3.0
東博で鑑賞する現代美術とは
東京国立博物館で久々に開催された現代美術の展覧会。
本館での「特集 東京国立博物館の寒山拾得図」とシンクロしているのでそれなりの意義はあるのだろうが、展示方法や作品の多様性や文脈がいまいち整理されているとは言えないと感じてしまった。
「GENKYO 横尾忠則」(2021 東京都現代美術館)での網羅的な展示や、テーマを選びストーリーを形作る「横尾忠則現代美術館(兵庫県)」の展示も鑑賞したが、これらのほうが数倍印象的で魅力的な世界観の展示であった。
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本展は、現代美術家・横尾忠則が「寒山拾得」を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作101点を一挙初公開するものです。テーマとなった寒山(かんざん)と拾得(じっとく)は、中国・唐の時代に生きた伝説的な詩僧で、その奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、日本、中国では伝統的な画題となりました。
新型コロナウィルス感染症の流行の下、横尾は、寒山拾得が達した脱俗の境地のように、俗世から離れたアトリエで創作活動に勤しみ、描き出された寒山拾得からは、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡り、まさに時空を超えためくるめく物語が紡ぎ出されています。
画家活動の最大のシリーズとなる「寒山拾得」は百面相のように、観る人にさまざまな問いを投げかけることでしょう。
会期 | 2023年9月12日(火)~2023年12月3日(日) |
---|---|
会場 | 東京国立博物館 Google Map |
展示室 | 表慶館 |
住所 | 東京都台東区上野公園13-9 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 9月19日(火)、10月10日(火) ※ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,400円) 大学生 1,400円(1,200円) 高校生 1,000円(800円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kanzanhyakutoku |
3.0
東京国立博物館で久々に開催された現代美術の展覧会。
本館での「特集 東京国立博物館の寒山拾得図」とシンクロしているのでそれなりの意義はあるのだろうが、展示方法や作品の多様性や文脈がいまいち整理されているとは言えないと感じてしまった。
「GENKYO 横尾忠則」(2021 東京都現代美術館)での網羅的な展示や、テーマを選びストーリーを形作る「横尾忠則現代美術館(兵庫県)」の展示も鑑賞したが、これらのほうが数倍印象的で魅力的な世界観の展示であった。
「やまと絵展」二度目で第4期を観に行き、「ついでに」と言っては申し訳ないですが、横尾忠則「寒山百得」展、も観て来ました。85歳を過ぎた横尾忠則が、コロナ禍の約一年余に手掛け、独自の解釈で再構築したという、寒山拾得シリーズ102点…readmore
4.0
「芸術わかんね〜〜」て言いながら観て行ったけど、抽象的な雰囲気からCDのジャケットみたいなシャレオツな絵柄もあって、どれ好きになるかなって見ていくの楽しかった!
横尾忠則は戯曲のポスター作品がとても好きだったのですが、自分としては新たな一面を知れました。
5.0
上野公園の銀杏が黄金色に色付いて、快晴の平日のお昼に訪問しました。
会場は人も少なめで、快適に鑑賞できました。
まず表慶館のロケーションが素晴らしく、エントランスの吹き抜けから圧巻されっぱなしでした。
コロナ禍において、高齢であるにもかかわらず、3日〜7日スパンで精力的に作品を生み出してこられたアーティストの圧が凄く、
描き殴られ、輪郭線があやふやなのに色と濃淡でモチーフを浮かびあがらせ、同じモチーフを連作で日々の感性の違いで描き分ける面白さ。一体脳内はどうなっているのだろうと思わず唸ってしまいました。
トイレットペーパーを経典に、掃除機やモップを人生の仕舞いお掃除に擬えているのが面白く、
ユーモアとウイットに飛んだ、『neo横尾忠則』が垣間見え楽しい美術展でした。
5.0
同じテーマでも様々。
飽きることがない。トイレットペーパーとトイレが多数登場するのもしかたないか。
掃除機も様々。見ていて楽しい思わずスマホでカシャリとしてしまう。
横尾さんの豊富なアイデアに脱帽。
4.0
日付順に並ぶ横尾忠則の「寒山拾得」シリーズ。
初めは現代的引用としての掃除機・トイレットペーパーを持った「寒山拾得の図」だったのに、
日を追うごとに寒山拾得本来の意味である自由奔放さが爆走し始める。
次々とマラソンや組み体操、古今東西名画の中に入り込んだり、AIという名の下にヒトガタも無くし、自由闊達に入り込んだり変貌したり。
彼等は横尾氏自身の87才の肉体とは別に走り回る、自由な「心」なのかも知れない。
走り出したら止まらない横尾忠則。そういや昔からそうだったよなw。
どれも楽しげで描く喜びに満ちていた。
なにより大型作品を短期間に描き上げた底力に脱帽。
歴史・伝統・権威の東京国立博物館での開催が、
自由な精神の横尾版「寒山拾得」にふさわしかった♪
11月10日(金)・11時入場・混雑無し・撮影可
4.0
87歳の横尾忠則パワーを感じられる空間に満足です。
コロナ渦&暑い夏も挟んでに描かれている102点もの作品を感じて、どれだけのエネルギーなんだ。色彩感覚と作品の大きさにもパワフルな感覚を得られて元気になった一日でした。
本当に凄い、横尾忠則。
★noteに感想載せてます↓
https://note.com/sono1973/n/nd40c8741eca4
4.0
表慶館がカラフルでエネルギッシュな作品にあふれてました。
ガラスもなく、間近で鑑賞でき、筆が走る様子をまじまじと見ることができました。
全作品、写真撮影OKでした。
箒と巻物が、掃除機とトイレットペーパーに変身(笑)
野球、マラソン、AI、祭、ドンキホーテ
ゴッホやダリ、マネへのオマージュ
どんどん変化する二人
個人的にはルパンが良かったです。
ミュージアムショップは、ポストカードやマグネットが充実。
マグカップも素敵でした。
本館2階の特別室で、東博所蔵の寒山拾得を展示してます。
国宝の寒山拾得図、河鍋暁斎の豊干禅師も!
表慶館または1階インフォメーションでリーフレットをいただけます。お忘れなく。
チケットのプレゼント、ありがとうございました。
自由な発想が楽しく元気(エネルギー?)を分けてもらいました。
5.0
無造作に見える線に絵の具をこすりつけた暈し、今回の横尾忠則のスタイルは寒山拾得を描くのに最適のスタイルです。有名な因陀羅の寒山拾得の顔を想起させる作品もあれば、ピカソ、マネ、久隅守景、鈴木春信、大谷翔平、ルパン、ドン キホーテ等々様々なモチーフが溢れ出て、独創的な色彩と共に魅了される。現代美術の東博の表慶館での開催というのも画期的かつ記念碑的展覧会ですね。
4.0
全て寒山拾得でかつ新作。コロナ禍(終わってないけど)にこもって102枚描いたとのこと。タイトルは描いた日付です。寒山拾得テーマに、どんどん変容していくあたりが、とんでもなく自由で横尾作品らしいです。寒山を象徴する巻物と拾得を象徴する箒が、トイレットペーパーになったり掃除機に変わったりするのはまだ分かりやすい。そのうち、トイレットペーパーも描かれてなかったりする。自由すぎて面白い。個人的には寒山拾得とマネの草上の食卓に久隅守景の納涼図屏風を併せた《2022-05-01》と《2022-05-03》がいいです。ちなみに本館で寒山拾得のまとめ展示がありますので必見です。こちらでは鈴木春信が寒山拾得を見立てた《中納言朝忠》が好きです。ちなみに撮影OKです。
3.0
たしかに寒山拾得
しかしだんだん寒山拾得ってどんなものだったのかあやふやになってくる
はしゃぎおどけ時にすっと真面目な表情を見せても
どこかふざけてた雰囲気
かとおもえばザクっとシンプルな造形になったと思えば
幾何学的な造形に…
めぐってるうちに「寒山拾得ってどういうのだっけ?」と
その感覚があやふやになっていく
正直あまり好みではないが、解体されたモチーフが再構築されていく
面白のさのある展示だと思う
5.0
表慶館が丸ごと色彩ジャックにあったような展示でした。
すべてが多色、すべてがサイズ大きめ、広くない展示スペースにパネルを多数設置しているので至近距離での鑑賞。額、ガラスケースなし!トーハクでは珍しい体験でした。
オリジナルの箒と巻物が、横尾作品では掃除機とトイレットペーパー。
オリジナルは寒山と拾得の2人なのに、横尾作品では群衆あり、ゴッホあり、名画のパロディありの多彩さです。
ここ3年ほどで制作された作品なのでモチーフが分かりやすく、「思いついたことを誰かとしゃべりながら見たい!」と強く思いました。次は友達と行ってきます(笑)
作品名が描いた日付なんですけど、連続した日付があったりして、こんな作品を毎日仕上げるってどんななの!という驚きと、負けてられない!という思いを感じる展覧会でした。
本館では関連展示で国宝の寒山拾得が見られます。
ただ、展示されている本館2階の「特別1室」は場所がわかりにくいので、お見逃しなく!
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