4.0
キュビズムを俯瞰できる展覧会
キュビズムの運動の原点から発祥から発展、そしてその後の美術界に与えた影響について俯瞰した展覧会であった。
ピカソとブラック以外の画家の展示が多かったのもキュビズムを改めて新鮮に見直すことに貢献していたと思う。
キュビズムの画家達が敬愛していたとされるアンリ・ルソーの絵画が1枚だけあったが、こちらも貴重な作品だった。
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キュビスム・レボリューション
——フランス・パリ発、世界を変えた美の革命
20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。西洋絵画の伝統的な技法であった遠近法や陰影法による三次元的な空間表現から脱却し、幾何学的に平面化された形によって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。
また絵画や彫刻の表現を根本から変えることによって、抽象芸術やダダ、シュルレアリスムへといたる道も開きます。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与え、装飾・デザインや建築、舞台美術を含む様々な分野で瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしています。
本展では、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品となります。20世紀美術の真の出発点となり、新たな地平を開いたキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による絵画を中心に、彫刻、素描、版画、映像、資料など約140点を通して紹介します。日本でキュビスムを正面から取り上げる本格的な展覧会はおよそ50年ぶりです。
会期 | 2023年10月3日(火)~2024年1月28日(日) |
---|---|
会場 | 国立西洋美術館 Google Map |
住所 | 東京都台東区上野公園7番7号 |
時間 |
|
休館日 |
月曜日、10月10日(火)、 12月28日(木)~12月31日(日)、 1月9日(火) ※ただし、10月9日(月・祝)、1月8日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 2,000円 大学生 1,300円 高校生 900円
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://cubisme.exhn.jp |
4.0
キュビズムの運動の原点から発祥から発展、そしてその後の美術界に与えた影響について俯瞰した展覧会であった。
ピカソとブラック以外の画家の展示が多かったのもキュビズムを改めて新鮮に見直すことに貢献していたと思う。
キュビズムの画家達が敬愛していたとされるアンリ・ルソーの絵画が1枚だけあったが、こちらも貴重な作品だった。
4.0
会期終了10日程前の水曜、15時頃入場。
ほとんどが撮影可で、各作品前で少し待つ程度の混雑具合。
キュビスムに詳しいわけではなかったので、14パートくらいある各解説パネルや、所々の作品にあるキャプションをちゃんと読みながら鑑賞。
次の予定があって1時間半しか滞在できなかったので、最後の方は飛ばし読み。
結構目が疲れたが、満足感あり。
図録の解説を読んで思ったこと。新カント主義とか、表象とかシニフィエとか書いてあって、哲学とか興味ない人には、なんのこっちゃようわからんのではないかと思いました。かみ砕いて言うとこういうことです。
キュビスムは、描かれたもの…readmore
当初キュビズムという言葉の意味を理解していなかったが、解説を読みながら作品を観ていくと、感覚的に概念を掴むことができた。
一つの物体、一つの生き物をあらゆる角度からの視点を集合体化したり、キュービックなど簡略化していく作品た…readmore
5.0
年内最終日に、贅沢な展示を楽しませていただいた。
細かく14章に分けられていて見やすい展示。
たくさん数があるのに、集中しながらも、疲れずにじっくり鑑賞できた。
ゆったり感のある会場で広々としたスペースがあることも、プラスで見やすかった。
メイン・イメージのドローネの作品はサイズも圧巻。
複雑であるようで、でもタイトルを見なくても描かれている内容が
想像できて、正解できるのも楽しい。
私にとってサプライズだったのは、アンリ・ルソー。
確か、写真も不可で、グッズもなくて泣、でも
絵の前に立ったときに、ゾクゾクした。
この絵の前だけは、世界観が違うような。
ルソーの他の作品にも、原田マハさんの世界観にもまた触れたくなった。
海外で見たいなあ。
山田五郎さんもYouTubeで力説しているように、
キュビズムの影響を感じるのに十分、見応えのある展示だった。
来年は京セラ美術館に巡回とか。
追いかけたい展示が多過ぎて〜来年も楽しみが多い1年になりそう。
4.0
キュビスム展、良かったです。
キュビスム=抽象だと思っていたくらい疎いし、チケットもやや高額なので二の足を踏んでいました。
ピカソブラック、フアン・グリス、ロベール・ドローネー、クプカなどイイ作品が多く来ていて
難しいことは考えなくとも色彩の豊かさや形の面白さを楽しめました。
日曜美術館を見たりして何かしらキュビスムとはなんぞやを事前に頭に入れておくと良いかなとは思いました。
ポンピドゥーセンターもしっかりと優品を寄越してくれて有り難い限りです。
来年の西洋美術の展覧会を眺めても海外のミュージアムから大作が来るような機会は少ないようで
本展のような企画はより貴重になっていくのかも知れません。
西美とポンピドゥーセンターの作品は写真撮影可能だったと思います。
やはり取っつきにくい感じがするのか金曜夜間で結構余裕を持って鑑賞出来ました。
そして改めてキュビスムの起点となったセザンヌは実にカッコいい!
3.0
2か月前からチケットが手元にあったのに、10~11月は見たい展覧会が多すぎて会期が長めのものは後回しになってしまい、12月になってようやく見てきました!
ドローネーの「パリ市」がお目当てだったんですが、期待通りの作品でした。まず、サイズがいい!そして、色彩がいい!タイトルだけは「なんだかなぁ」ですが、すてきな作品でした。女性の脚部をキューブ状にすることでいろんな方向から見ているように感じられたので、「これがキュビズムの技法か!」と勝手に納得してました(笑)
面白かったのはピカソの「若い女の肖像」。キューブに点描を重ねたチャレンジングな作品でした。
キュビズム作品をまとめて見たのは初めてですが、作品を見る距離の難しさを感じましたね。よく見ようとして近づいても何が描かれているか認識できないし、離れるとシュルレアリスムみたいで意味がわからなくなるし…。その意味でも「パリ市」は三美神とパリの建物くらいは認識できるので、ストレスを感じずに見ることができました。
細部を見ることを諦めたので、久しぶりに絵画を単眼鏡なしで楽しめました。こんな鑑賞体験もあるんですね。
5.0
すばらしい作品の数々を通じて、キュビスムの誕生からその発展までを概観でき、面白く勉強になった。でも描き方は学べないので、キュビスムで絵を描けるようにはならない。幸い世の中が単純な立体でできているように見えるようにもならない。また、分割しすぎてもはや何が描いてあるかわからなくなった絵を見て、何が描いてあるか分かるようにもならない。分からないものはやっぱり分からない。そのままで何かを感じれば良いのだろう。ついていけない現代アートの一歩手前なので、素人でも十分楽しめる。シャガールはもともと好きだったが、フアン・グリスも気に入った。でっかい「パリ市」は必見だ。山田五郎さんの解説が分かりやすかった。五郎さんのYouTubeもおすすめ。
3.0
巨匠中の巨匠作品が序盤に並んでいたので、悠長に鑑賞していたら終盤にも巨匠中の巨匠作品があり、落ち着いて見れませんでした。ピカソとブラック以外のキュビスム作品を観る機会は以外と無いと思います。キュビスムファンは必見だと思います。終盤にもピカソ作品があることを逆算しつつ、鑑賞して下さい。
5.0
冒頭の展示では、セザンヌから始まってゴーガン、アンリ・ルソー、アフリカなどの民族文化財などキュビスム誕生の背景も理解でき、ピカソとブラックによって分析的キュビスムの実験が行われた経緯が追体験できました。
何を描いているのか訳わからないほどに崩した作品は好きになれないけど、追随したキュビストたちの作品は、センスがいいものが多くて、同時期のフォービスムの影響で色彩も革新的で、観ていて楽しい作品にたくさん出会えました。ファン・グリス、フェルナン・レジェ、そしてメインビジュアルに使われているドローネーは圧巻!!他にもそれぞれの画家の個性が出ていて、良かったです。
これらを「キュビスム」で括ってしまうのは良くないんだろうな。ピカソとブラックがキュビスム革命を起こしたことを契機に、見えるままに描かなくていいんだと、画家の縛られた発想を開放してくれたんだろうと思います。
ポンピドゥーセンターからこれだけの作品群を借りられることはしばらくなさそうで、ぜひ観て欲しい展覧会です。
5.0
資料を除いても約110点。お茶濁しもあるかと思いきや、良きものばかり。ポンピドゥーの底力を見せつけられました。
14章立ての構成もわかりやすく、全方位的にキュビスムを堪能できたし、キュビスムのなんたるかを理解できた。
やはり、ピカソ、ブラック、ファン・グリスは圧巻。この3者、上部の解説になぜか画像は無いけど、見るべき素晴らしい作品揃い。
ローランサンの作品は意外だったし、レジェの大作もじっくり見られたし、大好きなブランクーシの『眠れるミューズ』に会えたのは嬉しい。あまり知られていない作家も多いが、味わうには充分。
ちょっと「以後」が弱い気もしたけど、まぁ充分すぎるほど並べたので仕方ないか。
「キュビスムだけか……」と敬遠せず見るべき価値ありました。
10月18日(水)11時半入館。少し混雑だが鑑賞に支障なし。一部を除いて撮影可、しかもポンピドゥー作品はけっこう撮影可♪。
4.0
キュビズムというとまずピカソとブラックが思い浮かぶが
その源流がセザンヌにもあるとは思いもよらず
展示してある風景・静物画3点を眺める
印象派のイメージが強すぎるせいか考えたことはなかったが
言われてみればその形跡は見て取れる
ピカソ作品、ブラック作品が立ち並ぶ4章は壮観
私はミーハーな人間なので一番のお目当てはメインビジュアルにも使われているドローネー「パリ市」
キュビズムから作家独自のスタイルを確立している華やかな作品
ワクワクした気持ちになる
キュビズムが装飾芸術への影響やシャガールやモディリアーニなどの作家にも繋がり
現代アートやデザインの世界にも大きな影響を与えていることが解る展覧会だった
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