5.0
力強い黒、日本とのつながり
スペインの画家の使う"黒"がわたしはとても好きで、ミロも例に漏れず。書を思わせるような、画面を締めるシンプルで力強い黒に惚れ惚れ。一方で素朴で愛らしさすら感じる造形表現に、日本とのつながりを見いだせる。Bunkamuraの展示、たまに合わないのがあるんだけど笑、すごく良い展示だったな。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 309 の美術館・博物館と 617 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
ミロの見方が変わる!
ミロと日本の深いつながりを紐解く
世界初の大規模展!
スペインのバルセロナで生まれた大芸術家、ジュアン・ミロ(1893-1983)。ピカソと並ぶ現代スペインの巨匠として日本でも広くその名は知られていますが、ミロの創作活動の裏側には日本文化への深い造詣があったことは意外なほど知られていません。
一方日本では1930年代からミロの作品が紹介され、世界に先駆けて1940年にモノグラフ(単行書)が出版されるなど、日本は早くからその活動に注目をしてきました。そして現在も日本各地の美術館が数々のミロの名品を収蔵しており、今なおミロの人気は衰えません。
本展では、若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして日本で初めて展示されたミロ作品を通し、相思相愛であったこの画家と日本の関係に迫ります。さらに本人のアトリエにあった日本の民芸品や批評家の瀧口修造との交流を示す多彩な資料を通してミロと日本の深いつながりを紐解き、ミロというよく知られた画家を約130点の作品と資料で新たな角度から紹介します。
Joan Miró(1893-1983)
1893年、スペインのカタルーニャ地方の都市バルセロナ生まれ。美術学校で学んだミロは、同じカタルーニャの小さな村モンロッチとバルセロナを行き来しながら画家としての人生を歩み始め、幼い頃から中世のフレスコ画やガウディの建築に触れてその大胆な形と色に魅了された。故郷の風土に根ざした生命力溢れる作品を制作する一方で、1920年からはパリに出て詩人アンドレ・ブルトンと親交を結び、シュルレアリスムの運動に参加。大戦中は戦禍を避けて各地を転々としながら制作を続け、画材の入手もままならない状況に置かれたが、1944年に陶芸と彫刻の制作をはじめ、素朴な自然の素材に触れることで活力を得ていく。1956年、マジョルカ島パルマにアトリエを構え、彫刻、陶芸、壁画、版画、詩と多彩な芸術活動を行ったミロは1983年に90歳で没する。
会期 | 2022年2月11日(金・祝)~2022年4月17日(日) |
---|---|
会場 | Bunkamura ザ・ミュージアム Google Map |
住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 | 2月15日(火)、3月22日(火) |
観覧料 | 一般 1,800円(1,600円) 大学・高校生 1,000円(800円) 中学・小学生 700円(500円)
|
TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL | https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/ |
5.0
スペインの画家の使う"黒"がわたしはとても好きで、ミロも例に漏れず。書を思わせるような、画面を締めるシンプルで力強い黒に惚れ惚れ。一方で素朴で愛らしさすら感じる造形表現に、日本とのつながりを見いだせる。Bunkamuraの展示、たまに合わないのがあるんだけど笑、すごく良い展示だったな。
4.0
ミロが日本文化の影響を受けつつ、どのように画風を発展させていったのかがよくわかる展覧会だった。
独自の作風を開花させた代表作「絵画(カタツムリ、女、花、星)」は56年ぶりの来日で、これを見るだけでも価値があった。
二度の来日時の映像やエピソードなど、日本好きの一面を大きくクローズアップしていてミロと言う画家に親近感が持てた。
明日でBunkamuraでの展示が終了になるため、滑り込みで鑑賞することにした。生憎最終週の毎日16時以降に配布予定だったポストカードが前日に予定枚数終了になっていたことに肩を落とすも踵を返さずに入場した。
混雑具合から空いているコー…readmore
5.0
約20年ぶりの大規模な展覧会とのことで、約130点の絵画や焼き物などが展示されていて、初期の写実的な絵からピカソなどの影響を感じさせる絵、徐々に抽象的な表現になっていき、独自のスタイルが生まれるまでの過程を観ることができます。
日本文化や芸術に深い関心があったミロですが、彼を紹介した本が初めて出版されたのは日本だったことなど、日本とのつながりの深さを感じました。
ミロと親交があった詩人の方が書いた詩にミロが絵を寄せていて、とても素敵でした。
5.0
私はこれまでミロの作品を見る機会がなかったのですが、ミロは日本で人気ということで、楽しみにしていた展覧会です。
浮世絵を貼り付けた作品、黒の濃淡で描かれた書のような作品、焼き物、巻物状になった作品などがあり、日本の民芸品などと共に、日本との繋がりを感じられる展示でした(埴輪の頭部もあって驚きました)。
ミロが所蔵していた日本に関する書籍の背景には、明るく光が差し込むミロのアトリエの巨大写真パネルもあって、アトリエにお邪魔したような気分になれました。
その他にも、絵画の中に文字が飛んでいたり怪物のような生物(でも顔はなんだかかわいい)が登場したりする作品の不思議な雰囲気がクセになりました。
4.0
抽象画に関しては見ても感想が言語化できませんでしたが、その言語化しきれない疼きのようなものが後頭部の奥底でずっとグズグズと煮えるようでした。芸術との邂逅とはこういうものでしょうか。
ミロと日本との関係性と影響は興味深いものがありました。
各作品のキャプションがやや小さくて読みづらかったのが少しだけ残念でした。
3.0
正直しばし忘れていたよジュアン・ミロ。ただ、すぐに思い出せる独特の自由曲線。
日本との関わりにも焦点を当てていて、ちょっと面白い。あぁたしかに言われてみれば「書」っぽいよね。よく分からない生き物っぽいのも「魔物」というより「妖怪」っぽいもんなw。展覧会としてキュレーションの勝利。
国内美術館所蔵作品も多く、見たことのある作品が多かったのがちょっと残念。
金曜夕方に行ってきたが、混雑していた。4/11より会期末まで平日でも日時指定予約が必要。
2.0
ミロの回顧展というよりかは、日本とミロの関連性を問うような玄人好みの企画展を、いかに多くの人に見てもらうために色々と工夫した感じが見て取れる展示でした。
ミロは日本に憧れていたのは間違いないですし、日本の書や浮世絵に影響を受けていたことも事実なのですが、無理やり日本と結び付けているように感じる部分もありました。そのあたりは日本の美術館の悪いクセが出ちゃってる感じがありましたが、ソフィア王妃芸術センター所蔵の《絵画(カタツムリ、女、花、星)》という巨大なキャンバス画を見れただけでも行った価値はありました。
3.0
日本や書画からインスピレーションを得ていて、大阪万博に協力していたことを知りました。コテコテのミロ作品は少ないですが、書画寄りの作品も見られて満足です!
4.0
ミロは今までもいろいろな美術館で見てきたはずだが、今回の展覧会では発見があった。ひとつは、展覧会のテーマでもある「長い間、夢見ていた」という日本との関係の深さ、もうひとつは「遊びをせむとや生まれけむ」という歌が聞こえてきそうな遊び心である。日本美術史の辻信雄さんは、日本美術の特質のひとつは「あそび」にあると言っているが、ミロの作品にも通じるものがあるように思う。これがミロの日本好きともつながっているのではないだろうか。
4.0
ミロが親日家で2回も日本を訪れていること、ミロに注目して世界に先駆けて紹介したのが日本人だったこと、を初めて知りました。
ミロが収集した日本のものの中に、亀の子たわしや紺色の前掛けを見つけた時には、なんとも楽しい気持ちに。
ミロが毎日新聞社に送った「祝日本」、よかったです。
「美露」の落款も。
出口の、信楽の狸と並ぶ笑顔のミロの写真に、日本を好きになってくれてありがとう!と心の中でお礼を。
初期から晩年まで、絵画だけでなく陶芸やアトリエの写真もあり、ミロを丸ごと取り上げた充実の企画でした。
4.0
以前、ミロに出会ったとき感じたのは、なんというか、お茶目さというか、この人見かけによらず(良い意味の)お子ちゃまだなぁ、という印象でした。常に底面に明るさが流れて止まないとでも言ったら良いでしょうか?
そんな彼には、武器は似合わなかったでしょうし、内戦を避けてパリにいたことは、人類にとって良かったことなんだろうな、と思うのです。周りの理解やら、協力もあったのでしょう。
いっしょに観に行った妻も私も抱く、ミロのイメージというと、白地に青、赤、黄色といった原色+黒という「シンプルさ」なのですが、そんなミロもまた、繊細な浮世絵に魅せられていた、というのは決して意外ではありませんでした。
しかし模倣するだけでなく、そのまま作品に貼り付けてしまうのは、やっぱりこの人、お茶目なんだなぁって思う要素が、ひとつ増えました。
カンバスだけがカンバスでなく、絵画だけでなくタペストリーにも同じモチーフだとか、とにかく閃いたらやらずにいられない。そんなことを感じさせてくれる作品たちに接するうち、貴方もなにか、やって御覧よ、そんな声がしたわけではないのだけれど、何かそんな気分になってる自分が、出口の近くに確かにいました。
3月からの公開になる作品もあることですし、会期中にもう一度、行って観たいと思ってます。
なお、今回初めて「無題」あるいは実質無題な作品や、銘のない作品たちが多いことに、初めて気づきました。そうかと思うと真ん中にでっかく名前が入ってたり、ホント、この人は。
4.0
ミロ展、結構面白かったです。
ミロを最初に評価したのが日本ということで、あの軽やかさが日本人の感性にも合ったのでしょうね。
守景大雅蕪村あたりを国宝にする感じ、ミロの軽妙洒脱な感じ。
ミロ←→日本、両面からの考察も良かったです。
休日結構人が入っていました。ミロ人気なんですね。
3.0
シュールレアリズムの枠に収まらず、民芸品やコラボなど多彩な作品の展示にミロの才能の豊かさを実感しました。単純な線と色でメッセージを伝える手法に日本の魂のようなものを観ることができる展示だと思います。
4.0
日本との関連を中心にしたミロの展覧会です。平日の昼で、まだそれほど混雑はありませんでした。日本の美術館等に保管されている作品が比較的多かったです。ミロ独特の絵画はそれほど多く展示はありませんが、「パイプを吸う男」や「焼けた森の中の~」はユニークで気に入りました。日本との関わりが深かったようで、陶器や郷土玩具、日本の本など、収集品も多く展示されています。キャプションも字が大きめで読みやすくてよかったです。人物がかわいらしく表現され、色使いもカラフルなものが多く楽しめました。後半は書道に影響を受けたような作品で、大きめですので人の流れはスムーズになりました。
5.0
日本人がミロの作品が好きで、その作品を収蔵している国内の美術館が結構あるとは思っていましたが、ミロが親日家で日本の美術・文化の影響を受けていたというのは初めて知りました。
他の画家にもあるように、肖像画のバックに浮世絵を描き込んでいる作品が展示されています。
日本文化の影響としては、余計なモノをそぎ落とし、単純化するミニマリスムに日本文化との出会いが影響したのではないか?とひとつの仮説として語られます。
より具体的には、文字をカリグラフィックにして絵の要素として扱って描くというのは、日本の書と共通するものと言えます。《絵画(カタツムリ、女、花、星)》という作品がその代表例として展示されています。
また日本の墨と和紙を使って描線の太さや濃淡の実験を行っていたそうで、《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》がその影響が表れているといいます。
この2つの作品、かなり大きなサイズで迫力があります。
念願の日本に来たのは、1966年に国立近代美術館でミロの回顧展が開催された時です。「長い間、日本を夢みていた」と話したそうで、それが今回の展覧会のタイトルに使われています。
来日時のエピソードとして、毎日新聞の新社屋を訪ね、建物竣工を祝って前衛書道的な作品 《祝毎日》 を描きました。この作品も素晴らしいんです。
ミロは好きな画家のひとりですが、日本との関係性で改めてその魅力をとらえ直すことができた展覧会でした。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都渋谷区で開催中の展覧会