4.0
布から作品へ
全く予備知識を持たずに来訪。宮脇綾子の世界を年代を追って鑑賞できました。
植物の名前が、現在の物ではなく、昔の名前で記載されていたりして、楽しく拝見。
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宮脇綾子(1905-1995)は身近なモノを対象に、布と紙で美しく親しみやすい作品を生み出しました。アプリケ、コラージュ、手芸などに分類されてきた彼女の作品は、しかしいずれの枠にも収まりきらない豊かな世界をつくり上げています。
モティーフにしたのは野菜や魚など、主婦として毎日目にしていたもの。それらを徹底的に観察し、時に割って断面をさらし、分解して構造を確かめる。たゆまぬ研究の果てに生み出された作品は、造形的に優れているだけでなく、高いデザイン性と繊細な色彩感覚に支えられ、いのちの輝きを見事に表現しています。
本展では、宮脇綾子をひとりの優れた造形作家として捉え、約150点の作品と資料を造形的な特徴に基づいて8章に分類・構成していきます。美術史のことばを使って分析することで、宮脇綾子の芸術に新たな光を当てようとする試みです。
自分の力によって創り出したものは、まことに尊いものだと言えます
―――――宮脇綾子『私の創作アップリケ 藍に魅せられて』より
会期 | 2025年1月25日(土)~2025年3月16日(日) |
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会場 |
東京ステーションギャラリー
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住所 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 |
時間 |
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休館日 |
月曜日、2月25日(火) ただし2月4日、3月10日は開館 |
観覧料 | 一般 1,300円(1,100円) 高校・大学生 1,100円(900円) 中学生以下 無料
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TEL | 03-3212-2485 |
URL | http://www.ejrcf.or.jp/gallery |
割引券 | http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html |
4.0
全く予備知識を持たずに来訪。宮脇綾子の世界を年代を追って鑑賞できました。
植物の名前が、現在の物ではなく、昔の名前で記載されていたりして、楽しく拝見。
5.0
最終日滑り込みで観てきました。(女性の方多め、お子さん連れもちらほら・・・賑わっておりました。)
身近な食材(魚に関しては個人的にはそうでもなかったですが・・・)・動物を題材に、はじめから終わりまで始終わくわくする作品の数々に、「この部分は何を使ってるんだろう?縫い留めてる?貼り付けている?この柄はさっき別の作品でみた布と同じかも!」と1つ1つ夢中で見入ってしまいました。
大きな作品と、はり絵日記がお気に入りです。作品づくりの背景を垣間見るようで・・・スケッチにも心ときめきました。
何かものづくりがしたくなったり、日頃の家事の中でなにげないものに「目を留めてみよう、観察してみよう」と思えるような、展示場をあとにすると普段の生活が少し豊かに思えてくるような素敵な展示でした。
4.0
この人の作品を見ていると、私もなにか作りたくなります。この何とも言えないウキウキ感が魅力だと勝手に思っています。手を動かして作ることの楽しさを教えてくれています。
4.0
期間終盤になってしまいましたが、ステーションギャラリーにうかがいました。日曜の昼頃に行きましたが、入り口に誘導の方が出ているほどの混雑でした。入るまで20分ほど並びました。
作品はどれも素晴らしく、保存状態の良いものをひと針ひと針の細かな作業を近くで見ることができ、スナップエンドウのさやをとったスジのクルンとなっているところまで表現されていて、実際の生活の中で見つけたかわいい、素敵、面白いが作品になっているのかなと、共感したり、その表現力に驚かされました。
残念だったのは平日に行けなかったことです。とてもゆっくりみられる状況ではなかったので、やはり日を選ばなくてはと思いました。
4.0
昭和の時代、ウチのお婆ちゃんも、余り布でパッチワーク手芸をやってました。
残念ながら、作ってはポイ、でした。
宮脇綾子さんの作品、昔はよく目にする機会があったように記憶します。
素材を選び、活かし、素朴ながらも洗練されたデザインで仕立てあげ。見事です。
モノを徹底的に見ることから始まる、そうです。
魚の干物、野菜、等々。宮脇さんの手に掛かれば、台所の日常が造形美に。
優しさあり、遊び心あり。
展示最終章、反復系のデザイン化作品は息をのむ圧巻。
ゴルフボール大の干し柿が1000個並ぶパネル作品、スゴイです。
平日午後の訪問、入場まで20分の待ち行列あり、大人気でした。
中高年の御婦人方が多勢、細部の作込みまでチェックしては生き生きと楽しんでおられるのが印象的でした。
5.0
「アップリケ」と言えば昭和の時代には特別なモノではなく、母親が子供の服や持ち物に付けてくれた、ごくあたりまえのシロモノ。キルトしていないパッチワーク。で、私は、アート好き手芸好き布好きでありながら、めちゃくちゃ恥ずかしながら、宮脇さんの仕事と作品について、全く知りませんでした。展覧会は大人の幅広い年齢層の女性を中心に、とても混雑していました。ステーションギャラリーでここまで混雑しているのも珍しいのでは??
とにかく素晴らしかったです。ホント圧巻でした。その見事な見立て!!デザイン力!!に、完全に舌を巻いてしまいます。それから表現対象への愛も、また古いものを大切に思い、それらを活かすための細やかな努力も、とてもあたたかな気持ちになる展覧会でした。まだまだ会期はあります(3/16まで)。デザインや布に興味のある方もそうでない方も、きっと楽しめる、そしてほっこりできる、展覧会かと思います。ぜひお出かけください。
おまけですが、東京駅周辺の「和あかりの路(於:行幸地下ギャラリー2月1日(土)〜2月28日(金))」「はるミネーション(於:大手町エリア 屋内・屋外展示場3月3日(月)〜3月7日(金))」も「和」でほっこりできるイベントです。
5.0
20250205
今まで知らなかった自分が悔しい。
色々な布が使われて、身近なものが作品となっている。
凄い量と質。驚きの手仕事だ。
絶対に行くべし!
5.0
布類の材質や柄まで吟味した表現。レースやビーズ、リボン使いの巧さ。
コーヒーの布フィルターや、石油ストーブの芯も画材にしてしまう、日常の延長が醸しだす安心感。
縞の布をこうカットしてこう並べると筍になるのか!などなど、驚きと、楽しさと、ほっこり温かく、見てると幸せな気持ちになる作品ばかりでした。
縞魚型文様集や木綿縞乾柿型集は、同じ形が違う布で整然と凄い数が並ぶ様子に、自然が作った形を布で極めようとする芸術家魂を感じました。
2025年が始まったばかりなのに、今年のマイベスト5に入るかも?
本棚のスペースひっ迫のため図録は買わないように自制しているのですが、思わず買っちゃいました(笑)
手紙等(字も綺麗でうらやましい)を含めて約150点と、展示数は多めです。
ミュージアムショップは宮脇綾子氏の作品をモチーフにしたハンカチや風呂敷など、布製品が充実してました。
5.0
生誕120年の宮脇綾子さんの作品
が、こんなに沢山綺麗な状態で保存されていることに感動しました。
よく観察されて、スケッチして
膨大な材料の中から、最適なものを選んで制作されていて、日々の生活の一部になっていたのだろうな?と。
アップリケ作ってみたくなりました。
5.0
1月31日(金)13時頃、入口でチケットを買って入館。
売り場に列はなく、すぐ購入できました。
館内に人はそこそこいましたが、ひとつひとつの作品をじっくり鑑賞できるほど余裕がありました。所要時間は1時間15分ほど。
細部まで観察することを厭わなかったという作者の観察眼と、手元にある端切れから得る作者独特のひらめきで、こんなにもあたたかくて、それでいて芸術的な作品が仕上がるのだなあと、刺激を受けました。
作者の類まれなセンスで選ばれた端切れと、気の遠くなりそうな細かい手仕事が組み合わさることで、日常の食卓に並ぶ食材が、人を感動させる作品のモチーフにみごとに昇華していました。
個人的には蓮根と枝豆のかたちのリアルさに惹かれましたが、一番グッときたのは、花柄の端切れを使った鮭の切り身でした。その感性に脱帽。
大満足の展覧会でした。
4.0
これは何だろう?と 作品を見てから題名を見るという方法で 観賞していきました
元は何だったんだろう?と想像しながらあまたの文様集を見るのも楽しかったです
私も大好きなアネモネ
おめでたい伊勢えび
ポップな さしみを取った後のかれいなど
台所を預かる者でしか表現できない作品たち
細いロープで囲ってある
ガラス瓶の中の椿 が
とても好きです
私を含め 手仕事大好きであろうおば様たちで たいそう賑わっておりました
4.0
宮脇綾子、すごく良かったです!
存じ上げない作家なのですが手芸界隈では有名な方のようで多くの女性客で賑わっていました。
アップリケという制約がある手法の中に軽やかな清冽さを感じます。
宮脇の豊かな造形感覚とグラフィカルな構成に浸れるとても楽しい展示です。
3階小部屋奥に展示の由一ライクな《しゃけ》を見て、あ、この人ヤバイ人だと直感。
日記や切り貼り集を見ると「量」の人でもあってある種の狂気も感じる。
数少ない風景作品の《木曽路の月》もいいなぁ。欲しい。
ちょっと自分でもビックリするくらい刺さってしまいました。
これは年間ベストに挙げる人も多いのでは。オススメします!
ひとつ残念なのは東京SGのサイトから年パスの記載がなくなってしまったこと。
訪問するたびにアンケート用紙に年パス復活を記入していましたがやはり廃止なのかと。
どこのミュージアムも厳しいのでしょうね。とっても残念。
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《さしみを取ったあとのかれい》1970年、豊田市美術館
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