5.0
新生・松岡美術館
再開したことによってよりパワーアップした展示だったと思います。
稀代の収集家によって集められたコレクションをいかにして美しく見せるか、そうしたところにもたくさんの配慮がされており、とても興味深く拝見しました。
展示品だけでなく、展示の手法にも注目です。
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初代館長であり、美術館の創設者である松岡清次郎は若いころから書画骨董を愛し、生涯をかけて一大コレクションを築きました。自らの感性のおもむくまま、時には「日本にまだないものを」と選び抜かれた美術品は、1800件あまりを数えます。今回は約2年8か月ぶりの再開を記念して、松岡コレクション屈指の名品を紹介します。
◆ 企画展1「館蔵 東洋陶磁名品選 松岡清次郎の志をたどる」
本展では、コレクションの3割を占める陶磁器作品の中から、選りすぐりの東洋陶磁を購入順に出品し、蒐集の歴史を振り返ります。清次郎のお気に入りであった古九谷を含む日本陶磁をはじめ、稀有な作例である首を下げた三彩馬など唐時代から清時代の中国陶磁を中心に、40数件をご紹介します。また、数奇な運命を経て清次郎の手中に収まり、美術館設立の決定打となった《青花龍唐草文天球瓶》《青花双鳳草虫図八角瓶》は、約7年ぶりの同時出品となります。
◆ 企画展2「館蔵 日本画 花鳥風月」
日本では、古くから花を愛で、鳥の声に耳をすまし、季節の風物を慈しむ心を大切にしてきました。
本展では清次郎が特に気に入っていた横山大観《梅花》をはじめとして、花鳥風月に美を見出した日本画をご紹介します。
室町水墨画から、江戸時代の酒井抱一、近現代の渡辺省亭、川合玉堂、鏑木清方、山口蓬春らによる名品で四季のうつろいをお愉しみ下さい。後期展示予定の 重要文化財 伝 周文《竹林閑居図》は、2年に渡る修復を経て初めての出品です。
◆ 企画展3「古代ギリシア・ローマ大理石彫刻展」
このほど新たに常設展示となる《アルテミス》にあわせて、展示室1では古代ギリシア・ローマの大理石彫刻8点を出品します。個性豊かな神々や彫像に刻された人物を通して、古代西洋の息吹をお届けします。
◆ 常設展示
古代オリエント美術
ガンダーラ・インド彫刻
ヨーロッパ近代彫刻(ブールデル、ヘンリー・ムア、エミリオ・グレコ)
会期 |
2022年1月26日(水)~2022年4月17日(日)
|
---|---|
会場 | 松岡美術館 Google Map |
住所 | 東京都港区白金台5-12-6 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 祝日の場合は翌平日 2022年1月25日(火)まで長期休館 |
観覧料 | 一般 1,200円 25歳以下 500円 高校生以下 無料 障がい者手帳をお持ちの方 無料 |
TEL | 03-5449-0251 |
URL | https://www.matsuoka-museum.jp/ |
5.0
再開したことによってよりパワーアップした展示だったと思います。
稀代の収集家によって集められたコレクションをいかにして美しく見せるか、そうしたところにもたくさんの配慮がされており、とても興味深く拝見しました。
展示品だけでなく、展示の手法にも注目です。
5.0
再開記念展とのことでしたが、再開前には行ったことがなく、初訪問。
行ってみて驚いたのが、想像以上に展示品が多かった点。展示室は計6つに分かれていて、1階の1~3室は彫刻が中心で、2階の4室で東洋陶器名品選、5,6室で日本画の展示と充実した内容でした。
写真撮影もほとんどがOKで、嬉しかったです。
個人的に気に入ったのが、3室の古代東洋彫刻のコーナー。ガンダーラ彫刻やインド彫刻、クメール彫刻などそれぞれに顔が違っていて、地方ごとの特色が垣間見えて面白かったです。特に気に入った作品は、ガンダーラの「菩薩立像」。当時の王族などをモデルとしていたらしく、髭も生えていてイケメン!インドの「踊る少年クリシュナ」や「音楽の神シヴァ」は見ているこちらまで楽しくなってくるような彫刻でした。
4室には美術館創設の契機となったという「青花龍唐草文天球瓶」や松岡美術館の看板となっている「青花双鳳草虫図八角瓶」がありました。「青花龍唐草文天球瓶」は、松岡が買った時の新聞記事なども展示されていました。
また、所どころに松岡のことばが配置されていて、松岡の思想も知れてとても良かったです。
午年生まれだからと唐三彩の馬俑を好んだというという松岡のコレクションも他の館では中々見られないものがあり、見どころの1つとなっていました。
5,6室の日本画も渡辺省亭「桜にやまどりの図」や円山応挙「梅月亀図」をはじめ、名品が多く飾られていました。
今回の展示は終わってしまいましたが、次回の展示も期待大です。ぜひ観に行きたいと思います。
5.0
あの暗くて寂しい印象の松岡美術館が2年8ヶ月ぶりに再開とのことで、どんな変化があったのか期待を込めて観に行きました。なお「暗い」のは開館直後に入館者があるとは予想していなかったスタッフが展示室の照明スイッチを入れ忘れていたこと、寂しいのは退館まで私以外の入場者がいなかったことによります。都心の一等地であんなに入場者が少なくて維持できるのだろうかと心配していましたが・・・・
再開後も施設自体は大きく変わった気配はなく、一階の常設展示室は昔のままです。二階の企画展示室も施設は変わりませんが、展示方法は大きくリニューアルされました。昔は個人の収集品をただ並べたという感じのそっけない展示でしたが、今回は見せ方に工夫がなされ、各作品に詳しい解説文が付けられ、楽しくわかりやすい展示でした。
「館蔵東洋陶磁名品選」では、1億五千万円の「青花双鳳草虫図八角瓶」と3億円の「青花龍唐草文天級瓶」を離して配置し、その間の「のぞきケース」にオークションでの入手経緯が記された文書を並べる等、面白い工夫がなされていました。
「館蔵日本画 花鳥風月」では、名だたる日本画家の絵画が並べられ、個人でこれだけの作品を集めたそのエネルギーに驚かされます。これらが後期展示とのことですので、前期展示も観たかったです。
そして、昔一人で寂しく廻った展示室にたくさんの入場者があふれていました。驚きです。また行ってみたくなりました。
5.0
リニューアルオープン、おめでとうございます。
落ち着いた雰囲気で、洋画や日本画が好きで時々来訪していました。
今までで一番、混んでてちょっとびっくりしました。
省亭、抱一、観山ほか花鳥風月の日本画が目当てでしたが、陶磁器の企画が豪華でした。
ロンドンのオークションまで行ったのに競り負けた話や作品に対する松岡氏のコメントなども紹介され、わかりやすい解説がよかったです。
◆唐三彩の馬
3頭並んでました。どれもかっこいいです。台座にも注目。
◆釉裏紅の陶磁器
赤紫?紅色?色合いにうっとり。
◆仏像たち
こちらのガンダーラの仏像、充実してます。中国やインドの仏像も。
お庭にも出られました。
苔の緑が美しく、水盤にお花が浮かべられているのも素敵でした。
また寄らせていただきます♪
5.0
初めての訪問です。
「日本にまだないものを」と、松岡清次郎が集めたコレクションは、バラエティでした。
ギリシア彫刻、ガンダーラ仏、インドの神様に、古代エジプトの棺まで、東博のミニ東洋館みたい。東洋館にギリシア彫刻は無かったかな?
また、陶磁器も、「楽しませてもらった美術へのお礼としてその喜びを多くの人にわかち合いたい」という松岡の大きな思いのように、堂々としていました。
実現しませんでしたが、「野外彫刻美術館」も作りたかったようで、ブールデル《ペネロープ》など、近現代彫刻も集めていて、それが、とっても大きいのにゆったりと展示されています。
中庭もあるし、白金で、こんなに広々とした個人美術館、贅沢です。
そんな大きな作品の中、小さな猫の彫刻をみつけました。
ディエゴ・ジャコメッティ《猫の給仕頭》
丸いトレーを持ち、猫背をピーンと伸ばして後ろ足で立ってます。
あれ、ジャコメッティって、細長い人間彫刻を作ってる人じゃなかった?と思って説明を見ると、
ジャコメッティは芸術一家で、このカワイイ猫を作ったのは弟だそうです。
この猫、松岡美術館の人気No.1 だとか。
絵画展示は、伝 周文《竹林閑居図》や日本画も良かったんですが、ミュージアムショップで洋画コレクションの図録を発見。
モネ、ルノワールなど気になる名前がたくさん載ってます。ぜひ洋画の展覧会も見たいです。
5.0
松岡美術館の再開記念展に行ってきました。企画展1は、館蔵 東洋陶器名品選。美術館設立の契機となった「青花龍唐草文天球瓶」と「青花双鳳草虫図八角瓶」を見ることができます。企画展2は、館蔵日本画「花鳥風月」。渡辺省亭の「桜にやまどりの図」川端龍子の「朝顔」など、見応えある作品が並んでいる。好みは、堂本印象の「母子」単眼鏡で、猫の毛の細部までみることをおすすめします。企画展3は、古代ギリシア・ローマの大理石彫刻。常設の彫刻とあわせて、楽しめます。お気に入りは、インド彫刻の「楽女」一人一人のポーズや、足の向き、顔の角度など、見ていて飽きない。ロビースペースの展示もあり、ジャコメッティの「猫の給仕頭」は、キュート。松岡氏の生き方にも感銘を受ける、素敵な美術館でした。
5.0
数年ぶりに訪れ、お気に入りだった仏教彫刻の展示室で、ガンダーラやヒンドゥーの仏像たちにまた出会えて、大満足です。東洋陶磁名品選のコレクションの展示は圧巻でした!オークションでの入手経緯などの説明も観られて、より作品の価値が感じられて、有難く鑑賞させていただきました。また次回の展覧会も楽しみにしたいと思います。
美術館に入ると、窓越しの日本庭園を背景にして、
大きなブロンズ彫刻の「ペネロープ」が来館者を出迎えてくれます。
気持ちの良い外光が差し込む、開放感あるロビーです。
展示は、1階が主に常設展示、
2階が企画展示でした。
再…readmore
3.0
ガラスケースが無く直接作品を見れるものもあり、感激しました。美術に関する知識はほとんどありませんが、展示品や解説から興味を持った物を自分で調べて知識を深めることができました。
4.0
陶磁器では大好きな鍋島焼の紫陽花図皿 未展示の紫陽花文皿も見てみたかったです
鼠志野の額皿も素朴で素敵でした
日本画では今の季節にぴったりの大観の梅図 省亭の藤花游鯉之図が良かったです
今日の一番は清方の春の海 波打ち際に素足で佇む女性 手には貝殻
何を思うのでしょう
引き波に足裏の砂をさらわれていく感覚が 蘇りました
秘蔵することなく美術館を建て 作品を公開してくれる個人美術館は
とてもありがたいです
5.0
美術館創設者である松岡清次郎氏の篤い思いが伝わるとても楽しい展覧会。
なんと言っても「鑑賞用」に集めた東洋陶磁器の名品の数々は茶道具中心の大コレクター達とは一線を画すもので大振りで派手で美しい。
展示の解説は「僕はこうやって手に入れたのだよ」と作品のたどってきた由来が記され、オークション時のワクワク感が伝わって来ます。
普通展示されているべき作品解説は携帯アプリをダウンロードして見ます。
→アプリ「ポケット学芸員」をダウンロード
二階には日本画の名画も沢山有りますが、私は一階の奥のガンダーラ石仏やゾロアスター教系の神々が好きです。
エキゾチックなイケメンの仏様や大らかに踊る神々がずらりど並び圧巻。
また、ヘンリー・ムーアの彫刻は残念ながら実現しなかった屋外展示で見たかった。
一部を除き写真撮影可。ゆっくり鑑賞でき中庭を眺めながらソファーで休憩も出来ました。
日本画は前期後記で一部展示替えが有ります。
4.0
初訪問です。規模は小さめですが落ち着いて鑑賞できました。
焼物が今回の展示のメインで、そちらはもちろん良かったのですが、個人的には日本画のコレクションにそそられました。
また、松岡翁の美術品や展示に関する想いなども分かりやすく説明されており、共感できる構成となっていました。
4.0
松岡美術館。リニューアル開館おめでとうございます。
長く休館していたわりには特に変わったところはなく以前からの地続きのようです。
松岡翁は派手好みのようで個人的にはあまりグッとくるようなコレクションではないのですが
伊藤小坡の美人画2点は素晴らしいです。
基本写真撮影OKですがおそらく没年の著作権に関わる作品はNGのようです。
入館時に簡単なアンケートに回答すると好きなポストカード1枚頂けます。
のんびりしました。
早く松岡ヴラマンク見たいなぁ。
5.0
長期休館開け、良い雰囲気、館内はゆったりとした時間が流れてます。じっくり作品と向き合える、お気に入り美術館の嬉しい再開展、館蔵日本画「花鳥風月」、リニューアル第一段展という事で、松岡美術館が誇る珠玉の名品が惜しげもなく展示されております。抱一、大館、観山、省亭、古径、土牛、魁夷、蓬春等々名作揃いです。圧巻は美人画展示で伊藤小坡「秋の夕」「ほととぎす」鏑木清方「春の海」「菖蒲湯」が一同に展示されているスペースはいつまでも観ていられる!極上の一時でした。前期総展示数32点、作品が入れ替わる後期もまた行かねば。オススメです。
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