5.0
前期か後期か・・それで悩みました。
これほど前期と後期、どちらに行くか悩んだ展覧会はなかった。
(本来なら両方行けばいいのだけれど・・・)
東京の「あやしい絵展」では展示されたが、大阪では展示のなかった「焔」が展示されているのが前期。重要文化財で彼女の代表作といえる「序の舞」は後期。
さんざん悩んだ末に「序の舞」より「焔」を取りました。
とはいえ、同じ重文の「母子」や松園が母の思い出を描いたといわれる「晩秋」など、見どころ満載の前期で有りました。
「焔」は異彩を放っておりました。特に乱れ髪を口に加え噛みしめるするお歯黒の歯が印象的。あとから聞けば、お歯黒と瞳の一部に黒漆を使用し、独特の光を出しているとか。目はさらに裏から金泥を塗るという凝りよう。
もちろん他の作品は松園らしい、近代美人画。特に青が美しい。上村が愛したといわれる白緑や、白群と思われるミルキーな青を使っているものが多いのですが、それゆえにとても繊細で女性らしさを演出しています。
付け加えるなら、これから観に行く人にはぜひ表装にも注目してほしいです。
私も今まであまり関心がなく、知識もほとんど持っていませんが、今回初めて表装のすばらしさに気づきました。西洋画の時は結構、額を観るのに、日本画の時は表装を観ていなかったなんて・・うかつでした。