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パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックから ドローネー、シャガールへ

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックから ドローネー、シャガールへ

国立西洋美術館|東京都

開催期間:

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影響し合い、受け継いでゆくキュビズム

当初キュビズムという言葉の意味を理解していなかったが、解説を読みながら作品を観ていくと、感覚的に概念を掴むことができた。
一つの物体、一つの生き物をあらゆる角度からの視点を集合体化したり、キュービックなど簡略化していく作品たちを観ていくうちに、興味深くなり、どんどんのめり込んでしまった。
題材にするものが同じでも、画家によって描き方や捉え方が違ってくるのも面白かった。それでも、登場してくる画家たちは誰かの師であり、誰かの弟子であり、キュビズムを探究する者の影響を受けていることに、他の派閥にない繋がりの強さを感じた。その延長で、各々の画家が個々にキュビズムを探究するというより、それぞれが影響を受けた他の画家の作品に対してアンサーを出していることが新鮮だった。パブロ・ピカソの「女性の胸像」に対して、ジョルジュ・ブラックが「大きな裸婦」を描いて応答したのが良い例だ。
ジョルジュ・ブラックでいうと、「ギターを持つ女性」、「ギターを持つ男性」、この2つの作品は同じ物を持っているのに、こうも描き方が違うのか、と対比ができて面白かった。
展示室は地下にも続いており、その先でロベール・ドローネーの「パリ市」は想像以上に巨大な作品で驚いた。三美神と思われる裸婦が、我々鑑賞者を見下ろす状況は、まるで巨人と人間が邂逅したような瞬間だ。
アルベール・グレーズの「収穫物の脱穀」も同じように巨大な作品だが、パット見では気付けないが、よくよく見ると人物や物が見え隠れしており、探し出すのも一興だ。
時代背景もきちんと記されており、戦時中、戦後に受け継ぎ、描かれていくキュビズムを知るのにも良い機会だった。
今回作品を沢山出品した美術館の紹介も最後にあり、いつかは現地で、作品を拝みたいと感じた。

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