5.0
好き!
マグリット、ブリューゲル好きなので惹かれました。
いつか見てみたいなと思っていた「女の子がタイヤを転がしてる」あの絵…(正式な作品名はわからない)はありませんでしたが、広場やマヌカンなどとても面白かった。
絵だけでなく立体作品もあり、ぐるっと楽しめるのも良かったです。
「不安」や「神秘的な〜」というタイトルが多かったのですが、神秘的って何?と考えてしまうような、幾何学と想像が混ぜ合わさったようなモチーフが多く、色々考えるのも楽しかったです。
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20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)の画業を広く紹介する「デ・キリコ展」が開催されます。日本では10年ぶりの大規模な個展となります。
デ・キリコが1910年頃から描き始めた「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、数多くの芸術家や国際的な芸術運動に大きな影響を与えました。シュルレアリスムやポップアートなどはもちろん、現代の最新のデジタルアートの表現にまでその影響をみることができます。
本展では、ローマのジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団の全面的協力により、国内外の優品が集結します。デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの作品を余すところなく紹介。デ・キリコが描いた世界をたどっていきます。巨匠の作品が持つ力強さや、唯一無二の表現力を堪能できる展覧会となるでしょう。
会期 | 2024年4月27日(土)~2024年8月29日(木) |
---|---|
会場 |
東京都美術館
![]() |
住所 | 東京都台東区上野公園8-36 |
時間 |
9:30~17:30
(最終入場時間 17:00)
|
休館日 |
月曜日、5月7日(火)、7月9日(火)~16日(火) ※ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)、 7月8日(月)、8月12日(月・休)は開館 |
観覧料 | 一般 2,200円(2,000円) 大学生・専門学校生 1,300円(1,100円) 65歳以上 1,500円(1,300円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://dechirico.exhibit.jp/ |
SNS |
5.0
マグリット、ブリューゲル好きなので惹かれました。
いつか見てみたいなと思っていた「女の子がタイヤを転がしてる」あの絵…(正式な作品名はわからない)はありませんでしたが、広場やマヌカンなどとても面白かった。
絵だけでなく立体作品もあり、ぐるっと楽しめるのも良かったです。
「不安」や「神秘的な〜」というタイトルが多かったのですが、神秘的って何?と考えてしまうような、幾何学と想像が混ぜ合わさったようなモチーフが多く、色々考えるのも楽しかったです。
4.0
幼少時アーティゾン(当時ブリジストン美術館)で「吟遊詩人」を見た。印象派やフォービズムの中に忽然と現れた絵にドキドキした覚えがある。
唯一無二の個性を若いうちから完成させるもあっさり其れを捨て次の画風へ。晩年に形而上絵画に戻ってからのすったもんだも話題になったっけ。
何を描いても哲学的で有るから絵の前で暫し悩みながらの観覧だ。
マヌカンやアーチ型のくり抜きの有る建物を見ていたらアーティゾンで開催中のブランクーシと似ていることに気付き嬉しくなった。
二人共好きな作家だ。
是非両方見比べて見て。
4.0
人気の展示のようなので、金曜日の夜間開放日を狙って行きました。
東京都美術館の企画展としてはだいぶ空いてるように感じたので、ゆったりと落ち着いて鑑賞したい人は金曜日の夜がオススメです。
あと展示構成でちょっと気になったのが、作品が時系列で並んでいないこと。個人の画家の回顧展だとだいたい時系列で部屋を区切っていることが多いので、そこはちょっと戸惑いました。
初期の形而上主義の絵の隣にいきなり後期の新形而上主義の絵が飾られてたりするので。
4.0
招待券をいただいて、たまたま時間ができたのでフラッと入りました。
西洋美術に疎いため、デ・キリコも名前は聞いたことあるけれど作品はわからないという状態で観に行きました。
感想としては、想像以上に良かった!!
テーマに沿って色々な作品が展示されていましたが、特に初期の形而上絵画が好きでした。
最初の肖像画での展示で、古典技法をもしっかりと身に付けている画家だなという印象を受けたあとの形而上絵画の作品群。しっかりとした素地があるからこそ、それを崩した効果を計算して制作しているんだなと感じました。
晩年の方は、初期の尖った感じが抜けていて、個人的にはやはり初期が傑作だと思いました。
思わず図録を購入してしまうくらいには良い展覧会でした。
4.0
もし、20世紀初めの、2度の世界大戦を経験しない人生を送っていたならどんな絵を描いたんだろうと考えさせられました。
4.0
デ・キリコは90歳まで生きて、画家としての画業は約70年と長い。
若くして形而上絵画と呼ばれる不思議な絵に突然目覚めて、脚光を浴びる。
その後は古典的な絵画表現に変わった上で、老年期に再び形而上絵画に戻る。
それらの変遷を観ていると、迷いは感じられず、自分がその時描きたいと思ったものを素直に描いてきた人生のようだ。
画風が変わると、周りからはいろいろ批判されたようだが、そんな声には惑わされずに自分を貫いたという。
そんなデ・キリコの画家人生を辿れる本展だが、全体を眺めて、やっぱりいいなと思うのは、初期の形而上絵画になる。光と陰で画面構成されて、光は殺伐とした赤茶色の地面や無表情の顔を照らす。光によってできた陰は深い闇を思い起こさせる。言い知れぬ不安が滲み出てくる心象風景は、デ・キリコが第一次世界大戦の中で実際に体験した心理描写に違いない。
GW明け、5月の上野公園は、相変わらずインバウンダーであふれかえってる。
そして今度はこれに修学旅行生が加わって、とにかく都民じゃない多国籍人民および他県民生徒さんがたのるつぼと化している。
かくいう私もそれに加担するお上りさん…readmore
5.0
キリコの画業をしっかり捉えることができる展覧会だった。
章の構成も実に工夫があった。「自画像・肖像画」「形而上絵画」「イタリア広場」等モチーフの区分けもあれば、「1920年代の展開」「伝統的な絵画への回帰…」など時代的な区分けも存在していて、あれ?とは思うのだけど、キリコ自身が画風や挑戦が行ったり来たりしているので、単に時代順に並べると混乱するのを上手く避けて展示していた。これはキュレーションのすごさ。会場演出もキリコの世界観を用いていてグッド。
やはり目玉は「形而上絵画」。マヌカンもかなりの数を見られたのは実に良かった。
不思議なパース、深緑の空と補色のオレンジ構造物の不気味さ、縁取る黒い線の不安さ、幾何的で意味が不明のモチーフ…。見つめているだけで不安な夢のようで足元がぐらつく。
あまり知らなかったネオバロックの作品も興味深かった。荒野にブドウの静物画は別のシュールさが漂っていた。
あまり見かけないキリコ作品も十分に堪能できたし、彫刻も小品だけど数見られるのは実に良かった。
5月23日(木)11時入館。混雑無し。撮影不可。
3.0
会場が不思議世界の絵で埋め尽くされているかと思いきや、
自画像あり、彫刻ありの、多彩な展示でした。
中でもいちばん面白かったのは、ルノワール風の作品。
キャプションに「〇〇の影響が見られる」と書かれている作品でも、
その影響が感じられないことが多いのに、「南の歌」ときたら!
色合いも、タッチも、まんまルノワール。
寄り添う2体のマヌカンの頭を女の子に変えたら、ルノワール。
ルノワールが見たら、どんな反応をするんだろう(笑)
5.0
これぞデ・キリコの珠玉の作品がテーマ別に並べられ、70年を経ての変遷や研究成果を辿る、見応えたっぷりの素晴らしい企画展でした。今年の東京開催展覧会の中でも有数の出来になると思います。形而上絵画は見る者に違和感、憂愁、不安、謎、を与える〜最初はその通りに反応した自分の感覚が最後はすっかり馴染んでしまい不思議です。
最初のテーマは自画像・肖像画ですが、自画像は顔つきも衣装もなんと自意識高いこと。30代でも60代もドヤ顔に近い押し出し。マタドールのコスプレ衣裳は絵具の重ね塗りも分厚いこと。一転して肖像画では、各々作風違えど人物のディテール表現が繊細で豊かだ。
次のテーマのイタリア広場から、いよいよ形而上絵画の始まり。で、個人的にはこの作品群が私の第一の推しですね。鑑賞する順番の影響もあるのでしょうが、違和感からくるゾクゾクした感覚がが実にストレートに伝わってくる。モチーフへの言及はあえて割愛するとして、実物を観て印象的だったのが遠景のつくりかた〜彩度高い原色系二色で遠景下部下に置かれるグラデュエーションで、謎世界は果てしなく逃れられない気持ちになる。
もう一つの推しはマヌカン。このモチーフ、最初は触れると冷たかろう模型的なのに、次第に体温は人肌に温まり、ルノワールにも古典ギリシャにもキカイダーにも七変化するから面白い。ブロンズ彫刻の小品数点は、前身はマヌカンだが、後に回ると頭頂から首肩背にぬけるやわらかな曲線は生ける人の肉体美なのね。
最終章のテーマは後年の新形而上絵画の作品群。長い画歴のモチーフや作風が盛沢山に繋がり、比喩的ストーリーも加わり変容する。画角サイズも大きく額装も含めた統一感は、ひとりの大作家の到達形を示すに圧巻の展示でした。
余談ですが、音声ガイドの音楽も素敵。《バラ色の塔のあるイタリア広場》に「トリスタンとイゾルデ前奏曲」の当ては、上質の料理&ワインの満足感で感謝です。
キリコがダリに影響を与えた、という情報は事前に入手していたが、実際のところどんな人物なのかあまり知らなかった。ので、最初よ展示が自画像だったので、なるほどこの人相の方が作品を手がけたのか、とまず知ることができた。
自画像の次…readmore
4.0
形而上絵画面白いなあ
キービジュアルにもなってるマヌカンモチーフがかなり好み
当初「人の形をしていながら非人間的なもの」であったマヌカンが
「非人間性を持ち合わせた人間的なもの」に変化していくのが面白い
どこかもやっとした居心地の悪さのあった形而上絵画と比べ
新形而上絵画のスカッとどこか吹っ切れたかのような
力の抜けたような昇華も興味深い
自分の作品を何度も何度も再咀嚼をしていったのだなあという印象
開催を楽しみにしていたけど期待以上に面白い展示だった
5.0
ジョルジョ・デ・キリコならではのオンリーワンの世界観をたっぷりと堪能することができました。展示の方法にも工夫が施されていて非常に濃密な体験になりました。これだけの作品群が一堂に会するのはかなり貴重な機会だと思いますので迷われている方はぜひ。
デ・キリコの作品は日常と非日常が合わさった何とも言えない作風です。色彩がとてもハッキリしていて力強さとキリコの自信が溢れているように感じられました。屋内や窓、額縁やたくさんの測量器具のモチーフが多く、美術館内の経路でも面白…readmore
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《「ダヴィデ」の手がある形而上的室内》1968年 油彩・カンヴァス
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《ヘクトルとアンドロマケ》1970年 油彩・カンヴァス
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《緑の雨戸のある家》1925-26年 油彩・カンヴァス 個人蔵
© Giorgio de Chirico, by SIAE 2023