デ・キリコ展
東京都美術館|東京都
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なんだか不思議で面白い世界観だ
キリコがダリに影響を与えた、という情報は事前に入手していたが、実際のところどんな人物なのかあまり知らなかった。ので、最初よ展示が自画像だったので、なるほどこの人相の方が作品を手がけたのか、とまず知ることができた。
自画像の次は、塔などの建物の絵画であった。濃く描かれた空模様が不穏な雰囲気を醸し出していた。
キリコが気に入っているという塔や建物、オブジェは他の作品に所々散りばめられていて、宝探しをしているようで楽しかった。
今回鑑賞するきっかけになったマネキンの絵画を観たときは、やはり迫力があり呑まれそうになると思った。しかしよく見ると、顔や胴体を大きく描き、足は短く小さく描かれており、実際に鑑賞に来ないと気づかなかったポイントなどもあり、来てよかったと感じた。
絵画だけではなく彫刻も飾られており、多彩な一面も知ることができた。キリコは後の芸術家に影響を与えている一方で、キリコも他の作家から影響を受けていたように感じる。例えばルノアールの柔らかいタッチのマネキンとか。同じ題材でも他作家をリスペクトした絵柄、年齢によって絵のタッチが変わっている、など観てて飽きなかった。
作品の展示方法も斬新で、鑑賞する流れ、構図がまるでキリコの描く世界に入ったような体験ができた。壁紙もテーマや章によって変わっていることに気づいたときは、細かいところにもキリコの世界観を忠実にしようとする気概を感じた。
個人的には「映画ルパン三世 ルパンvs複製人間」に出てくるキリコの作品も観たかったが、残念ながら該当作品は無かった。それでも十分に見応えのある内容だった。
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