5.0
フェルメール作品の修復後
コロナ禍前に、ドレスデンへ行った際、修復中で鑑賞できなかった作品が修復後に来日したので、足を運びました。修復前後の比較もできて、とても良かったです。他のオランダ絵画も、楽しめました。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 307 の美術館・博物館と 639 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
本展の注目作品である17世紀のオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》は、窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作です。
本作品は、1979年のX線調査で壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗り潰されていることが判明し、長年、その絵はフェルメール自身が消したと考えられてきました。しかし、2017年の調査により、フェルメール以外の人物により消されたことが新たに分かり、翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が開始されました。2019年5月には、キューピッドの画中画が部分的に現れた修復途中の作品が、記者発表にて公開されました。
本展では、この修復過程を紹介する資料とともに、大規模な修復プロジェクトによってキューピッドが完全に姿を現した《窓辺で手紙を読む女》の当初の姿を、所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館のお披露目に次いで公開します。所蔵館以外では世界初公開となります。
また、ドレスデン国立古典絵画館が所蔵するレンブラント、メツー、ファン・ライスダールなど、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点もあわせて紹介します。
会期 |
2022年2月10日(木)~2022年4月3日(日)
|
---|---|
会場 | 東京都美術館 Google Map |
展示室 | 企画展示室 |
住所 | 東京都台東区上野公園8-36 |
時間 |
9:30~17:30
(最終入場時間 17:00)
|
休館日 |
月曜日 3月22日(火) ※ただし2月14日(月) 、3月21日(月・祝)は開室 |
観覧料 | 一般 2,100円 大学生・専門学校生 1,300円 65歳以上 1,500円
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.dresden-vermeer.jp |
5.0
コロナ禍前に、ドレスデンへ行った際、修復中で鑑賞できなかった作品が修復後に来日したので、足を運びました。修復前後の比較もできて、とても良かったです。他のオランダ絵画も、楽しめました。
3.0
メインビジュアルのフェルメールの修復部分。
かなり印象が変わりましたが、個人的にはこちらのほうがしっくりきました。
3.0
会期最終にギリギリで鑑賞出来ました。
フェルメールだからか、会期終了近くだからか、とても混雑していました。
小さめの作品が多い中、フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」はフェルメール作品としては大きめな作品。
修復作業で現れたキューピッドに関しては修復前のイメージが強かったせいか、キューピッド無しでも…。と思っていたのですが、この作品の大きさでなら違和感ないのかもと感じました。
これで小さな作品だったらゴチャゴチャして手紙を読む女性に目が行かない気がします。
そういう意味でも、修復前後の絵を比べて見られるのは良いですね。
ただ、目玉のフェルメール作品の前は常に人が多くてゆっくりどころか、まともに見られる感じでなかったのは残念…。
私としてはヨセフ・デ・ブライ「ニシンを称える静物」、ヤン・デ・ヘーム「花瓶と果物」、ワルラン・ヴァイヤン「手紙、ペンナイフ、羽根ペンを留めた赤いリボンの状差し」などの静物画の緻密な美しさが印象に残った展覧会でした。
5.0
キューピッドに会いに。というのが鑑賞の目的だったので、メリハリのある展示で大満足だった。
フェルメールだという期待感と、(この作品の前にたどり着く前に修復の説明がされているのもあって)
40年以上にもわたる調査、修復の決断などを想像して、
実際に絵と対面するとパワーを感じて圧倒される。
静かな雰囲気の絵だと感じるけれど、パワーがある。鑑賞側も緊張するような。
フェルメールはもちろん、研究者や、修復に(顕微鏡を通して画面を見て、ミリ単位で削っていくような作業)携わった方々の想いが詰まっているのだろうなあ。
女性が美しいのと(窓に映り込みもしていて)、布の質感、果物。
実物ならではの美しさは、言い表せない。
キューピッド、そしてマスクを踏みつけているということの解釈で、
この女性の気持ちを考えると、彼はいなくてはならない存在なのだろう。
4.0
修復後「窓辺で手紙を読む女」の海外での初お披露目と、同時代のオランダ絵画で構成された展覧会。混雑を回避するために夜間開室を狙って訪れました。
目玉作品である「窓辺で手紙を読む女」は、修復前の精巧な模写が横に展示されていて、それと見比べると絵画の雰囲気も解釈も全然変わりますね。好みは分かれますが、私はフェルメールが込めた寓意的解釈を信じたいと思います。
目玉作品だけあって、この絵画だけ人だかりができていました。見た位置や角度が悪かったのか、ちょうどキューピッドの部分に照明の光が当たって、光の反射でやや見えづらく感じたので、少し照度を落としてほしかったなと感じました。
また、本作品を鑑賞する前に修復プロジェクトの紹介コーナーがあります。キューピッドの存在発覚から40年以上経過して修復された本作品、プロジェクトに携わった方々の尽力に胸を打たれました。
その他、同時代のオランダ絵画が展示されていて、オランダで発展した肖像画・風俗画・風景画・静物画・歴史画それぞれの特徴を学びながら鑑賞しました。作品数自体は少なめなので、ゆったりと回ることができました。
3.0
閉館15分くらい前が一番空いているのでしょうか!? こまめに並び直して見てきました。ライスダールの佳作もありますので、フェルメールがよく見られなかったとしても、まあそれなりに楽しめるとは思います。
3.0
初見の画家も多いが、古き良き時代のオランダ絵画が並び、時代の雰囲気を味わえる。が、この展覧会に足を運ぶ人の目的はやはりフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」。展示もこの絵とその修復の様子に重きを置いている。修復で大きなキューピッドが現れ、余白が消えた。修復前の余白のある方が構成的にもよかったようにも思えるし、それに加えて壁に隠された絵があるという方が思いがふくらむ感じもする。ただそこは、これまでの発見から修復までのドラマを、素直に楽しむべきなのかもしれない。
4.0
フェルメール「窓辺で手紙を読む女」の修復で出現したキューピッドの存在より気になったのはカーテンレール等、額に隠されてしまった箇所です。絵のイメージにも影響する部分だと思うので、可能なら公開してほしいです。
3.0
フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」が中心で、復元作業やこの絵が登場している版画など関連作品が充実してました。復元前と後と、うーん、どちらがいいかはお好みですね。
復元後は手間のテキスタイルや果物、カーテンなどが色鮮やかで質感に目を奪われましたが、キューピッドが目立ちすぎな感じも受けました。
フェルメール以外は小ぶりな作品が多く、大作や有名作品を期待していくと拍子抜けするかもしれませんが、肖像画は襟元のレースなど衣装が素晴しく、特に複製版画が精緻で見応えがありました。
朝イチを狙って当日券で待たずに入場できました。70点くらいと控えめな展示数なので、ゆったり配置され、混んでるなーと思ったのはフェルメールの作品前くらいでした。
ミュー時アムショップは、ミッフィーとコラボしたグッズがたくさん並んでました。
3.0
フェルメール《窓辺で手紙を読む女》の修復が終わり、何も書かれていないかに見えた壁からキューピッドの絵が現れた。なんかロマンチックで、謎めいているので、フェルメール好きにはたまらないのでは。展覧会チラシも開いたら修復後が見られる仕様になっていて面白いと思った。
一方わたしはそこまでフェルメール好きではないので、星3つ。メツーのいくつかの作品と、デ・ウィッテの教会内部画、ヤン・ステーンの《ハガルの追放》が観られたのは良かったです。フェルメールありきでチケット代金つり上げすぎのような……気もする。
3.0
大規模な修復により、“本当の姿”となったフェルメールの《窓辺で手紙を読む女》。
修復前の状態と比較できるように複製画とともに展示されたそれは、とても360年以上も前の作品とは思えないほど明るく色鮮やかでコントラストもはっきりしていました。
フェルメールの作品は画中画が多く、他にもキューピッドを画中画として描いている作品もある中で、これほどキューピッドの存在感が強いなんて、修復できれいにし過ぎたのでは?と思ってしまうほど。
実は修復に関して、塗りつぶされてどれくらい経っていたのか?フェルメール本人によるものではない根拠は元絵のひび割れの推定経年以外にあるのか?など興味を持っていたのですが、会場では動画はあったものの公式サイトでも公開されていた解説がすべてで、それ以上の情報が無くちょっと残念。
今回、上塗りがフェルメール本人によるものではないと断定されたことで出てきた新たなる謎、それは「いつ、だれが、何のために上塗りを行ったのか」。
解説には「何のために」という点に対して、一時的な趣味や流行の変化といった美的配慮によるものだったのかも(キューピッドが美的ではなかった?)とか、当時人気だったレンブラント風に見せるためだったのではないか(だったらもっと背景を黒くしないと!)などの推測が見られましたが、当時の持ち主や上塗りに関する記録などが出てこない限り永遠の謎となるのでしょう。そうして様々な考察や仮説が生まれ、それを元に映画や小説といった別のコンテンツが生まれるのかもしれません。
その他の17世紀オランダ絵画は全体的にトーン暗めな印象でしたが面白い作品もありました。
4.0
なんといっても目玉はフェルメール「窓辺で手紙を読む女」。話題は修復作業で現れたキューピッドの画中画だけど、それより私としては鮮やかな色彩に驚かされた。実にビビッドな作品だったのだ。窓枠の青、服と手前に下がる布の黄色、下部の敷物とカーテンの赤が煌びやかに光放つ。まるで別の作品のようだった。
フェルメール以外は、相変わらず17世紀オランダ絵画が並ぶのだが、「レイデンの画家― ザクセン選帝侯たちが愛した作品」の章が興味深かった。小さめの画面に細密な筆致の美しき人物画は、可愛らしくもあり楽しめた。
平日でもかなりの混雑。当日券もわりと出しているようで、制限人数一杯まで呼び込んでいる感じだった。
4.0
本展の目玉は、フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》です。それだけと言ってもいいくらいです。
修復作業で色鮮やかに蘇っただけでなく、隠されていたキューピッドの画中画が姿を現したというのが最大のトピックです。
修復前の絵は複製画が展示されていて、横を振り向けば見比べることができるようになっています。
青や黄の色が鮮やかに復元されたことはいいとして、画中画のキューピッドはどうでしょうか?正直いって、キューピッドは女性と同じくらいの大きさで目立ちすぎと思います。それも女性の上から圧迫するように配置されていて、更には青い窓枠と同じ四角で重なる関係にあります。画中画がなく、まっさらな白壁に陰影がぼんやりと映る方が、女性と窓枠が引き立つのではないでしょうか?
画中画を消したのがフェルメール以外の人物だったという科学的な調査についても、数10年の経年劣化について本当に正確に判断できるのか疑問が残ります。
山田五郎氏は「オトナの教養講座」というYoutubeチャンネルで、キューピッドを復元したことで「台無し」にしてしまったと大いに批判しています。
なお本展全体の絵画については、世界で最大の海洋国家、植民地支配帝国だったオランダは芸術の分野でも最先端を行っていた訳で、その雰囲気を感じることができるものではあります。そんな時代背景を含めてもっとうまく演出してくれると、フェルメール1枚だけの展覧会にならないのに、とは思いました。
4.0
やはりメインはフェルメール。画中画により恋を讃えているそうな。全体に控え目な印象だが、きらきらした服や手前のテーブルの様子に恋の快活さも感じる。私はそこまでフェルメール作品に思い入れはないが、見てよかったと思う。その他は同時代のオランダ絵画。小さい作品が多い。ちょっと余裕のできた庶民が自宅に飾ったので、小さいのは仕方ないし、ある意味この時代の歴史を感じるべきなんだろう。でも結局はザクセン選帝侯なる王様が買い集めたものを見ているのだが。地味だけど、じっくり見ていると頭の中で漫画っぽいセリフが浮かんできたり、花の絵の中に結構虫がいたりと面白い。あまり気負わず、庶民の娯楽感覚で楽しむのがちょうどいい。
3.0
フェルメールだから見に行くんですよね。
修復の様子が丁寧に説明されています。
修復前後どちらもすてがたく難しいところ。
小さな作品が並んでいますが会場が広すぎて勿体ない。
複製版画が意外に美しくて良かった。
3.0
フェルメールオランダ絵画展、イマイチです。
修復後所蔵館以外では初公開という一点突破の展覧会でした。
あとは地味で退屈で同じような画題の小品が続きます。
メツーがちょっと良いくらい。
大雪予報の初日に訪問。
フェルメールの前には7~8人程度で譲り合いながら
正面左右としっかり鑑賞出来ました。
間違ってもMET展のあとに行かないほうが良いです。
スッゴイ地味です。
5.0
エンジェルを消したのはやはりフェルメール自身のような気がしました。フェルメールではない別の人がエンジェルを消したのだとしたら、そのセンスの良さ、勇気と才能に嫉妬しちゃいます。
今回の修復により、色鮮やかな絵となり、修復師の方たちの技の素晴らしさに拍手です。
それでも個人的にはエンジェルがなかった以前の作品の方がスッキリしていて好きかな。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都台東区で開催中の展覧会