日本の中のマネ
ー出会い、120年のイメージー

練馬区立美術館

  • 開催期間:2022年9月4日(日)~2022年11月3日(木・祝)
  • クリップ数:53 件
  • 感想・評価:10 件
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《肖像(少年1,2,3)》森村泰昌 1988年 発色現像方式印画、透明メディウム 東京都現代美術館
エドゥアール・マネ《散歩(ガンビー夫人)》1880-81年頃 油彩、カンヴァス 東京富士美術館
《帽子を被った男性から見た草上の二人》福田美蘭 1992年 アクリル、合板 高松市美術館
《草上の小憩》石井柏亭 1904(明治37)年 油彩、オイルパステル、カンヴァス 東京国立近代美術館
安井曾太郎《水浴裸婦》1914(大正3)年 油彩、カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館
《アンティーブ岬》クロード・モネ 1888年 油彩、カンヴァス 愛媛県美術館
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

19世紀フランスを代表する画家エドゥアール・マネ(1832-83)の日本における受容について考察する展覧会です。我が国における洋画黎明期の美術家や美術批評家たちはどのようにマネを解釈し、理解したのでしょうか。

例えば、美術批評家で画家の石井柏亭は、マネへのオマージュ作品を手掛けています。また、医師で詩人、小説家、美術批評家の顔を持つ木下杢太郎は、西洋近代絵画を受容する上でマネへの理解こそ不可欠であると主張しました。

本展では、まず、西洋近代美術におけるマネの位置づけを確認した上で、明治から昭和初期までに見られる批評や作品を通して、日本における最初期のマネ受容について検討します。そして、現代作家のマネ解釈を、森村泰昌や福田美蘭の作品を通して考察します。

洋画黎明期の日本おけるマネ受容から、現代の日本人アーティストのマネ解釈を踏まえ、日本におけるマネ像を探る展覧会です。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2022年9月4日(日)~2022年11月3日(木・祝)
  • 会期中一部展示替えあり
会場 練馬区立美術館 Google Map
住所 東京都練馬区貫井1-36-16
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日 
※ただし、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館
9月20日(火)、10月11日(火)
観覧料 一般 1,000円
高校・大学生および65~74歳 800円
中学生以下および75歳以上 無料(その他各種割引制度あり)
  • ※一般以外の方(無料・割引対象者)は年齢等が確認できるものを要提示
TEL03-3577-1821
URLhttps://www.neribun.or.jp/museum.html

練馬区立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

練馬区立美術館 練馬区立美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

サロンに抵抗したマネの気持ちがわかる展覧会

練馬区立美術館は小規模な施設ながら、その企画力の高さにはいつも驚かされます。初めて訪れた2013年の「牧野邦夫展」で世に埋もれた素晴らしい画家の存在を知って以来、ほとんどの展覧会を観ています.
今回のアイデアをこらした面白い展覧会でした。
マネの油彩画は日本に17点しかないそうですが、本展覧会ではそのうちの7点と多数のエッチングが展示されています。マネが大量のエッチングを制作していたことを初めて知りました。このうち油彩画は正直なところこれがマネの作品かと首を傾げるものもありました。「オランピア」や「草上の昼食」の印象が強すぎるせいかもしれません。いずれにしても未見のマネ作品を楽しめました。
このほか、マネの影響が見られる日本画家の作品群が展示されていましたが、最後に飾られていた森村泰昌と福田美蘭の作品群は圧巻でした。この二人の作品を観られただけで行った価値がありました。
最も驚かされたのは、解説パネルに「マネは印象派ではなく、ポスト・レアリズムともいえる画家である」と書かれていたことです。印象派展には出品せず、ひたすらサロンに出品し落選を繰り返したそうです。
福田美蘭がマネの「花瓶の苔バラ」を題材にして描いた「LEGO Flower Bouquet」が写真のみ飾られ本体がありませんでした。日展に出品するためで、落選したら再展示するとのことでした。そして本日(11月1日)の朝日新聞には落選したという情報と「サロンに落ちたときのマネの気持ちが体感できた」という福田氏の感想が載っていました。

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karachanさん、komagatayaさん

3.0

マネの真似をして、現代アート作家が日展に応募するというコンセプチュアルな試み

 現代アートでは森村泰昌と福田美蘭が展示。福田はマネがアカデミーに落選したことに倣い、新作《LEGO Flower Bouquet》を日展に応募。落選すれば練馬に戻る(ホームページによると10/30から再展示なので落選した模様)。現代アート作家が日展に応募するというコンセプチュアルな試み。撮影不可。

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シンディさん、morinousagisanさん

3.0

人其々、マネ好きなヒトは面白いはず。

練美さんは、マイナーだけど実力ある人とか、いつもなかなか独創的な面白い企画展が多いので、結構楽しみに行かせて頂いています。今回はマネ。展覧会はリサーチ不足な私が思っていたのとは、大分違う内容でした。マネが切り開いた絵画史上の功績はともあれ、作品の方は私には今一なんです。もちろん良いと思うモノもあるのだけれど…。そんなマネが日本中にどれほど所蔵されているか、よくもまあお調べになったなあと、美術館のお仕事、お疲れさまでした。多く発掘されたエッチングは、何故これを購入されたのか、聞いてみたいですね。それと、マネに影響を受けた日本の画家さんたちの作品も、モネやピカソの描いたオマージュの様なモノではなく、画学生が勉強の一環で、美術誌に載っている超有名な作品の人物配置や雰囲気をちょっと真似て描いてみる、みたいなものに思えます。もちろん彼らの絵にマネのサロンの古い倫理観への挑戦、的な意識があるはずもありません。それを影響と言っていいのか‥。葛飾北斎の画面構成に影響を受けたとか言われる西欧の一流の画家さんたちと同じ、ではないでしょう。そんなことを感じつつも、一応絵画を楽しみましたが、森村氏の写真になると、とても楽しむ気分になれません。これも一応現代アートなので、私は理解不能で不愉快ですが、人其々、なんですね。

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Tarさん、micco3216さん、Sukekiyo-Acckermanさん、他1人

4.0

面白かった。んだけど。エッチングが・・・。

既に他の方が感想や情報としてあげていることと被っていないことだけ書きますが・・・。

・マネ、エッチング下手じゃない・・・(爆)? なんで誰も触れないの?????(笑) 「えっ?!」てびっくりしたの、あたしだけじゃないと思うんだけど、皆さん優しいのかしら・・・。なのにエッチングめっちゃ多くない? 色んな意味で驚き満載でした。確かに最初からわかってることですけど絵が少ないわけで、どういう風に展開するんだろうか?という興味は大でした。が、まさかエッチング出てくるって発想なかった上にあれだったので・・・。見た方がいいですよ。ドューラ―とかルドンとかレンブラントとか観た後だと「これホント?!」ってなります。最後「あ、これは上手い」と思ったら違う人だったし(笑)。マネに思い入れなかったけど、逆にこれで好きになりました。天才だけど手先は器用じゃなかったらしい(笑)。
・だけどリトグラフはさすがです。当たり前か。カラーのやつ、ちょっと欲しくなりました。
・マネを収蔵してるとこ一覧があったのですが、ゾン美、茨城近代美術館、大原美術館、東京富士美術館、ひろしま美術館、ポーラ美、メナード美、吉野石膏などとあって(後は個人蔵。間違えてたらすみません)正直ええとこばっかりで、流石~!って思いました。
・第3章の日本におけるマネ受容(=「明治頃からどのように紹介され理解されたか」とあり)では、日本人画家のマネの影響がありそうな絵の展示がメインですが、「う~ん、素人目に見てもちょっと無理じゃない~?」とか「なるほど~」とか、とても面白かったです。この後目黒美術館に出向いたのですが、そこでもウォーリーならぬ「マネっぽを探せ!」に終始してしまう位でしたから、しばらく取りつかれそうです。
・ここのとこ個人的にずっとぐるぐるしてるテーマ=「写真って何でしょうか?」が森村さんの作品見てて当然そっちに向いてしまいまして。もう今更なお題だし、今回の場合森村さんの作品は「絵って何ですか?」側なので、写真の側から見る人は少ないかもしれません。写真側から観ると、森村さんの顔から小物からもういっぱい描いているんですよね。それを写真で撮っている。勿論作家さんとしては表現が先で手段は後かもしれませんが、この方の作品観るとそんなこんなでいつもぐるぐるします。しかも題材は「マネの絵」ですから尚更ぐるぐる・・・。
・総じて… Read More

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Tarさん、morinousagisanさん、micco3216さん

5.0

現代にも影響を及ぼす偉大なマネ先輩に学ぶ

事前に三浦篤著『エドゥアール・マネ -西洋絵画史の革命-』を読み、勉強してきたつもりでしたが、本日の展覧会鑑賞により、新たな情報をアップデート、三浦先生は、マネを美術史上、ポスト・レアリスムに分類と提唱されていました。
古典芸術を学び、ブルジョワ階級のマネは、庶民のありのままを描く写実主義のクールべとも違い、サロンにこだわるマネは、印象派とも違う。位置付けの難しさがマネという人物・作品の魅力を人に伝える難しさに繋がっていることを感じました。
逆を言えば、それだけ奥が深く、現代まで影響を及ぼし続けているその源を知れば知るほどハマる、それがマネ先輩の魅力なんだろうなと思いました。
やはり難しくまだまだ掴みどころがない感じで、勉強は続きそうです、、、一度兵庫県立美術館で見たことがある小磯良平作品にもマネの影響がある事を知り驚きました。
また、そこに挑戦されている現代作家の福田美蘭さんの作品に凄さを感じ、マネ先輩の難しさを抜きにストレートに、好きという感覚になる時空を超えた両者に琳派の私淑を感じました!

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さいさん、morinousagisanさん、micco3216さん

4.0

練美の独創的な企画展

区の美術館に行くことは、ほとんどありません。練馬区立美術館も初めての訪問でした。
今回の企画展は、マネが日本でどのように受容され、影響を及ぼしたか、及ぼしているかを、考察するという独特な企画になっています。こんな独創的な企画展は、区や地方の小さな美術館ならではのものかも知れません。とてもおもしろかったです。

印象派の画家と比べると、マネは日本ではあまり知られておらず、日本にあるマネの作品は17点と少ないそうです。そのうちの7点のマネの油彩画を展示しています。日本でまとめてマネ作品を観られるという点でも貴重です。

日本で、マネをオマージュとして描いた作品、もしくは影響を受けたと思われる作品を通して、日本でのマネの受容を検証していますが、日本での受容は限定的ということのようです。結局、本展を通じてもマネって何?という問いには答えが出ませんが、これまでとは少し違った視点でマネを捉え直すことができる好企画です。

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さいさん、karachanさん、シンディさん、ぷりんさん、morinousagisanさん、他2人

4.0

マネを乗っ取る

いつものように、公立の小館ながら企画力溢れる練美。印象派の先駆とされながら、我が国では必ずしも大きく取り上げられてこなかったマネ。そのマネを我が国における受容という観点から考察する。マネは近代絵画を切り開いた革新的な画家だが、我が国での受容とは何か。単なる真似か革新性の展開か。展示構成や解説がやや理屈っぽい感じがするが、最終章「現代のマネ解釈」における、森村泰昌と福田美蘭によるマネを乗っ取ろうとする試みが秀逸。果たして乗っ取りは成功したか。

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karachanさん、Audreyさん

4.0

おや、意外と深いぞ。

なんとなくマネが見れるんだなぁ、と軽い気持ちで行ったのだが
これがなかなか、おもしろい。

「日本の中のマネ」
・日本国内にあるマネの油彩画は17点しかなく、そのうち7点が本展覧会で見られる。
(版画作品は多数)
・日本国内におけるマネの立ち位置、受容を考察する。

上記の様なダブルミーニングな展覧会となっている、と思う(たぶん)。
各種説明書きも読みごたえ抜群でおもしろい。
しかし、やや読み疲れる。
その他クールベやモネ、シスレーがちらほら。
マネに影響を受けた画家の作品、マネのオマージュ作品もちらほら。

最後に森村泰昌と福田美蘭の作品がちらほら。
なかなかに刺激的な作品が多く、実に興味深い。
特に福田美蘭の作品はユーモアに溢れている。

とても挑戦的な展覧会だった。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、niko3さん、さいさん

4.0

《草上の昼食》も《オランピア》もないけど、マネについてよりよく分かる

マネが日本で、どのように理解されていったかを調査&考証した展覧会です。なかなか用意周到な展示です。
マネの《草上の昼食》も《オランピア》も展示してないけど、そのオマージュとしての作品は多々あって、そのおかげで、よりマネについて深く理解できた気になる展覧会でした。

最初に同時代の印象派やクールベの作品を見せて、続いて日本にあるマネの作品を並べ、マネがどういった作品を描いて、どういった作品が日本で収集されているかを示します。そしてマネが亡きあと日本画家が、明治末から大正、昭和初期にかけて描いたマネへのオマージュ作品が続き、最後に日本の現代作家がどのようにマネを捉えているかを示します。現代作家は福田美蘭と森村泰昌の作品が展示されておりました。

特に福田美蘭は新作を9点も公開してます。そのなかでも、マネがサロン展を目指して描いても、スキャンダラスすぎてなかなか通らなかったことに対応して、今回の展示に併せて描いた新作《LEGO Flower Bouquet》を日展に出品するそうです。というわけで、この作品は10月13日までの展示で、日展で選外になったら10月30日から再展示する、としてます。ただ、この企みは、急遽決定したらしく、《LEGO Flower Bouquet》は図録には掲載されておりません。そのため、「番外編図録」が1300円で追加される、とのこと。私は図録購入に併せて予約しました。

展示会全体の印象は、いいのですが、内容がややこしいだけに全体に説明が多く、その割にテキストのフォントサイズが小さいので、誰かが読んでいると、ひたすら待つことになります。まあ図録にも書いてあるはずなので、図録を購入する気になって、結構、飛ばしながら見ました。図録の解説は、森村泰昌のインタビューがあったりして、なかなか面白いので、興味のある方は買った方がいいでしょう。ちなみに会期中に展示替えがあって前期は10月2日まで、後期は10月4日から。あと展示会場内は撮影不可です。

しかし、この方式、つまりある作家がどのように日本で受容されていったかを歴史的に展開できるのであれば、いろんな海外の美術家について応用できそうだし、是非とも、いろいろとお願いしたいところです。まあ、学芸員の方々は大変でしょうけど。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、niko3さん、Audreyさん

5.0

無自覚なマネ、自覚的な美蘭

マネと美蘭の二人展、とても良かったです!

国内の貴重なマネの油彩を7点集めています。
クールベ、モネ、セザンヌ、ピサロ、シスレー、ルノワールなども出品しています。
日本の洋画では村山槐多の大作と小磯良平が良かったです。
エッチングは前後期で多数入れ替えあり。

ラストは福田美蘭のチャレンジングな新作群でした。
マネグッズ、コラージュ、切断、広告、日展、アノ人など非常に意欲的で自覚的。
実のところ、本展で見るべきは福田美蘭です。

練美は今年もキレています。
オススメします。

THANKS!をクリックしたユーザー
niko3さん、masami47さん、karachanさん、シンディさん、Tarさん、他3人

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《肖像(少年1,2,3)》森村泰昌 1988年 発色現像方式印画、透明メディウム 東京都現代美術館

エドゥアール・マネ《散歩(ガンビー夫人)》1880-81年頃 油彩、カンヴァス 東京富士美術館

《帽子を被った男性から見た草上の二人》福田美蘭 1992年 アクリル、合板 高松市美術館

《草上の小憩》石井柏亭 1904(明治37)年 油彩、オイルパステル、カンヴァス 東京国立近代美術館

安井曾太郎《水浴裸婦》1914(大正3)年 油彩、カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館

《アンティーブ岬》クロード・モネ 1888年 油彩、カンヴァス 愛媛県美術館

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