4.0
コレクションによる違い
狙ったのかどうかはわからないが、ほぼ同時期に同じ内容の展覧会が開催された。
こちらのは、フランスのブルターニュにあるカンペール美術館の所蔵作品が中心なので、日本人の好きなモネなどは控えめ。第1章では初期のサロン出展作が中心で、さすが、という大作があった。第2章は印象派からナビ派へ。日本ではなじみのない画家さんの絵も多く、新鮮でした。ピエール・ド・ブレなど第3章に登場する画家さんそれぞれの画風がおもしろく、もっといろいろとみてみたいと思った。
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豊かな自然と独自の文化を持つことで知られるフランス北西部の地、ブルターニュ。本展は、ブルターニュに魅了された画家たちが描いた作品を通じ、同地の歴史や風景、風俗を幅広く紹介する展覧会です。
深緑の海や険しい断崖が連なる海岸線、平原と深い森とが織りなす固有の景観、また、そこに暮らす人々の慎ましい生活と敬虔な信仰心は、19世紀初め以来、数多くの画家たちの関心を掻き立ててきました。
本展では、ブルターニュに関する作品を多数所蔵するカンペール美術館の作品を中心に、45作家による約70点の油彩・版画・素描を通じて、フランス〈辺境の地〉ブルターニュの魅力を紹介します。
会期 | 2023年3月25日(土)~2023年6月11日(日) |
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会場 | SOMPO美術館 Google Map |
住所 | 東京都新宿区西新宿1丁目26-1 |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,500円) 大学生 1,100円(1,000円) 高校生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.sompo-museum.org/ |
4.0
狙ったのかどうかはわからないが、ほぼ同時期に同じ内容の展覧会が開催された。
こちらのは、フランスのブルターニュにあるカンペール美術館の所蔵作品が中心なので、日本人の好きなモネなどは控えめ。第1章では初期のサロン出展作が中心で、さすが、という大作があった。第2章は印象派からナビ派へ。日本ではなじみのない画家さんの絵も多く、新鮮でした。ピエール・ド・ブレなど第3章に登場する画家さんそれぞれの画風がおもしろく、もっといろいろとみてみたいと思った。
4.0
好天休日の昼過ぎに訪館。予約なし。待ちなし。そこそこの人の入りながら混雑ということはなく、ゆっくり鑑賞できた。久々のSOMPOさん。ごく一部を除きほぼ撮影可は嬉しい。最初のフロアで大型の迫力ある作品が続き、なかなかに鑑賞者の心をとらえる。三方をとり囲む海とそして森林の自然豊かな地。革命前までは公国で、独自の歴史や言語や宗教を持ち、革命後の急速な近代化の中にも、独特な風俗は人々の間に深く残されていた。画家たちを魅了したこの地の自然と風俗が、作品たちから十分に感じ取れた。地元の美術館コレクションが中心の出展で、それがまた多彩というかバラエティーにとんでいて、なかなかに面白い。いくつか気に入りの作品にも出会えました。解説は可もなく不可もなく。チケット価格の違いや出点数の違いも差し引いて、国立西美とかぶっているようでかぶっていない、見どころ十分で其々に楽しめ、行って良かったと思える展覧会でした。この年齢になってフランスへ旅することはきっともうないとは思うけれど、もしそんな機会があったなら、多くのアーティストたちを魅了した“最果ての地”という「ブルターニュ」に、立ち寄りを考えてみたい気分にもさせられた、二つのブルターニュ展だつた。
4.0
国立西洋美術館のブルターニュ展を観た上でこちらの展覧会を鑑賞しました。
テーマが完全に被っているので、それほど新鮮味はないかなと思っていましたが、いやそんなことは全くなかったですね。それだけブルターニュの自然、文化、風俗の奥行きが深いのかも知れないし、ブルターニュに魅せられた画家たちが数多くいて、いろいろな画風でアプローチして描いたということでしょう。
カンペール美術館のコレクションを中心に展示されていますが、ブルターニュのそれも西の外れにこの美術館はあるんですね。まさにブルターニュ民俗博物館のようなミュージアムなんでしょう。
冒頭に出てくるアルフレッド・ギュという画家なんかは、ブルターニュのコンカルノーという港町出身のネイティブです。
≪ブルターニュの婚礼≫を描いたアドルフ・ルルーは、パリ出身ながらブルターニュに早くから移住し「ブルターニュのルルー」のあだ名で知られた画家とのことで、”ブルターニュおたく”なんでしょう。
ポール・セリュジエやリュシアン・シモンなどの画家は、国立西洋美術館のブルターニュ展にも展示がありますが、まったく異なる題材の作品で被るところはなく新鮮でした。逆にモネやゴーギャンは、カンペール美術館では揃えられず、日本の地方美術館から借りてきた、いかにもそれらしい作品で、新鮮味に欠けました。
5.0
あいにくの雨の雨でしたが、絵をみることができ、よかったと思い巻いた。
特に気に入ったのが、パンフレットの表紙になっていた、海の中での男女が抱き合っている作品です。海の荒々しさが伝わってきて、恐ろしくもありましたが、力強さに目がうばわれました。
4.0
SOMPO美術館の「ブルターニュの光と風」と国立西洋美術館の「憧憬の地ブルターニュ」が同時期開催されていて、偶然との事ですが、今回を機に両展示会を見て、ブルターニュという地がどういうエリアが少しでも感じることができたらと思います。
まず、SOMPO美術館の「ブルターニュの光と風」を先に見ました。一番印象に残ったのは、アンドレ・ドーシェの「ラニュロンの松の木」で、木々にピントがバッチリあったような明瞭な表現、その正体は、浮世絵を思い起させるようなくっきりとした輪郭線でした。一般的に輪郭線を描かず陰影で奥行きつけることでリアルさが表現されると「絵がうまい」と感じますが、この絵はジャポニズムの影響で輪郭線によって、木々、雲、遠景の森、岸、川の水面が描かれ、先述のリアルと対局にあるのもかかわらず、「あっこの絵好きかも」を感じました。この絵が持つ心と私の心でジャポニズムが共鳴しているかもしれません。
また、気になる絵としてピエール・ド・ブレの「コンカルノーの港」で、絵の質感が、冨永ボンドさんのような光沢が印象的でした。
ブルターニュといえば、ポン=タヴァンしか知りませんでしたが、壮大な海(テオドール・ギュダン「ベル=イル沿岸の暴⾵⾬」)、花崗岩が表現する神秘な大地(ジャン=マリー・ヴィラール「ドゥアルヌネ近郊のケルレゲールの岩場」)、ケルト文化を育む敬虔な祈り(モーリス・ドニ「フォルグェットのパルドン祭」)と様々な地で様々な画家が創作活動をしていたことが俯瞰で見ることができ、フランス絵画の幅が広がりました。
4.0
国立西洋美術館のブルターニュ展に先に行ったので、2つ目のブルターニュ展です。
西洋美とは、また違う景色が見えて、こちらも面白かったです。
1章と2章は、いたるところにゴーギャンの名前が出てきて、その影響力の大きさに、
メインビジュアルの「さらば!」は、神話の男女がテーマだと思っていたのに全く違っており、
目からウロコでした。
イチオシは、第3章「新たな眼差し、多様な表現の探求」です。
艶艶した絵具の質感、印象派的な描き方、格子状のタッチなど、さまざまな技法で描かれており、印象的でした。
画家の略歴もしっかり紹介されており、絵の解説も多いので、しっかり読むとかなり時間がかかります。
最後はゴッホのひまわりと、ゴーギャンの風景画。
ミュージアムショップは、絵葉書が充実してました。
日時予約は不要でした。
時間ちょっと前に到着しましたが、建物内エントランスで待たせていただけたので、助かりました。
5.0
ブルターニュ地方はフランスの中でもかなり西側に位置しているが、本展に
作品を貸し出しているカンペール美術館はブルターニュの中でも更に西に
位置している。そしてすぐ近くにポン=タヴァンがある。
セリジェやドニ、ゴーガンと言った名だたる芸術家たちが訪れ
その後にナビ派も出来る事になるのだが、この小さな地域にこれだけの
芸術家たちが集まり、今となってはアート好きなら誰もが知っている様な一派が
完成されたと思うと改めてこの地が秘めているパワーは本当にスゴい!と感心する。
でもカンペール美術館にはゴーガンの作品は少ないのよね。
やっぱり好きでこの地を訪れているだけあってどの作品も美しい。
美しいというのは派手だったり華美だったりするのではなく
あくまで等身大の美しさ。誇張せず、ありのままの姿を描いたものが多い様な
気がする。風習、風俗などその地に根差した景色が描かれているので
なんだか、落ち着いて見ていられる。
本展のメインビジュアルのアルフレッド・ギュ『さらば!』こそ
大迫力で生命の力強さと消え行く儚さの対比が絶妙な作品だが、序盤は
こう言った迫力満点の作品が続く。中盤からは割と落ち着いた作品が多いので
当方はこちらの方が好みである。
国立西洋美術館も同じテーマでやっているが、あちらはあちらで良い。
どっちも見てブルターニュを思う存分満喫して頂きたい。
4.0
入ってすぐ目に入るのは
「ベルイル沿岸の暴風雨」
その迫力と雄大さ荒々しくも美しい景色に目が奪われる
これはいい景色だ。なんて画趣に富んだ世界だ
こんな景色が広がっているというなら
確かに言ってみたくなるし自分の目でその風景を見てみたくなる
これは素晴らしいなあ良いなあ
荒々しい自然だけでなく
そこに住まう人々とその生活も感じられる展示構成もよい
個人的には第一章の「ブルターニュの風景」だけでなく
第三章「新たる眼差し」のバンドノワール一派の作品が強く印象に残った
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