4.0
さまざまな、愛
ウスラーシュ・ル・シュウール《キリストの十字架降下》のとても静かな悲しみと、ジャン=バティスト・グルーズ《アモルに導かれる「無垢」》の笑っちゃうような陽気さが心に残った。
金曜の仕事帰りに訪問したら、空いていて見やすかった!夜間開館おすすめです。
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人間の根源的な感情である「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つでした。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画、現実の人間の日常生活を描く風俗画には、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみが、様々なかたちで描かれています。
一方、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題を介して、象徴的に表されています。
本展では、西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された70点余りの絵画を通して浮き彫りにします。16世紀から19世紀半ばまで、約350年にわたる愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。
会期 | 2023年3月1日(水)~2023年6月12日(月) |
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会場 |
国立新美術館
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展示室 | 企画展示室1E |
住所 | 東京都港区六本木7-22-2 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
火曜日 3月22日(水) ※ただし3月21日(火・祝)・5月2日(火)は開館 |
観覧料 | 一般 2,100円 大学生 1,400円 高校生 1,000円
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.ntv.co.jp/love_louvre/ |
4.0
ウスラーシュ・ル・シュウール《キリストの十字架降下》のとても静かな悲しみと、ジャン=バティスト・グルーズ《アモルに導かれる「無垢」》の笑っちゃうような陽気さが心に残った。
金曜の仕事帰りに訪問したら、空いていて見やすかった!夜間開館おすすめです。
2.0
東京からの巡回、感想もすべて読みました。
思いも色々だなぁと感じつつ。
私は、一人の画家を掘り下げる展覧会が好きなので。
春の「ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」@国際美は特別だった!と今更ながら思います。
「フェルメールの〇〇がやってくる!」の展覧会はそもそも作品数が限られているフェルメールで、フェルメールは1点か2点、それでも35作品全制覇を目指して、混雑の中を突撃するかいつも迷ってしまいます。これまでの経験からしてもルーブル、エルミタージュは特に要注意だ!
今回はちょうど京セラ美のフレンドシップの更新時期に当たり、会員は1回は無料なので、混雑を見越して会期初めに(祇園祭と夏休みの前に)出かけてきました。2100円と高額な観覧料が1回無料なのは本当にありがたい。
そう、予想通りでしたぁ。お昼に入室したので、まだそれほど混んでなくて良かったです。観終わった頃はドンドン人が増えているようでした。
最後の撮影OKの展示室と「かんぬき」だけでよかったかもなぁ。私は。
そもそも、西洋画の「LOVE」表現は、「ギリシア神話」と「キリスト教」、相反するものが理解できていないとなかなか受け入れがたいのではないだろうか?
その上、描かれたアトリビュートも分かっていないとピンとこないような気がします。
一緒に行ったツレは、「かんぬき」を見ていると山田五郎さんの解説が聴こえてきそうだったと申しておりました。かの番組も”大人の事情”が見え隠れして、ルーブル展は京都巡回前に再放送もありましたから。
最近、眠れない時に五郎さんのYoutubeを聴いています。
「ビーナス」や「そもそも西洋とは」についてのお話は本展の参考になるかもしれません。
東京からの巡回展は、東京での感想がとても参考になります。感想を書いて下さった皆さんありがとうございます。
これからまた増えそうなブロックバスターの展覧会については、古賀太著『美術展の不都合な真実』もお薦めでございます。
5.0
入ってすぐブーシェのぷくぷく天使(アモル)がお出迎え。
このぷくぷく天使にお出迎えされちゃうと、他のアモルが貧弱に見えちゃいます(すみません・・・)
以前、ブーシェの「褐色の髪のオダリスク」(出品あり)を見て以来、ぷくぷく感に魅せられていたので、今回のLOVE展示でブーシェがたくさん見られて大満足。
もちろん、最後の最後に登場の「アモルとブシュケ」
アモルの姿が見えていない状態でのキスにきょとんとしている表情が可愛い。
なんとも心温まる展覧会でした!
3.0
いわゆる「美術の教科書に出てくるような一般常識レベルの大作」のような名画は無い展覧会だったが、それでもサイズ的に大きな作品も多く、見応えはあった。宣材として利用されている数点の目玉的な作品は特に素敵で、特に「アモルとプシュケ」はロマンチックで色々な想像を掻き立てられた。総じて神話系や宗教系の作品が多く、それらが好きな人にはより見応えのある展覧会だと思う。同じモチーフ、シーンを異なる作家が描いているものもあり、見比べるのも面白く感じた。
4.0
愛をテーマにしてルーヴルの作品を並べた展覧会。西洋絵画で描かれるいろんな愛のカタチが整理されていて、わかりやすかった。神話画、宗教画には描かれた場面の解説もついていて、知識がなくても楽しめた。愛がテーマだけあって、カップルが多かった。観客の愛のカタチはいたってフツーに見えたが、実は掠奪されて連れてこられた人や魔法で誘惑されていた人もいたのかもしれない。あるいは途中のトイレに入ってかんぬきをかけて。。。優れた芸術は想像力を掻き立てるものである。
3.0
日時指定予約制でも平日午前で長蛇の列。「ルーヴル美術館」と言うだけで日本人にはあこがれるのか、毎度毎度に$箱企画の様で‥。かく言う私も、一応都内でのものはほぼ出かけているつもり。国立新美術館だけでも6回目、近年2018年夏と2015年春の「ルーヴル美術館展」はそれぞれなりに印象に残っている。毎日の様に紛争や戦禍の国々のニュースが流れる中、今回は≪愛≫をテーマに集められた名作の数々を通し、≪愛≫とは、を考えさせてくれる展覧会らしい。メインは「アモルの初キッスを受けるプシュケ」「アモルの標的」「かんぬき」、などらしい。いずれもルーヴルでさほどの有名どころではない。「かんぬき」は二十年以上前の来日時に一度観ている。神には善悪や協調の感覚がなく、何分神なので己が野では最高の存在と思うものだから、人と違って誰に憚ることもなく思いのままに行動する。よって超暴力的な話や美女略奪の話がやたら多い、と感じてしまう。それを神のことだからと賛美する感性は、正直私には理解できない。エロスもキューピットもアモルもよく知らないし、キリスト教の言う≪愛≫も勉強不足というかで‥よく解らない、更にそんな文化歴史宗教思想の上に成り立つ近世西洋の一般の風俗としての≪愛≫の感覚も‥、やはり理解不能な私なのだ。だから正直、今回の「ルーヴル美術館展」は、ちょっと何時もより「行きたい!!」感が薄かったが、一応少々高価いチケットも購入し、出かけたてみた。展示室入ってすぐの場所にあったのがフランソワ・ブーシェ《アモルの標的》。想像以上に大きく、少々驚いた。作品はまあ、なかなかに見事だった。的には外した矢の跡がいくつもあり、アモルは愛の矢を外すのだと‥、また落ちた矢を急いで燃やす行為も見え、愛の矢の必然性より偶然性を思ってしまった。やはり観てみればイメージが違うと、こんな私にももしかすると少しは何かを理解させてくれるのか、と若干期待しつつ、ともあれ70数点観きり、大きい作品が多く、一つ一つの作品そのものは、絵画としてはそれなりなのに美しかったり素晴らしいものも多い。観ごたえはあったと思う。ただ、これらの名画を通して様々な愛の姿に向き合うことが出来ただろうか? は、はっきり言って否だった。最近は、解説プレートや音声ガイドが、なかなか良くできている美術館が増えてきているけれど、「新美」さんは、単に聖… Read More
1.0
解説がない絵が多い。あっても文字が小さく、読みにくい。
最悪はイヤホンガイド。650円の価値なし。
ガイドの数は少ないし、必要ない寸劇、音楽などセンスのなさを感じる。その上、途中でイヤホンガイドの音声が不具合。
解説内容も首を傾げるようなものがあり、いったいだれの解釈なのかと思う。
2000円以上取ってこの内容、がっかりです。
3.0
平日の午前中でしたが、GW直前のせいか時間指定制とは思えないほどの混雑でした。ブーシェ「アモルの標的」はじめ、愛と言えばアモルだろうということがアモルの絵が多かったです。ジェラール「アモルとプシュケ」は何とも言えない美しい色合いで、本物を観るという喜びを感じられました。最後の「死に至る愛」などは、テーマの割に作品数が少ない気がしてちょっと残念。
4.0
本展は「愛」がテーマですが、見えない愛を表現する上では、愛の象徴を使うのが分かりやすいということで、愛の神アモルが大活躍です。
冒頭に登場するのが、ブーシェの≪アモルの標的≫。ハートマークの付いた的に矢を射ぬき、複数のアモルが飛び交っているという分かりやすい絵です。ブーシェの作品は、他にもいくつか展示されていて、ロココ美術の代表として愛をテーマにした作品を多く残しています。ふくよかな肉体を美しく描く技法は秀逸。あのルノワールに影響を与えたということに納得。
アモルは、多くの作品で幼い子どもとして描かれますが、珍しく成長した青年の姿で描かれたのが、最後のコーナーに登場するフランソワ・ジェラールの≪アモルとプシュケ≫です。王女プシュケと愛の神アモルは、試練を乗り越えて愛を育むという希望に満ちた愛のカタチです。
一方で男が暴力的に女性を奪ってしまう愛のカタチもあります。≪オレイテュイアを掠奪するボレアス≫は、北風の神ボレアスが、見初めた王女オレイテュイアを力ずくで連れ去る場面。でもこういう一方的な愛は、最終的にはうまくいかず、破綻するので、愚かな愛の象徴として描かれているようです。
親子の愛やキリスト教の愛などいろいろな愛が紹介されていますが、やはり男女の間のすったもんだの情愛が一番典型的です。ドラマチックな神話や戯曲に基づいて、ひとつひとつが濃密で重たい愛が描かれていますが、最後のトリは「死に至る愛」でMAXに!!愛は悲劇を生むこともあり、人を幸せにするとは限らないんです。
最後のコーナーは、愛の神アモルの希望に満ちた絵の後に、愛の悲劇が展示されていて、象徴的でした。
休日の午後に予約して訪問しました。
予約時間のちょっと前に行きましたが、それでも入口前には長蛇の列、人気ですね。
時間潰しに展覧会鑑賞者のファッションチェック。
港区の場所柄か、ガールズコレクションでランウェイ歩いてそうな素敵…readmore
3.0
パステルカラーが可愛くて、キューピッドも可愛い。
というイメージの展示な気がするが
フラゴナールの『かんぬき』の
解説も読みながら、じっと見入ってしまうオーラがすごい。
色の美しさ、人物の表情、解説を読んでも凝視しないと見つけられないほど
さりげなく暗がりに描かれた薔薇とベース。
そのほかのアイテムも何を象徴するかということを学びつつ。
その暗い部屋をスポットライトが照らすような構図で。
それを甘美で、大胆で、解釈も何通りもある作品。
ルーブル美術館に行きたい欲がまた出てくる。
3.0
会期始まって間もない平日午後の訪問、しかし、会場はかなりの混雑。
主に、若い人です、デート、と思われる。愛だから?
見かけ上かわいらしい作品がいくつかあり、人気だった。
持ってきた作品は決してルーブルの超一流ではない。いろんな種類の愛を提示してみた企画は良いと思うけど、背景の聖書や神話についての解説などは一般的にすぎないし、まとめて提示するのは無理があったように思う。
まあ、美術の敷居を高くしないで、一般に広く見ていただくという趣旨ではよかったかな。
個人的には楽しんだのでOKです。中途半端感が消えず、星は三つです。
4.0
4月の土曜日に行きましたが、なんという人気!さすがルーブル美術館展!というほど混雑でした。
しかし、みんながそれほどに押し寄せる意味が分かるほどの内容。愛の表現もあり方もさまざまであることを知ります。
とくに最後のアモルとプシュケは見惚れます。
5.0
恋愛、純愛、慈愛、人間愛、親子愛、異性愛、偏愛、などなど。
長い人類の歴史の中で実に多様な愛のカタチを描いてきたんだね、人々は。
宗教的な意味合いが多いものは容易に想像が出来るが、その美しさは
千差万別な様で悲劇的な結末が好まれていた、と言うのは
それだけ物語性を持たせたかったからなのだろうか。
それとも、ハッピーエンドはつまらないから?
今も昔も何がウケるのかよーく分かっていたのだろう。
ブーシェやフラゴナールはいかにもそれっぽい絵である意味感心する。
ほらほら、君たちはこーゆー絵が好きなんだろ、と言われているみたい。
自分たちの役割を理解していてそれを全うしているのだから
ホントにプロフェッショナルだと思う。
しれっとドラクロワの作品が最後の方にあってびっくりした。
何がびっくりって、意外とスルーする人が多い事、多い事。
小さい作品だからかなぁ。
平日の割には混んでましたね。
5.0
最初と最後に本展の目玉の作品が展示されていて見応えありました。
プロローグはギリシャ神話の世界で始まり、キリスト教の世界、オランダ絵画と続き、色んな愛をたくさん感じることが出来ました。
ルーヴル美術展では観ることがなかった作品たちではありますが、それでもこれだけの傑作があるなんて、ルーヴル美術展の凄さを改めて感じました。
2.0
正直好みじゃないと分かってはいたけれど、あまりにもつまんなくてショックです。
せめて2つ3つくらい目玉作品があるのかなとも思っていましたが、今回はそれすらも無し。
当たり障りのない似通った作品ばかりを寄越してきました。
人気作品がないとルーヴル自体の集客に響くから、いなくても痛くない作品ばかりです。
最後の展示室のみ写真撮影可能。ルーヴルっ子は早々に売り切れ。結構観客はいっています。
ルーヴルの名に惹かれてしまったクチですが高額展覧会は内容も吟味しないと改めて自戒。
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東京都港区で開催中の展覧会
《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》フランソワ・ジェラール 1798年 油彩/カンヴァス 186x132cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
《アモルの標的》フランソワ・ブーシェ 1758年 油彩/カンヴァス 309x210cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF-DNPartcom
《かんぬき》ジャン=オノレ・フラゴナール 1777-1778年頃 油彩/カンヴァス 104x122cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
《ニンフとサテュロス》アントワーヌ・ヴァトー 1715-1716年頃 油彩/カンヴァス 103x138cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom
《眠る幼子イエス》サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)1640-1685年頃 油彩/カンヴァス 77x61cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom
《部屋履き》サミュエル・ファン・ホーホストラーテン 1655-1662年頃 油彩/カンヴァス 103x70cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》
アリ・シェフェール 1855年 油彩/カンヴァス 171x239cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom