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2017年(下半期 7~12月)に開催スタートの注目の展覧会第2弾、関西&全国編を一挙ご紹介!「怖い絵展」「バベルの塔展」「国宝展」「英国の至宝展」ほか

ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》 1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー ©The National Gallery, London. Bequeathed by the Second Lord Cheylesmore, 1902
兵庫県立美術館 「怖い絵」展より
ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》 1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー
©The National Gallery, London. Bequeathed by the Second Lord Cheylesmore, 1902

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上半期に続いて、7月以降の12月までの下半期におすすめの展覧会、第1弾、関東編に続き、関西&全国で開催される注目の6つの展覧会をご紹介します。(第1弾、関東編はこちら)

ひとつ目に、名画に潜む“恐怖”を読み解き、話題を呼んだ「怖い絵」シリーズの著者である中野京子さん監修による展覧会「怖い絵」展。兵庫県立美術館にて、 2017年7月22日(土)より開催されます。

目隠しをされて、これから処刑されようとしている少女が描かれた絵は、《レディ・ジェーン・グレイの処刑》。16歳にしてイングランド最初の女王となったジェーン・グレイが、女王として玉座に座ったのは、たったの9日間。その後、追われて半年後に行われることとなった処刑シーンが描かれています。これから処刑が行われようとする薄暗い室内に浮かび上がる、少女の纏った白い衣装と陶器のような肌の白さが、より残忍さを漂わせます。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》 1891年 油彩・カンヴァス オールダム美術館 Image courtesy of Gallery Oldham
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》
1891年 油彩・カンヴァス オールダム美術館 Image courtesy of Gallery Oldham

杯を差し出す美しい女性は、ギリシャ神話に登場する魔女キルケ―。背後の鏡に映し出させれているのは、ギリシア神話の英雄オデュッセウス。オデュッセウスの部下たちは、キルケーの美貌に惑わされて、薬草を煎じた魔酒を飲んで、豚に変えられてしまいます。オデュッセウスは、豚に変えられずに済むのですが、このあとキルケーに恋をして、1年以上も一緒に暮らすのです・・・。

また、ゴッホやゴーギャンと並んで、ポスト印象派の代表的な画家であり、近代絵画の父と称されるポール・セザンヌの珍しい作品も展示されます。セザンヌによる絵画だとはにわかに信じがたい、強い殺意が明瞭に表れた、その題も怖い《殺人》なども知られざるセザンヌの一面を見せてくれる貴重な作品です。

これまで絵画鑑賞が、感性を頼りにして心のままに感じるもの、といった一般の人々が抱いていたイメージに対して、中野京子さんは著書「怖い絵」シリーズの中で、絵の時代背景や隠された物語という知識をもとに作品を読み解いていきます。その視点を実際の絵画を見ながら体験することができる貴重な展覧会です。

2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(1)
特別展 「怖い絵」展
開催美術館:兵庫県立美術館
開催期間:2017年7月22日(土)~2017年9月18日(月・祝)

2つ目は、東京都美術館から巡回して、国立国際美術館にて2017年7月18日(火)から開催される、16世紀ネーデルラント美術の精華を紹介する「バベルの塔」展です。

ピーテル・ブリューゲル1世 「バベルの塔」 1568年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
ピーテル・ブリューゲル1世 「バベルの塔」 1568年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands

16世紀ネーデルランド絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりに来日するほか、写実的な描写を駆使しながら、現実には存在しない奇想の世界を描いたヒエロニムス・ボスの傑作2点が初来日、そして同時代の画家たちの絵画、版画、彫刻、約90点が出品される展覧会です。

ヒエロニムス・ボス 「放浪者(行商人)」 1500年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
ヒエロニムス・ボス 「放浪者(行商人)」 1500年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(2)
「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―」
開催美術館:国立国際美術館
開催期間:2017年7月18日(火)~2017年10月15日(日)

3つ目は、錚々たる貴重な「国宝」の数々が約200件も一堂に会する「国宝展」が、2017年10月3日(火)より京都国立博物館で開催です。

国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆 東京国立博物館 桃山時代・16世紀
国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆 東京国立博物館 桃山時代・16世紀
国宝 桜図壁貼付 長谷川久藏筆 京都・智積院 桃山時代・16世紀
国宝 桜図壁貼付 長谷川久藏筆 京都・智積院 桃山時代・16世紀

親子の傑作共演となる長谷川等伯筆 国宝「松林図屏風」、長谷川久蔵筆 国宝「桜図壁貼付」、そして、尾形光琳筆 国宝「燕子花図屏風」、雪舟筆 国宝「秋冬山水図」、奈良・薬師寺の国宝「吉祥天像」や新潟県笹山遺跡出土の国宝「深鉢形土器(火焔型土器)」など、国宝に指定される美術工芸品は約885件のうち、約4分の1にあたる約200件の国宝に出会える貴重な国宝展が開催されます。

国宝 雪松図屏風 円山応挙筆 東京・三井記念美術館 江戸時代・18世紀
国宝 雪松図屏風 円山応挙筆 東京・三井記念美術館 江戸時代・18世紀

2017年は、京都国立博物館開館120周年であると同時に、日本の法令上「国宝」の語が初めて使用された「古社寺保存法」制定より120年にあたります。その節目の年に、昭和51年(1976)に「日本国宝展」が開催されて以来、41年ぶりとなる「国宝展」です。

2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(3)
京都国立博物館開館120周年記念 特別展覧会「国宝」
開催美術館:京都国立博物館
開催期間:2017年10月3日(火)~2017年11月26日(日)

4つ目は、英国 ウェールズ国立美術館の名画およそ90点が一堂に展示される、英仏の美の競演を辿る「ターナーからモネへ ウェールズ国立美術館所蔵 英国の至宝」。熊本県立美術館にて2017年7月29日(土)から開催されます。

クロード・モネ《サン・ジョルジョ・マッジョーレ、黄昏》1908年 ©National Museum of Wales
クロード・モネ《サン・ジョルジョ・マッジョーレ、黄昏》1908年 ©National Museum of Wales

世界的な名画を多数所蔵する、英国 ウェールズ国立美術館より、イギリス美術を当時最先端の地位に押し上げた、ターナーやコンスタブル、そしてロセッティらラファエル前派などの絵画と、彼らと時には同じ志を持ち、また時にはライバルとして意識していたフランスの美術から、ミレー、クールベ、マネ、ピサロ、モネら、バルビゾン派や印象派の画家たちの作品が並びます。

ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー《マーゲイトの沖合》1835年頃©National Museum of Wales
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー《マーゲイトの沖合》1835年頃©National Museum of Wales

ヨーロッパでも早く近代化を果たした英仏の2国は、そのために向き合う問題も似通うものがあり、美術でも扱うテーマに共通点が見られます。19世紀から20世紀初頭までのおよそ100年間の両国の美術の変遷をたどる展覧会です。

2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(4)
「ターナーからモネへ ウェールズ国立美術館所蔵 英国の至宝」
開催美術館:熊本県立美術館
開催期間:2017年7月29日(土)〜2017年9月10日(日)

5つ目は、アラスカの大自然や人々の営みを写真に収めた写真家 星野道夫の没後20年 特別展「星野道夫の旅」。2017年7月12日(水)より、長崎県美術館にて開催です。

氷上でくつろぐホッキョクグマ 撮影:星野道夫
氷上でくつろぐホッキョクグマ 撮影:星野道夫

テレビ番組の取材中にロシア・カムチャツカ半島での事故によって写真家・星野道夫(1952-1996)が亡くなってから20年という月日が流れました。星野は、1978年以後、18年間にわたりアラスカの大自然や人々の営みを写真に収め続けました。過酷な自然に適応し、生を謳歌する生き物たちの姿や、ともに生きる人々を捉えた写真は、私たちが忘れかけている大切なものをふと思い出させてくれます。

夕暮れの極北の河を渡るカリブー 撮影:星野道夫
夕暮れの極北の河を渡るカリブー 撮影:星野道夫

また現地の人々との交流やアラスカの地に根付く神話の世界観を収めた一連の写真からは、自然と人間との調和を生き抜くアラスカの人々の逞しさがあふれ出ています。約250点の写真、その他愛用品や映像資料によって、偉大な写真家 星野道夫の軌跡が紹介されます。

タテゴトアザラシの赤ちゃん 撮影:星野道夫
タテゴトアザラシの赤ちゃん 撮影:星野道夫
2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(5)
「没後20年 特別展 星野道夫の旅」
開催美術館:長崎県美術館
開催期間:22017年7月12日(水)~2017年8月2日(水)

6つ目は、かこさとし『だるまちゃんとてんぐちゃん』、赤羽末吉『だいくとおにろく』、瀬川康男『いないいないばあ』ほか、貴重な資料と原画で約100年間の豊かな日本の絵本表現の軌跡をたどる「日本の絵本100年の歩み」展。安曇野ちひろ美術館にて、2017年7月8日(土)より開催されます。

かこさとし『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)より 1966年 加古総合研究所蔵
かこさとし『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)より 1966年 加古総合研究所蔵

日本では、1910年代に子ども向けの雑誌「子供之友」や「赤い鳥」が相次いで創刊され、大正デモクラシーの機運を背景に、芸術性の高い絵雑誌や絵本が生まれました。

清水良雄 お馬の飾り「赤い鳥」創刊号表紙 1918年 ちひろ美術館蔵
清水良雄 お馬の飾り「赤い鳥」創刊号表紙 1918年 ちひろ美術館蔵

第二次世界大戦を経て、再び子どもたちに希望を与えるべく、個性的な画家たちや出版社が子どもの本に心血を注ぎ、1960年代になると絵本は再び隆盛期を迎えます。さらに、1970年代以降は画家たちがそれぞれの表現を深化させ、物語表現の幅が広がっていきました。1990年代以降には自由な発想による絵を主体とした数々の絵本も生まれ、その表現は多様な広がりを見せます。

赤羽末吉『だいくとおにろく』(福音館書店)より 1967年 ちひろ美術館蔵
赤羽末吉『だいくとおにろく』(福音館書店)より 1967年 ちひろ美術館蔵

今日までの100年におよぶ日本の絵本の歩みを、ちひろ美術館コレクションも含め、貴重な資料と原画でたどり、豊かな日本の絵本表現の軌跡を検証します。

2017年下半期 注目の展覧会 第2弾 関西&全国編(6)
「【開館20周年記念 Ⅲ】<企画展> 日本の絵本100年の歩み」
開催美術館:安曇野ちひろ美術館
開催期間:2017年7月8日(土)~2017年9月12日(火)

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