“肩の力が抜けるような作品を描きたい”
イラストレーターChocomooの
思いが詰まった展覧会が開催中
内覧会レポート
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2020年8月13日(木)から9月28日(月)まで、国内外で人気の高いイラストレーター“Chocomoo（チョコムー）”の展覧会「Chocomoo EXHIBITION －OUR SECRET PARTY－Supported by WITH HARAJUKU」が原宿にて開催されている。
モノトーンで描くポップな作風が人気を集め、幅広いジャンルで活躍中のChocomooは、日本をはじめ海外のアパレルブランドや企業とのコラボレーションのほか、GLAY、AI、BT21やKEY（SHINee）など様々なアーティストへの作品提供など、幅広いシーンで活動を見せているイラストレーターである。
ポップで独創的な作品を全てモノトーンで描くのが特徴であったが、今回の個展では、あらたな作風も登場する。展覧会会場には、未発表作品、および描き下ろし作品を含む73点の作品が展示されている。
Chocomooのイラストは、強い主張をするわけではなく、寄り添うような優しい愛があり、前向きで明るい。幼少期から描くことが好きだったというChocomooの手から、まるで呼吸をするようにキャラクターや様々なモチーフやフレーズが生まれ、キャンバスの上に、心地よいメロディーを響かせる。
描くのは、キャンバスだけではない。会場には、鮮やかな黄色いピアノの全面にもChocomooによってイラストが描かれたヤマハ「LovePiano5号機」も展示されている。
自身でも創作のときやリラックスするときは必ず音楽をかけているそうだ。Chocomooが描く細かいモチーフは、ラインがくねくねと曲がっているというのが特徴の一つで、それは創作のときに常に聴いているという音楽の影響によるものだという。
作品全般に現れている、歌う、踊る、というイメージは、今回の展示カテゴリーにも「MUSIC IS LOVE」というテーマがあるように、Chocomooの全作品に共通する深いテーマとなっている。
まさにピアノに描く、というコラボレーションは、Chocomooの音楽への思いがそこに凝縮した特別な作品と言えるのではないだろうか。そこに描かれたモチーフたちも鍵盤が鳴るたびにさぞ喜んでいるに違いない。ぜひこの「LovePiano」も、間近でじっくり堪能してほしい。
開催に先駆けて開催された報道内覧会には、Chocomoo本人が登場した。報道関係者が見守る中で、Chocomooによるライブペインティングが始まった。
軽快な音楽が流れ、それとともにペン先から淀みなく生まれるモチーフが、次々にキャンバスを埋めていく。
花や葉っぱ、フルーツや鍵盤、電球や筆や鉛筆、「LOVE」などの文字やChocomooが創造した様々なキャラクターなどが、自由で楽し気なタッチで描かれていく。
描き損じたり、キャラクター同士がぶつかり合ったり、バランスが崩れるようなことはない。聞けば、子どもの頃から書道を習っていたそうだ。限られた紙面に、バランスよく文字を書き収めるという鍛錬が、キャンバスに対する空間の把握能力を培ってきたのだろうか。
無尽蔵に生まれてくる、キャラクターやモチーフたちは、楽し気で、いまにも動き出しそうだ。
本展は、チャーミングな笑顔と明るさが魅力の本人そのものが投影されたような作品世界が楽しめる。このような時代だからこそ、Chocomooのイラスト作品はより心に響くのではないだろうか。実際の展示を見た人々には、「笑顔になってほしい」「肩の力が抜けるような作品を描きたい」「何かを感じてもらえれば」といったChocomooの思いが、自然と伝わってくるだろう。
Chocomoo プロフィール
京都出身のイラストレーター。
POP で独創的な作品を全てモノトーンで描くのが特徴。日本をはじめ海外のアパレルブランドや企業とのコラボレーションなど様々なアーティストへの作品提供をしている。また国内外でのArt Show にも参加するなど、幅広いシーンで活動中。