東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密
東京国立近代美術館|東京都
開催期間: ~
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後期がオススメ
昨年秋の東博国宝展がものすごい人気だったので、二匹目のドジョウを狙ったわけでもなかろうが、絵画、彫刻、工芸の近代美術の名宝が一堂に会するとあらば、座して看過はできぬというものだ。
上京する日を早めに決めて、航空券と宿泊先も確保した。ただ、気になったのは展示リストがその時点では公表されていなかったこと。
たぶん展示替えはあろうから、見たい作品の展示期に上京時期が合致しているかどうかが残された最大の懸案事項だった。
そして遅れて発表された各作品とその展示期間。果たして、私の予感は悪い方に当たってしまった。
うーむ、こりゃほとんどが見たことあるやつばっかじゃん。何度見てもいいじゃないかとのお言葉も理解できるが、馬鹿にならない旅費と宿泊費払って上京するのだからねえ。もっと早くに展示リストがわかってたら、たぶん日程変更していたと思う。
以上、個人的なボヤキおしまい。
「この重文なら見たことある」ってのは、裏を返せば、東近さんの常設展示室にはいつも出てるってことだ。東博みたいな「出てたらラッキー」感がないのは、有難いと思わねばならぬ。
直次郎の騎龍観音、劉生の切通し、萬鉄の裸婦、三造の南風、この4作は当館重文の常連さん四天王。ここに来るたびに会ってるよね。
ツネのエロシェンコ、玉堂の行く春も、準レギュラーで、過去に何度も面会してきた。
加えて清方の三美人&円朝。ついこないだの大回顧展で会ったばかりだ。
ほとんどが1年以内の再会ではあるが、東近さんの名品はやっぱり何度見てもいい。
(切通しだけは、まだちょっと・・・なとこはある)
で、今回は東近コレクションに加えて、他館からのVIPが続々集結してきた。
お貸しくださった全国の美術館様には感謝するしかないのではありますが、リストで展示期間を眺めてると、通期で貸してくださる太っ腹なとこと、期間限定なケチくさいとことは、ある。
期間限定品も、2か月ある会期の半分ならまだ許せるが、たった6日間って何なん。どこの何とは言いませんが。
たぶん当展、人手が群を抜いて多いのは5月9日~14日だ。春草《黒き猫》を見に来る人で。(あ、言うてもーた)
アートアジェンダユーザの皆様にお勧めするのは、4月18日から最終の5月14日までの後期です。
黒猫がいる期間がBEST、次が鉄斎、栖鳳、麦僊、華岳らが出る5月2日から最終日までです。
後期の全期間なら、青邨《洞窟の頼朝》、古径《髪》、清輝《湖畔》、劉生《麗子微笑》も出てます。
結局、ボヤキになってもーた。あーあ、後期が良かったなあ。
でも、通期展示で日本近代美術の至宝は存分に味わえますので、特に小中高生には必見の展覧会です。教科書に出てる絵や彫刻のホンモノに会える感激を是非体験してください。
ご父兄のかた、春休みに家族で上京するならどうかよろしく。
そして修学旅行引率の先生がた、東京での自由行動時間の選択肢の一つに、ここをあげてやるのは大正解だと思います。
常設展も絶対見るように付け加えることもお忘れなく。
最後に一言。
「鮭の紐はやっぱりナナメだ。」