デ・キリコ展
東京都美術館|東京都
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シュールレアリズムとキリコ
デ・キリコの作品は日常と非日常が合わさった何とも言えない作風です。色彩がとてもハッキリしていて力強さとキリコの自信が溢れているように感じられました。屋内や窓、額縁やたくさんの測量器具のモチーフが多く、美術館内の経路でも面白い工夫がされていました。線がとても多く奥行きや立体感を強く意識しているように思えます。キリコの作品で1番印象的なモチーフだと思うマヌカン(マネキン)は身体全体の表現と頭の絶妙な角度で非常に表情豊かです。本当に不思議です。キリコは彫刻も手がけていました。美術展に行くと芸術家の新しい一面・作品に出会えてわくわくしますね。数あるブロンズ像の一つ、ヘクトルとアンドロマケの抱擁がとても気に入っています。舞台のワンシーンを切り取った様です。こちらのヘクトルのマヌカンから表情や思いを想像する楽しみもあります。代表作の1つ「バラ色の塔のあるイタリア広場」では陰陽が印象的な作品です。強く眩しい光と対になるどこまでも暗い影。そして正面奥に聳え立つ塔。ずっと見ていたくなる作品でした。キリコの活躍は幅広く、舞台芸術にも携わっています。強烈な印象の衣装も舞台上で映えただろうと想像に難くない。映像が欲しいところでしたが。ギリシャの神殿・古代の考古学者・剣闘士…キリコの世界観は独創的で力強い。その作品の中にはルノワール風の繊細なタッチで描かれたものもありました。画集や図録ではあの素晴らしい質感は写せません。できるならこの開催期間中にもう一度鑑賞したいと思います。
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- BY fueramune88