5.0
感想が遅くて申し訳ないのです。
まさか「Ⅱ」があるとは‥、と予告が出されてからずっと楽しみにしていたのに、何度も機会を逃してしまい、結果混雑を避けて、GW開けスグの平日朝一にやっと行きました。もう会期末が近かったせいもあってか、開館が時刻が11時と少し遅いせいか、開館前から20人近くの人が辺りをうろうろしつつ待っていて、私も少しうろうろしていました。気づけばいつの間にか列に並んでいて、おっと!という感じ(笑)。入館後は特に混雑ということもなくゆっくり鑑賞出来ました。撮影はホール内と4月は《柳桜図》、5月は《燕子花図》のみ可能とのことでした。《四季連作屏風》は「沁みる、生写し」でも観ていましたが。
「ーおうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」となっているからでしょう、入館したホールの最初っから、櫻谷の写生帖が、これでもかってほどに展示されていました。「―なんども繰り返し写した線の軌跡。」と章タイトルされているだけあって、だんだんにかたちが成り、動きまで見えるほどの線描になっていく、その過程がよく見えるものでした。ただ私は、線描の素晴らしさも去ることながら、これほど多くの写生帖がきちんと保管されていることに、あらためて驚かされました。その先も二章「息づかい、感情、存在感…、櫻谷の線は語る。」なんだか美術の授業を受けているような心持で、櫻谷の描きの工夫などの解説を読みつつ見進むかたちでした。
この第三章「線がおりなすハーモニー」ですが、とにかく壮観でした。件の住友家本邸を飾った四季連作屏風(全6曲1双)が第三展示室内にズラリ展示されていました。お屋敷の大座敷の壮大さに合わせた迫力のあるサイズで製作されという、《柳桜図》《燕子花図》《菊花図》《雪中梅花》の4作品と、それから《秋草図》(6曲1双)も。何れもなかなかの見ものです。近寄ったり離れたり、繰り返してしまいました。これだけでも観る価値あり、と前回の「パノラマ空間」でも思いましたが。《柳桜図》《雪中梅花》が特に好みです。それからこちらは第二章の内らしいですが《秋野孤鹿》一幅がありました。これ、大好きです。戻って、尾形光琳の《燕子花図屏風》や、応挙による《雪松図屏風》へのオマージュを表現しつつも、櫻谷独自の技法と解釈でこれらのテーマを再構築していると解説されていました。更に《柳桜図》では、櫻谷は幹の部分に半円形で下地を塗り、その上か… Read More