります。使節団の訪欧は、のちの日本の博物館施策に大きな影響を与えることになりました。この節目の年に、ローマの姉妹都市である東京、さらに福岡を会場として、同館のコレクションをまとめて日本で紹介する初めての機会となります。
会期 | 2023年9月16日(土)~2023年12月10日(日) |
---|---|
会場 | 東京都美術館 Google Map |
住所 | 東京都台東区上野公園8-36 |
時間 |
9:30~17:30
|
休館日 |
月曜日 9月19日(火)、10月10日(火) ※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室 |
観覧料 | 一般 2,200円(2,000円) 大学生・専門学校生 1,300円(1,100円) 65歳以上 1,500円(1,300円) 高校生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://roma2023-24.jp/ |
5.0
会期末に来日。当日券を事前に購入させておくのは中々良かった。目玉のヴィーナス像は、カピトリーニ美術館と同じ多角形の部屋の中央に置かれていてリスペクトが感じられた。これからも日伊の親睦が深まることを願う。
3.0
【門外不出の傑作《カピトリーノのヴィーナス》、奇跡の初来日!】とのプロモーションでしたが、確かに素晴らしい作品でした。微妙なポージングに、どの角度から見ても美しいと感じる彫刻としてのプロポーションは見事でした。
カピトリーノ美術館そのものを、博物的に捉えたテーマもあって、現代の写真と16世紀に描かれた美術館の中庭の絵画が同じ景色で、当時の人達と現代の我々が同じ景色を見ているのだなぁ、というのが理屈では分かっていても不思議でした。
巨大彫刻は、以前「東福寺展」で巨大な仏手を観た時以来の衝撃でした。複製だったので、実物を観てみたい気持ちになりました。
正直、美術展というよりも博物館の展示を観ているような気持ちで鑑賞してしまったのは、私のローマ美術に対する造詣の乏しさでしょう。
3.0
門外不出というヴィーナスはイイですね。背中からお尻にかけてのラインがイイ。
肖像彫刻は貴重なモノが来ているっぽい。
絵画はバロックモノを中心に悪くはない。
総じて出品数も物足りず、そこそこまあまあといった展覧会です。
都美の悪い時が出た展示だなぁという印象。
そんなに観客が入っている印象もなく、この内容では仕方ないかな。
福岡会場にはカラヴァッジョが出るみたい。ヴィーナスより断然うらやましい。
4.0
アートアジェンダの登録者さんってこんなに彫刻好きなのかぁ!って位感想上がってますね。驚きです。
そこら中でチケプレしてたのでちと予想はしてましたが、土日でも人はそこそこでした。
私は「わかるかなぁ~・・・」と腰引き気味で行ったんですが、凄く楽しかったです。
欲を言えば、レプリカでもいいから彫刻の展示がもう少し見たかったなぁ!と。
それだけ見ていて飽きない・・・素敵だわぁ♡・・・でした。
もう一つはもう少し解説が欲しかったなぁ!です。
特に絵はじぇんじぇんわっかりましぇ~ん!状態でした。
宗教画の画題とか、神話をお勉強していない自分が悪いのですが、よく彫刻になる画題とかもこの中にあるのかな?とか、頭の中が?マークでいっぱいになりました。
個人的にギリシャ・ローマの彫刻というと、池澤夏樹の「パレオマニア 大英博物館からの13の旅」を思い出してしまうのです。
確かその冒頭でここにあるような彫刻を見ながら、「これを作らせた人はモデルにどんな思いを抱いていたんだろう・・・若くして戦死していたり、亡くなった奥さんだったり・・・大体悲しい話が多いなぁ」みたいな一人語りがあった記憶があって(違ったらすみません)、「どうして彫刻になったのかしらね、あなたは・・・?」とうっとり見入りながら、同じくそんなことを考えてしまいました。
あとはでかい権力者。皆様仰る通り、あれはでかいわ(笑)。
ストレートにおもろいですね。企画した方、あれはしてやったりでしょうね。
と、なんだかんだ凄く楽しかったです。
迷ってる方いたら是非に!とお勧めします。
4.0
コンスタンティヌス帝の足に手に頭部…
いやあでかい。
複製とはいえものすごい迫力だ
(「複製ばっかじゃん」って隣のカップルがぼやいていたけど
ちゃんとした複製は本物に迫る迫力がある)
展示はかなり「解りやすい」「イメージしやすい」ものが多いので
かなりとっつきやすい部類ではないだろうか
個人的にはトラヤヌス帝記念柱正面全景が印象深かった
これは実物見たくなるなあって思ってたらすぐ横に石膏複製があり
改めてその巨大さに圧倒された
目玉展示のカピトリーノのヴィーナスはおおきくスペースがとられ
余裕をもってあらゆる角度から鑑賞ができてとても良かった
5.0
こんなにたくさん、しかも重そうな立派で素敵な彫刻を持ってきてくれたの?!と思う企画展がたまにありますが、このローマ展もまさにそれでした!
配置がゆったりめでほぼ360度観られました。
しかも、彫刻だけでなく絵画も素敵で。ミケランジェロの肖像画なんて、美術解説本に取り上げられているミケランジェロそのもので!テンション上がりました。
もう一回行こうかな(^^)
平日夕方に訪問しました。19時近い到着でしたが、釣瓶落としの秋の日暮れはホントに早い。
そして夕方の最大メリット、人が少ない(笑)。悠々とローマ美術を堪能です。
「永遠の都ローマ展」は、世界的にもっとも古い美術館、イタリアのカピ…readmore
4.0
「永遠の都ローマ」という展覧会タイトルが暗示しているのは、文化芸術の源流としてローマが今なおその威厳を失っていないということだ。それがもっとも印象づけられるのは日本との関係を示す特集展示だと思う。西洋美術に範をとる美術教育において古代彫刻の造形表現はその存在感を保っている。一方、18世紀イタリアの芸術家ピラネージの奇想的な版画作品も、古代都市ローマが想像の淵源としていかに豊かであるかを象徴的に表現しているようだった。細密に描き出された建築や彫像が折り重なるように画面を占めるさまは、尽きせぬ文化芸術の源流がローマにあることを視覚化しているように見えた。
また、本展の興味深い点は、ただ古代ローマの芸術を紹介するだけでなく、もっとも古い美術館の一つとされるカピトリーノ美術館の成り立ちを辿りながら、都市ローマの創造性を捉えようとしているところではないだろうか。美術館を中心に文化芸術が育まれる様子を描き出す構成は、時代を超えて共通する、こうした文化事業の重要性と可能性をあらためて思い起こさせてくれる。
4.0
美術展というと、絵画展に行きがちですが、久しぶりに彫刻をまとめて観て、やはり絵画の前に彫刻があったんだなぁ、とあらためて美術の始まりを観た気がします。カピトリーノ美術館へは、30年近く前に行きましたが、15世紀に美術館を作るローマの人の美意識の高さが素晴らしいと思います。
5.0
「ローマ」の2000年の美術史と西洋芸術の源を探る展覧会です。
古代ローマと言えば、超大帝国、「全ての道はローマに通ず」ですし、共和制から帝政へ、そして分裂も滅亡も、言語、宗教、政治、哲学、文化芸術、建築、法律、色々なモノに分野に今日に至るまでも様々な影響を与え続けています。まさに「永遠の都ローマ」。英雄たちの名は、トラヤヌス帝、グナエス・ポンペイウス、ガイウス・ユリウス・カエサル、コンスタンティヌス帝、スキピオ・アフリカヌス、アウグストゥス(オクタヴィアヌス)、カラカラ帝、そして皇帝ネロなどなど、私には覚えにくい超苦手なカタカナ名でも、不思議に覚えています。もしかすると他の人はもっと全然多くの名を挙げるのかもしれませんが。それから、ギリシャ彫刻に習って生み出された多くの優れた彫像は、石膏などの複製が戦後日本にも教材用として多くもたらされ、私も小中学生の頃は美術部でもありましたから、《ディオニュソスの頭部(今展に大理石本物が来日)》や《カラカラ帝胸像》などの石膏像をよくデッサンしていました。
今展は、「カピトリーノ美術館」の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介しているそうです。70点は、ちょっと少ない? 事前に目録から分かりましたがレプリカが結構多いです。それはそうですよね。大理石とかの彫像はそう簡単に来日させて貰えないでしょうし、現地でもレプリカが展示されていることが多いとか‥。高性能なレプリカ、大いに結構です。そんな中、門外不出だった『カピトリーノのヴィーナス』の(東京会場限定)来日は、本当に奇跡でしょう。何度も何度も像の周りを廻ってしまいました。
フォロ・ロマーノにほど近いカピトリーノの丘の、ミケランジェロが設計したカンピドリオ広場に建つこの「カピトリーノ美術館」は、一般市民に公開された美術館としては世界最古のものと言われているそうです。ロケーションも良く、所蔵作品からしてこんなに凄い美術館なのに、逆に短時間で観きれないせいか、ローマ自体(バチカンも含めて)に見る場所が多すぎるせいか、日本の観光会社のツアーはあまり行っていないような気がします。私も若い頃の旅行で、広場には行きましたが入館しませんでした。今思えば後悔しきりです… Read More
4.0
立体作品が好きな角度から眺めれらるように配置されていたので、面白い発見が多々ありました。
カピトリーノの牝狼の両方の後脚に洞のような窪みがあったり、写真だとのっぺりと見えていた牝狼の顔の奥行きが長くて歯も作り込まれていたり、アウグストゥスの横顔が正面の2倍くらい端正だったり、女性の髪型や髪飾りが斬新だったり、鼻の修復跡がくっきり残っていたり…、挙げるとキリがないほどです。
一番の衝撃作品はカエサルの肖像です。めちゃくちゃ猿顔なうえに、キャプションに「理想化は見られない」と書かれてるし!いままで映画や漫画で見ていたカエサルは超絶美化されてたんですね(笑)
カピトリーノのヴィーナスは腰の造形がキレイでした。
モザイク画のテッセラの貼る間隔の微妙な違いや、教皇の肖像のレースの繊細さなど、見る機会の少ない作品に触れられた楽しい展覧会でした。
5.0
カピトリーノのヴィーナスをお目当てに訪れました。古代ヴィーナス像の傑作と言われるだけあり見事な造形で感動しました。大理石をこれだけ滑らかに削る技術と才能にうっとりしました。
また、モザイクのローマ教会の擬人像、かつてヴァチカンに飾られていたディオニュソスの頭部は必見でした。とてもいい展覧会でした。
3.0
古代ローマといえば、ギリシャと並んで、伝統的な美の規範です。先日、古代メキシコ文明の展覧会を観たばかりなので、「対極にある文化だなぁ」「古代ローマは理想化した美だけどメキシコは抽象化した美かな。現代美術はメキシコの方に近いのかな」なんて漠然と考えながら鑑賞しました。
見どころは限られます。最大の目玉は「カピトリーノのヴィーナス」。
現地に行かないと見ることが難しいので、貴重な機会です。展示会場の床は、カピトリーノ美術館の前の広場と同じ弧を描いた幾何学模様でデザインされていて、部屋全体が水色で統一されていて、いい雰囲気を演出してくれています。
理想化した美ではあるけど、恥じらいのポーズで、本当に恥ずかしそうにしている感じが伝わってきて、変にリアルでした。
あと最後に展示されているカピトリーノ美術館と日本の関連を紹介するコーナーは興味を惹かれました。150年前に岩倉使節団がカピトリーノ美術館を訪問し、ローマの美術品を眼にしたことが、その後の明治政府の美術政策(西欧偏重?)に繋がったそうです。その象徴が美術教材として持ち込まれた石膏像で、最も普及した石膏像の「ディオニュソスの頭部」の大理石像が展示されています。まさに理想化した美の規範を学ぶ日本の美術学生が最初に描いてきたのが、この像ということで、感慨深いものがありました。
東京都美術館 で開催中の「永遠の都ローマ展」を見てきた。
作品の大半は、カピトリーノ美術館やローマ文明博物館など、海外移送により来日したもの。ただし複製も多い。
展示作品は、会場の混雑を予想してか、心持ち少なめな印象も受けた…readmore
3.0
ローマの枕詞は「永遠の都」とか「二千年の美」らしい。しかし本展覧会を拝見して、実は大きな疑問を持ってしまった。というのも、展示されていたのは《カピトリーノの牝狼》など古代ローマにかかわるもの、つまり紀元前5世紀から4世紀あたりの作品と、ルネサンスを中心とした13世紀から19世紀の作品があって、まあそこそこ見どころはあるんですが、5世紀から12世紀の作品はどこにいったのかな、というのが見終わって会場を出たところでモヤッとした謎として起ち上がってきたのでした。永遠の都の空白の時代という感じ。
とはいえ、古代ローマ帝国の栄華を象徴する《コンスタンティヌス帝の巨像》の、部分を原寸で複製した作品があって、なかなか面白い。巨大な左足が置いてある展示は、モンティパイソンのオープニングで登場する巨大な足のアニメを思い出させてくれる。あと、《カピトリーノのヴィーナス》という古代彫刻も来てました。確かに2世紀の大理石の石像作品としてはほとんど欠損もなくきれいな作品です。
全体としては、作品数も少なく、立体作品中心で、解説ももう一歩。まあ空いているのが救いかと思います。
4.0
初来日のカピトリーノのヴィーナス、楽しみにしてました。
カピトリーノ美術館の展示室風の展示コーナーに、静かに立ってる姿は美しかったのです。でも、ビーナスは恥じらっているように見えるので、じろじろ見たら悪いかなーと思いながらも、ぐるっと一周。
彫刻作品、ローマ市内を描いたエッチングは見ごたえありました。絵画コレクションは点数も少なめで、少々、物足りなかったです。
展示にゆとりがあり、割と空いていたのでゆっくり回れました。
ミュージアムショップは、イタリアのお菓子、コーヒー、バッグやクッションなど、種類が多く充実してました。
以下、ネタバレです。
びっくり1 女性の髪形が怪奇複雑
もしかして髪飾り?、どうやって結った(セット)したのか全く想像がつかないくらい、女性の彫像の髪形が謎でした。カピトリーノのヴィーナスも、髪で蝶結びしてます。
びっくり2 巨大
コンスタンティヌス帝の巨象、トラヤヌス帝記念柱、「巨大」です。これだけ大きなものを作る力があったってことで、ローマ帝国の繁栄ぶりを感じました。
びっくり3 美術室の石膏像の正体
見覚えのある彫像があり(中学生の時にデッサンし、自分ではよく描けた思っていたので記憶に残っていた)、あ、懐かしい~と思いました。「ディオニュソスの頭部」です。解説を読んだら、なんと女性像ではなく、男性像!!女性像だとずっと思ってました。
そして、「ディオニュソスの頭部」をモデルにした石膏像は、明治のお雇い外国人が胸像として持ち込んだもので、日本に一番たくさんあるだろうという解説にまたびっくり。そんな歴史があったのか、日本中にたくさんあるから、普通の公立中にもあったのね、と妙に納得。
びっくり(発見)がいろいろあって、楽しかったです。もう少し、たくさん見たかったので、★一つマイナスです。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都台東区で開催中の展覧会