麗子と黒猫
会場に入ると黒い猫がお出迎えしてくれた。
菱田春草の『黒き猫』
私が今回一番会いたかった作品だ。
心の準備もなく「えっ? いきなり?!」と少し驚いたが、黒い猫は「文句あるか?」と言わんばかりにじっとこちらを見ている。
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東京国立近代美術館は1952年12月に開館し、2022年度は開館70周年にあたります。これを記念して、明治以降の絵画・彫刻・工芸のうち、重要文化財に指定された作品のみによる豪華な展覧会を開催します。
とはいえ、ただの名品展ではありません。今でこそ「傑作」の呼び声高い作品も、発表された当初は、それまでにない新しい表現を打ち立てた「問題作」でもありました。そうした作品が、どのような評価の変遷を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかという美術史の秘密にも迫ります。
重要文化財は保護の観点から貸出や公開が限られるため、本展はそれらをまとめて見ることのできる得がたい機会となります。これら第一級の作品を通して、日本の近代美術の魅力を再発見していただくことができるでしょう。
会期 | 2023年3月17日(金)~2023年5月14日(日) |
---|---|
会場 | 東京国立近代美術館 Google Map |
住所 | 東京都千代田区北の丸公園3-1 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 3月27日、5月1日、8日は開館 |
観覧料 | 未定 |
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.momat.go.jp |
会場に入ると黒い猫がお出迎えしてくれた。
菱田春草の『黒き猫』
私が今回一番会いたかった作品だ。
心の準備もなく「えっ? いきなり?!」と少し驚いたが、黒い猫は「文句あるか?」と言わんばかりにじっとこちらを見ている。
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3.0
夜間開館で訪問しましたが、混雑はなくてじっくり鑑賞できました。
近代の重文を集めただけあって、美術教科書がそのまま集結した感じです。
鑑賞した皆様の感想にもありましたが、近代(明治)になってからの重文の数68点ってけっこう少ない。ほんの150年の間、2度の世界大戦だの地震だの天災人災に諸々見舞われたから制作や選定機会が少なかったのかもしれないですね。
会場入って早々、菱田春草の可愛い黒猫がお出迎えで愛猫家としてはニコニコです。
制作の経緯が大作の屏風制作に煮詰まり、ヤバい納期に間に合わないと急遽近所の焼き芋屋(素敵なご近所さん)から借りた猫をモデルにわずか5日で仕上げたというエピソードにも驚きました。それが自身の代表作になって重文指定されるとは予想外だったでしょうね。
大観の『生々流転』、スクロール40mの長さは圧巻です。スペースの都合上展示できるのはここ東近美だけだと思います。他の会場だとパーテーションとかの関係もあるし、直線の長さが足りないでしょうから。
岸田劉生の『麗子微笑』も可愛いし、浅井忠や黒田清輝、上村松園と前半に日本画巨匠作品が並びます。
教科書に必ず載ってる髙橋由一の『鮭』もありました。そもそもなんでモチーフ鮭にしたんだろう?と前々から不思議だったんですが、西洋絵画の精密さを披露する際に誰もが知ってる対象を選んだという理由に納得です。
後半は高村光雲の貫禄の『老猿』、鈴木長吉の『鷲』と『十二の鷹』が鈍く輝く金属で本物以上の美しさで鳥愛好家として写真遠慮なくパシャパシャ。
宮川香山の蟹の張り付いた鉢、濤川惣助の七宝富嶽と日本お得意の手仕事を感じる逸品を堪能しました。
グッズは春草黒猫の印伝カードケースや、鮭のLサイズ缶バッジ、空也最中で有名な和菓子とのコラボなど購入心をくすぐる品が並び要お財布相談。時間があれば常設もしっかり見たかったです。
帰りの道中、スマホ撮影した写真を見返してみたら鮭・雉・猿・鷹・蟹・・・あれ?なんだか動物王国の様相(笑)・・・美術だよね見たのは。
展示替えもあって作品数が少な目なのと、出口の缶バッジガチャで麗子嬢が外れたので、私情入って星マイナス2です。
4.0
重要文化財の秘密展行ってきた!
黒猫ちゃん見たいがために最終日にギリギリ駆け込み、例の鮭を拝んで、他にも知らなかった重要文化財拝めて面白かった〜!写真?なのも嬉しい!
観たことのある作品も数点あったけど、一斉に揃うのはやはり圧巻でした!
3.0
鮭も湖畔も見られたし、麗子ちゃんにも会えたし、鷹は凄いし、作品解説や「秘話」も丁寧だし、行ってよかったとは感じているのだけれど、なんだろう、この物足りなさ感は。
もうひと盛り上がりか、展覧会の余韻を感じる展示で終わることを期待していたのに、いきなり出口だった衝撃。考え抜かれた展示順なのでしょうが、工芸が最後だったのが私にとっての不運だったのかもしれません。
同時開催中の「MOMATコレクション」と「修復の秘密」も興味深い内容だったので、近代美術館で過ごした一日としては大満足でした。
「生々流転」は数年前に東博が「鳥獣人物戯画展」で採用した動く歩道をとりいれればよかったのに。
4.0
国宝展の二番煎じ感は否めないが、美術史上重要な役割を果たす作品群を
一堂に見られる貴重な機会はやはりありがたい。
よく足を運ぶ人なら当館が所蔵する重文は見慣れたものが多いだろう。
したがって会期をしっかり確認してやっと来た、と言う訳だ。
朝からそこそこ混雑してたが、比較的スムーズに入館。
しかしながら、美術館とは思えぬ程、騒がしい。
おいおい、子供でももっと静かに出来るぞ、と思いながらオバチャン集団を抜けて
例の黒猫の所へ。入って最初の作品が菱田春草の『黒き猫』だった。
借りてきた猫かって位、キレイにかわいらしく描かれている。
解説を読んだらホントに借りてきた猫で驚いた!
丸みを帯びたフォルムとちょこんとした手足がまぁ、かわいい(´・∀・)
何気に初めて見た、恐らく日本で一番有名な鮭であろう高橋由一『鮭』。
日本最初期の洋画家の作品を拝めて思わず感慨に浸る。
所々、秘密のキャプションもあって良い。
個人的には工芸や彫刻をもっと見たかったが、そもそもそれらのジャンルの
重文が少ないから仕方ないのか。
やっぱり絵画に比べるとヒエラルキーが下に見られがちになってしまうのね。
コレクション展の新収蔵作品も良かったです!
4.0
「重要文化財は保護の観点から貸出や公開が限られるため、本展はそれらをまとめて見ることのできる得がたい機会となります。」とありました。目録を見てチケット購入以前から分かっていたことですが、普段「近美」あるいは「トーハク」などのコレクション展で総合文化展などいわゆる常設展で、パスポートのおかげで何度も何度も見てきた作品ばかりです。「生生流転」も最初の特別展以来何度か観てきています。どうもチケット代がもったいない感じはしていました。でも、やっぱ展示の仕方で印象が違う作品もかなりあり、何より、重文指定の背景解説を読みながら、日本美術の歴史をじっくり見つめなおすことが出来ました。とても良かったと思います。加えて今回はコレクション展はどうなっているのかと少し心配に思い行ってみれば、こちらもとてもよかったです。
4.0
「ぜんぶ重要文化財」ということで、教科書等でおなじみの作品が一堂に集められており、見ごたえがある貴重な機会。重文指定の「秘密」の解説も楽しい。
ただ、展示数は多くない。展示替えのためもあるが、もともと重文に指定されている作品数がいかに少ないかを実感する。内容は、これまで東近美を始め各美術館で見てきたものが多数だが、初見のものもあった。(高村光雲の《老猿》などはこれまで機会がなく、マッシブな質感に、やはり美術は実物を見ることが必要と再認識する。)
会期末近くなっており、かなり混んでいた。
このあと常設展に行き、いつもながら東近美のコレクションの厚さを感じる。とともに、ここに展示されているものと重文指定されたものとの違いは何かを考えさせられる。重文作品はやはりいいけれど、重文でない作品もいい。東近美所蔵の重文作品は、普段はこの常設展の中で、他の作品とともに、ゆっくり見られるのだけれど。
4.0
明治以降の重要文化財が集結し、日本の近代美術集になっている。国立近代美術館にふさわしい展覧会だ。これまでに見たことのある作品も多く、いつもなら空いている空間で見ていたものを人込みをかき分けて鑑賞することに疑問を持ちつつも、いつか見たいと思っていたいくつかの作品に初めて出会うこともできた。最初は異端視され酷評されていたものが、時代を下って評価されるというのは美術あるあるだが、生きているうちに評価されないのは天才芸術家の悲しい性なんだろうか。ただ文化史上貴重であることは、必ずしも観賞的に優れているとも限らないようにも思う。私には裸体美人の鼻や腋毛はやっぱり学生のおふざけにしか見えない。まあ、歴史的価値のあるおふざけなんでしょうな。
4.0
時々お邪魔しているので、常設展などで見たことがある作品がほとんどでしたが、ぎゅっと集まると美術の教科書を見てるようでした。
解説が詳しく、評価の基準がその時々の世相を反映していること、評価された点がわかりやすく、とてもよかったです。
東博では別々に展示されていた宮川香山の超絶技巧の蟹と、黄色地に白梅の壺が並んでいたり、
高村光雲の老猿の展示が低めで、猿の足元や毛並みが良く見えて、新鮮でした。
のべ51点とのことですが、展示替えが多いので40点くらいだったでしょうか。
点数が少な目で、もうちょっとたくさん見たかったので、星マイナス1です。
常設展では、重文指定の作品の下絵などの関連作品、パウル・クレーの新収蔵品、
杉浦非水の花の版画、日本画室は桜の屏風と、こちらもよかったです。
5.0
当館のものはいつも年齢もあって、MOMATコレクションにて展示されていれば無料で見ているものたちだ。
絵画は展示日数が限られているので、見たい時期に訪れる必要がある。
私は松園と劉生をめがけて4/18~に行ってきたが、もっと会期が長くてもいいのに。
老猿は国立博物館で見るときより位置が下のような気がしたので、ちょっと印象が異なる。劉生の「道」もいつもと違った印象だった、
全体的に当館所蔵品はいつもと印象が異なっていて、不思議な気がした。
4.0
日本近代美術史の教科書
入っていきなり現れるのが横山大観「生々流転」。
あの細長い展示スペースが十全に活かされている。山奥から大河になり海に注ぎ天に昇るまで、一気に鑑賞できる至福。とはいえ、冒頭なので渋滞行列していたら、後に回すのをオススメします。
菱田春草、下村観山、川合玉堂等の大作の屏風が並び圧巻。
鏑木清方の三部作はいつ観ても粋でため息。
洋画はお馴染み「鮭」「麗子微笑」「わだつみいろこの宮」が並び、超絶技巧の「十二の鷹」が久しぶりに舞い戻ってきた。「老猿」は技巧もさることながら、案外大きいw。
お目当ての作品があるなら、必ず展示会期を確認してから。
竹橋に何度も足を運んでいる人は、常設展でお馴染みの作品が多い。というか、いかに近美が需要文化財を所蔵しているかという証。借り物も各美術館の目玉作品なので、美術ファンは目にしていることも多いと思う。
教科書的な作品ばかり、しかも解説がとても易しく考え抜かれている。普段美術館に行かない人にも確かに届く展覧会だと思う。私は大好きだけど、国立美術館としては、ゲルハルト・リヒターや大竹伸朗ばかりじゃねw。
重要文化財ではないけど、関連作品も多く常設展にあるので、必ず観ていって欲しい。
余談だけど、絵画等の重要文化財68件って案外少なくないか?
4月11日(火)午前11時予約無し入館。5分ほど並ぶ。「生々流転」以外はそれほど混んではいない。撮影不可があるのでキャプションを要確認。
4.0
明治時代以降に作られた美術工芸品のうち、重要文化財に指定されているものは68点しかないのだそう(国宝・重要文化財は10872点)。会期中に何回か行けば、そのうちの51点を見ることができるとか。とはいっても、トーハクやMOMATでおなじみの作品もあるわけで、あーこれも重文だったのね、と改めて思ったり。同時期の作品でありながら、一方は先に選ばれたりとか、評価って難しいよねー。でもこの部分を展示の売りにするなら、作品リストに指定された年も載せて欲しかった。
4.0
昨年東博で所蔵国宝だけの展覧会が話題となりましたが、今回の東近美で重文だけの展覧会は、全国から集め、まとめて観賞出来るのが希少です。有名作品なので比較的観る機会は結構ありますが、キャプション、パネルが秀逸で当時の作品の評価、低評価の問題作がなぜ、現代において重文指定になっているかが解り、改めて興味深く作品を観る事が出来ます。また特大重文指定作品年表バネルから各時期の選定の傾向、評価の基準の変遷が看取出来るのも興味深いです。
5.0
良くお見かけする作品が纏まって見られるお得感は有る。あちこちの展覧会へ行く方にはやや見飽きた感が拭えない。
期間限定の作品が多いので見たい作品が有る場合は気をつけたい。
今回は横山大観の「生々流転」、今村紫紅の「熱国之巻」が狙い。
どちらも巻物の大作で全編じっくり見られる良い機会。
大観のしっとりとした空気と水流の描き方は最高、に比べ人物は妙に不自然。
紫紅はあまり熱は伝わらないが描かれる人々の熱は感じられる。
一番の狙いは鈴木長吉の「十二の鷹」。
工芸館が金沢に移転してから揃って観ることか難しかったので嬉しい。
ほとんどの観覧者が素通りしてしまうのにやや驚いたが、この超然技巧が間近でじっくり観られた事に感謝。
後期に永青文庫でもなかなか見せない菱田春草の「黒き猫」、今村紫紅の「熱国之巻」後編を見に再訪予定。
途中、展示作品が重文になった時期を表した年表が有り、社会情勢や流行などが影響していて興味深い。
撮影可が多いが観覧者も多いので注意が必要。
桜の季節と重なり、かなりの混み具合。常設展示も充実しているので併せての観覧がお勧め。
杉浦非水の美しい植物画が観られた。
4.0
美術館巡りを始めて3年、東京国立近代美術館は5度目の訪問になります。企画展のたびに充実した常設展に感動の連続ですが、これまでの訪問の中でも複数回巡り逢えた「重要文化財」作品があります。萬鉄五郎の「裸体美人」、岸田劉生の「道路と土手と塀(切通之写生)」、中村彝の「エロシェンコ氏の像」油絵であるため展示期間が日本画に比べ長いという理由もあると思いますが、よく逢う縁のある名画だと思います。
今回初めて見た作品で、特に心が動いたのは、川合玉堂の「行く春」でした。桜の季節とあいまってもありますが、右隻は桜の木がないので、雪が降っているような感覚となり、左隻を見て満開の桜咲く枝を見て桜吹雪だったと認識、もう一度右隻の桜吹雪を堪能し、また、左隻左下に広がる一面のピンク、桜の花びらの絨毯がとても綺麗な作品でした。長瀞に行ってみたくなりました。
後期展示の方がおすすめという情報がありましたが、今回、菱田春草の「黒き猫」、黒田清輝の「湖畔」が見られなかったのが残念です。次、出会える機会を待ちたいです。
昨年秋の東博国宝展がものすごい人気だったので、二匹目のドジョウを狙ったわけでもなかろうが、絵画、彫刻、工芸の近代美術の名宝が一堂に会するとあらば、座して看過はできぬというものだ。
上京する日を早めに決めて、航空券と宿泊先も確…readmore
3.0
重文展、まあまあです。
日本画は展示替えが多いため展示数はかなり少なくボリューム感に乏しいです。
会期は短くて良いから一挙展示くらいの気概を見せてほしい。
重文作品は館の顔だから様々な事情は十分承知の上でもっと頑張って欲しかったです。
主催者は御舟炎舞と春草落葉を出品したかっただろうなぁ。
それでも福田平八郎《漣》と大原美術館の油彩2点はとても良かったです。漣かっこいいなぁ。
見たい作品があれば展示リストを確認してタイミングを合わせたほうが良いです。
東近美、東博、藝大、アーティゾンあたりの作品は写真撮影可能でした。
MOMATコレクションは藤田、長谷川利行、今村紫紅、重文関連などコッチのほうが良い展示です。
奈良原一高のヨーロッパが抜群に良い。カッコいいです。
重文展、満足度低めです。
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