4.0
すべりこみ
本当は最初の紀貫之が出ている時に行きたかったのだが・・・
テーマを聞いたときは行きたい!と思わせる魅力的なものでしたが、ラインナップがいまひとつだった気がする。展示替えが多いせいもあるだろうが、かなり散漫な印象。
十分に楽しむにはこちらの知識量を問われるものだったので、もう少し勉強します。
また、会場の都合で仕方ないとは思うが、絵巻物を逆行させられるのには抵抗があるので、何とかしてほしい。
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古来、日本人にとって形のない感動や感情を、形のあるものとして表わす手段が和歌でありました。自らの思いを移り変わる自然やさまざまな物事に託し、その心を歌に表わしていたのです。ゆえに日本人は美しい風景を詠わずにはいられませんでした。
そうして繰り返し和歌に詠まれた土地には次第に特定のイメージが定着し、歌人の間で広く共有されていきました。そして、ついには実際の風景を知らなくとも、その土地のイメージを通して、自らの思いを表わすことができるまでになるのです。
このように和歌によって特定のイメージが結びつけられた土地、それが今日に言う「歌枕」です。
こうして言わば日本人の心の風景となった歌枕は、その後美術とも深い関わりをもって展開します。実景以上に歌枕の詩的なイメージで描かれてきた名所絵や、歌枕の意匠で飾られたさまざまな工芸品などからは、歌枕が日本美術の内容を実に豊かにしてきたものである事に気づかされます。
しかし、和歌や古典が生活の中に根付いていない現代を生きる私たちにとって、歌枕はもはや共感することが難しいのではないでしょうか。この展覧会では、かつては誰もが思い浮かべることのできた日本人の心の風景、歌枕の世界をご紹介し、日本美術に込められたさまざまな思いを再び皆さまと共有することを試みます。
会期 |
2022年6月29日(水)~2022年8月28日(日)
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会場 | サントリー美術館 Google Map |
住所 | 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 |
時間 |
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休館日 |
火曜日 ※ただし8月23日は18:00まで開館 |
観覧料 | 一般 1,500円(1,300円) 大学・高校生 1,000円(800円) 中学生以下 無料
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TEL | 03-3479-8600 |
URL | https://www.suntory.co.jp/sma/ |
4.0
本当は最初の紀貫之が出ている時に行きたかったのだが・・・
テーマを聞いたときは行きたい!と思わせる魅力的なものでしたが、ラインナップがいまひとつだった気がする。展示替えが多いせいもあるだろうが、かなり散漫な印象。
十分に楽しむにはこちらの知識量を問われるものだったので、もう少し勉強します。
また、会場の都合で仕方ないとは思うが、絵巻物を逆行させられるのには抵抗があるので、何とかしてほしい。
4.0
吉野の桜や龍田の紅葉は有名ですが、恥ずかしながら月とススキが武蔵野を表しているということを存じませんでした。今回の展覧会は、会場の垂れ幕(?)が武蔵野図屏風で始まり、終わりのコーナーも吸坂焼武蔵野皿の模様の垂れ幕でした。武蔵野皿の銘は土門拳さんだと知って、驚きました。今後月とススキを見るたび、「武蔵野だわ!」と思うであろう程に、歌枕の世界を堪能しました。
また蕪村が描いた奥の細道の文字も挿絵も味があって、蕪村をとても身近に感じることができました。昔の方々が「歌枕」や「絵画」を見て、旅心を掻き立てられていたのかなと思うと、インスタに夢中になる私たちと同じ感性の方々なのだなと、妙に納得しました。「あなたの知らない」というより「あなたの中にある風景」かなと感じました。
タイトルの「歌枕」に対する説明がとても難しく、とてもわかりにくい展覧会…という印象を抱いてしまった点をとても残念に感じた。
「歌枕」とは、和歌の題材とした日本の地名(名所旧跡など特定の場所)を指す。この基本的な約束ごとが…readmore
3.0
・絵が絡んでる作品はまだ何とか理解できるけど、変体仮名オンリーの掛け軸とかは、この手の分野初心者の私みたいなのには結構きつい。ひたすら解説を読むに終始した感じあり・・・。
・エデュケーターの簡単な解説レクチャーを受けても、それでも和歌の下地がないとなかなか難しいなぁ、とため息。
・もちろん屏風などの大物は見ごたえあった。
・最後に土門拳の名が出てきて何故かほっとした。
・結構寒い。
・思ったよりは展示数が少なく、あっさり終わってしまった感じはあった。
・歌枕が共有されなくなった(廃れた)理由なども少し考察が欲しかった。
・初めて訪れたのですが、なるほどこういう渋い美術館なのかぁ、と傾向も分かったので、逆にちょこちょこ訪れて鍛えられたいと思った。
5.0
言葉や単語で、その情景が目に浮かぶ、そんな表現方法は日本人に特別に備わった感性なのかもしれません。
「竜田川」や「吉野」、古典でなじみの単語が出てくるだけで頭の中にその情景や作品のイメージがすぐに浮かんでくる、目で見ているのに、頭の中に別の映像が浮かんでくるような、不思議な感覚でした。
4.0
初日にいきましたが、歌枕の世界観を様々なカテゴリーの美術品で魅せてくれる。書、工芸品、屏風、絵巻、版本、浮世絵、絵画等バリエーション豊富。個人的には第一章の屏風群、第三章の館蔵絵巻、板橋区立美術館蔵の軸、狩野派画帖はかなり良い。第五章暮らしに息づく歌枕での着物、櫛等の生活調度品の展示はサントリー美術館の十八番です。
4.0
和歌に詠まれる名所旧跡のイメージの成り立ちを古筆、具体的に絵画、工芸品で見せてくれる、サントリー美術館らしい企画です。
マイべストスリー
・柳橋水車図屏風:宇治を表現。金色の水車の存在感に圧倒されました。柳が繊細。
・色絵龍田川文向付:乾山らしい器。形は紅葉でも、6客のそれぞれ1枚1枚絵柄が違うのが粋です。
・八橋蒔絵扇形紅板:ちっちゃいけど燕子花と板橋が描きこまれ、お見事です。
京都や大阪からの作品も多く、展示替えも多いので、後半にもう一度行きたいですね。
4.0
様々な風景や景色、場面が言葉によってイメージが共有される
ポイントとなるキーワードが含まれていれば
具体的に写実的に描かれなくとも
見るもの聞くものに「それがどこの何か」を想起させられる
様々な展示で「これは吉野ですよ」「宇治ですよ」と解説があるのを見て
「なんでそれがその場所だと断定できるのだろう?」
そう不思議に感じたことはないだろうか
この展示をぐるっと回ると「なるほど、そういうことだったのか」
と理解することができる。
土地の風景が読み継がれイメージが共有され
絵画、モチーフとして描かれる
面白いなあ。
少なからず和歌への興味も刺激してくれる
こういうものもあるのかとむずむずと好奇心が刺激される展示だ
4.0
これがあれば詳しく書いていなくてもここなのだ、という和歌におけるお決まり事を名所絵や工芸品に表した作品を集めた展覧会。現代においてはもうなくなりつつあるこのような観念は、しかし昔の日本を理解しようとすると必ず必要なものだと思いました。
大好きな野々村仁清が1つだけだがあったのが良かった。前期・後期とも別の作品だが1点のみ撮影可能。前期は「小倉山蒔絵硯箱」。
4.0
歌枕、良いです。
渋めのやや取っつきにくい題材を名品とともに丁寧に解きほぐしています。
歌枕という主題をメインとしていて作者などには必要以上に言及しないのも好印象。
古筆、茶道具に優品多し。
関西から多く借用しているのも嬉しい。
展示替えも多く久々にサン美の企画展が戻ってきたなという感じで嬉しいです。
サン美所蔵の蒔絵作品1点のみ写真撮影可能です。
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