5.0
モネの睡蓮へかける情熱
なぜ私たちはモネの絵に惹かれるのでしょうか。近くで観ると様々な色の線が描かれているだけなのに少し離れてみると美しい風景が浮かび上がる、人間の目の錯覚を利用した印象派の技法は何度見てもすごいなぁと思いました。白内障になっても睡蓮に向き合い続けたモネの絵画にかける情熱を思うといつも涙が出そうになります。今回の展覧会でたくさんの睡蓮を鑑賞し、素晴らしい作品を後世に残してくれたモネへ改めて感謝しました。
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印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840-1926)は、光と色彩をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめました。しかし後年になるにつれ、その芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆきます。
モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した時代でもありました。そのような中で彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体と映し出されるその水面でした。そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画”の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになります。本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、2mを超える大画面の〈睡蓮〉の数々です。
今回、パリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日。さらに日本各地に所蔵される作品も加え、モネ晩年の芸術の極致を紹介します。日本では過去最大規模となる〈睡蓮〉が集う貴重な機会となります。
◆ マルモッタン・モネ美術館
パリ16区の閑静な住宅街にあるマルモッタン・モネ美術館は、〈睡蓮〉の連作や印象派の名前の由来となった《印象・日の出》など、モネの重要作品を多数所蔵。モネの死後、それらの作品は、息子のミシェルが相続したが、1966年に他界。「マルモッタン美術館」はミシェルの継承したコレクションを譲り受け、画家の名を冠して、「マルモッタン・モネ美術館」となった。
会期 | 2025年3月7日(金)~2025年6月8日(日) |
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会場 |
京都市京セラ美術館
![]() |
住所 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 |
月曜日(4月28日、5月5日は開館) ※変更になる可能性があります |
観覧料 | 一般 2,300円(2,100円) 大学・高校 1,700円(1,500円) 中学・小学 1,000円(800円)
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TEL | 075-771-4334 |
URL | https://www.ytv.co.jp/monet2025/ |
5.0
なぜ私たちはモネの絵に惹かれるのでしょうか。近くで観ると様々な色の線が描かれているだけなのに少し離れてみると美しい風景が浮かび上がる、人間の目の錯覚を利用した印象派の技法は何度見てもすごいなぁと思いました。白内障になっても睡蓮に向き合い続けたモネの絵画にかける情熱を思うといつも涙が出そうになります。今回の展覧会でたくさんの睡蓮を鑑賞し、素晴らしい作品を後世に残してくれたモネへ改めて感謝しました。
正直行くのを迷っていた。人気のモネだからめちゃくちゃ人が多いだろうし、実はそんなに印象派は好きじゃなかった。が、平日にも関わらず仕事が午後からだったため、これが最後のチャンスだと思うと勿体ない気持ちになり、行くことにした…readmore
3.0
京都国立博物館帰りに訪問。モネの睡蓮を見られると思い行きました。睡蓮は良かったのですが同じアングルの日本の橋は残念。ちょっと期待外れでした。
5.0
自分の家に、数多くの植物を植えたり、浮世絵のような橋をかけたり理想の庭を作って、自分の作品のモチーフとして描いていくというのは、すごく羨ましい人生だと思います。家族の死や戦争、自身の白内症など大変な事があったようですが、素晴らしい絵を、ずっと描き続ける事ができた、幸せな人ですね。わたしは「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」の色づかいが、すごくいいと思いました。見に行って良かった。ただ、ゴールデンウィーク中だからか、とても混んでいて、ゆっくり見ることができなかったのが残念でした。
3.0
とにかく睡蓮!睡蓮!
大きなサイズもあり、いわゆるモネのイメージに浸れる構成。
晩年のカラーリングが良い裏切りで新鮮。
5.0
マルモッタン美術館から根こそぎ持ってきてくださった?現地はどうなってるんだろう・・・と心配になるほど、たくさんの作品、しかも大型作品が集結されていて大満足しました。
前半は個人的に大好きなピンクや黄色の小粒の睡蓮や、モネの池の光の移ろいが描かれた淡い藤色グラデーションの作品群で、癒やされ、見惚れました。
後半は白内障の影響か、ご家族を失っていってしまった影響でしょうか、色も筆のタッチも激しいものになっていくのがよくわかりました。
良すぎて1週間後にもう一度行きました。1回目と2回目では写真に収めたい絵が違ったことから自分の心境の変化も把握できて新鮮でした。
2回とも平日の14時過ぎから。日時予約していましたが混雑していなかったので予約確認されることなくスムーズに入室、鑑賞できました。
3.0
モネ展多いですよねー。何故でしょう。そして確実に人が入る。かく言う私も出かけているのですが。日本特有のマスコミ(メディア)が展覧会を引っ張ってくるような事情もあるのかもしれません。センセーショナルに伝えられるゴッホの人生と共にゴッホとモネ展は兎に角多い!没入型展覧会となるとこの二人でしょう。マネやルノワールの少女ではこうはいきません。
モネ好きです。積みわらの連作とかサン=ラザール駅とか、ルノワールと一緒に描いていたセーヌ湖畔とか
本展は、大装飾画に向けてのモネの睡蓮やアカパンサス、藤など晩年の作品が展示されています。
同時期にクレーのことも考えていたので、青騎士のメンバーら若い芸術家は高揚感に駆られて志願したのに多くは戦死してしまい、クレーも従軍していました。
第一次世界大戦当時すでにおじいちゃんになっていたモネは、「こんな絵を描いてていいのか?」とも自分に問うこともあったようですが、既に老いていたのでモネに出来ることは絵筆を揮う事しかなかったともいえます。
空が池に写っているのか、下から空を見上げているのか観ている側も戸惑うように作品はオールオーバーになっていきます。
白内障が悪化し、モネの中で本来の色彩が失われていき、それはモネが意図して向かおうとした先だったのかは疑問ですが、ドンドン抽象的とも云える描写になっていきます。抽象画の先駆者の一人とか、それはその後の美術動向もあって後からはなんとでも言えそうです。
モネは晩年までエネルギッシュに大作に取り組み、
睡蓮と言えばモネとなるほどに、モネがジベルニーに飾っていた浮世絵の国日本で一番知られる画家となっていましたよ、モネさん。
4.0
今回の「モネ 睡蓮のとき」展では、モネは晩年、白内障の影響で視力が徐々に衰えていく中で描き続けた作品が展示されているのが特徴。
モネの「睡蓮」はどれも色鮮やかで、光が水面に反射する様子がとても美しいですが…。
晩年に描かれた「睡蓮」は、画家として致命的な視力を奪われても描き続けたモネの殺気すら感じる…。
4.0
近年ではどこかしらで、モネ展や印象派展をやっている気がしますが、本展はあの睡蓮に焦点を当てた企画。
モネが白内障を患ってからの作品が多く、タッチや色彩の圧がすごい。
日の出や積み藁のような柔らかい画風しか知らない人は衝撃を受けるのではないでしょうか。
改めて、睡蓮はモネのラスボス的そんざい(?)ではないかと思います。
5.0
モネの絵を観るといつもその風景の世界の中に立っているかのような錯覚にとらわれる。やはり印象的なのは睡蓮がモチーフの作品で多くは静けさの中にいるような感覚。今回は、加えてアイリスやアガパンサスなどの作品に強い風を感じ、風や風にあおられる草花や木々の音まで聞こえてくるような感覚を覚えたのが面白く感じた。
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クロード・モネ《睡蓮》1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
© musée Marmottan Monet
クロード・モネ《ポール=ヴィレのセーヌ河、ばら色の効果》1894年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
© musée Marmottan Monet
クロード・モネ《ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出》1897年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ(エフリュシ・ド・ロチルド邸、サン=ジャン=キャップ=フェラより寄託)
© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB
クロード・モネ《睡蓮、夕暮れの効果》1897年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
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クロード・モネ《睡蓮》1907年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
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クロード・モネ《藤》1919-1920年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
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クロード・モネ《藤》1919-1920年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB
クロード・モネ《アガパンサス》1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
© musée Marmottan Monet