3.0
村上隆スケール
新作多数の村上隆の大個展。京都をテーマにした構成でもあり、土地のイメージと村上隆ワールドの融合がおもしろい。展示は無料のスペースでも展開されており、規模が大きい。
ビビッドな色彩が特徴的な村上作品だが、目が眩むという感じではなく、しっかり縁取られた絵柄それぞれが均等に目立とうとしていて、まさにフラットな美学が体現されている。サブカル的表現がツヤツヤ・ピカピカに作品化され、ある種の仰々しさを感じさせる一方で、どこかノスタルジックな雰囲気も残す村上ワールド。リアルタイムの現代文化が遠い未来から懐古されているように見える村上隆のアートは、だからかどこか奇妙な感覚を生じさせる。
ところで、圧倒的スケールの作品に対して、展示スペースが狭いのが残念。鑑賞の際にもあまり距離をとれない、撮影可能だが撮影しづらい。荷物も持ち込めないためロッカー問題もある。私は平日訪れたが、外国人観光客も多かったので、ご指摘ある通り、なるべく土日よりは平日に行くことをおすすめする。