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箱舟に乗って護られた仏画たち
出展総数の約半数が国指定文化財という仏画を大集約した展覧会。京都探訪最初の肝煎り鑑賞展でした。
ほぼ中国の作品なのに日本の文化財指定の多さにびっくりですが、中国の南宋~元時代の仏画は当時鑑賞収集の対象外で、歴史の政変で中国ではほとんどが消失。
世界に現存する宋元仏画の大半は日本に残されていた物なのだそうです。
なんだか正倉院と似た経緯・・・宗元仏画もノアの箱舟のように舟に乗り、難を逃れたことで何百年も経た今に往時の芸術を伝えています。
前期の孔雀明王が見られなかったのは残念でしたが、お目当てが2点見れたので満足。空いてましたしw
禅僧の牧谿 もっけい作【観音猿鶴図かんのんえんかくず】は必見です。
縦約170cm×横約100cmの大型掛け軸で、大徳寺所蔵の国宝は通常だと非公開。年1回の『曝涼=虫干し』の日にだけお目に掛れます。
この観音の左右に配された鶴と猿は、後年日本画家達のお手本としてオマージュされ、最後の章で紹介されている長谷川等伯作の【枯木猿猴図こぼくえんこうず】や、以前京都に来た際に訪れた白沙村荘で鑑賞した橋本関雪の【玄猿げんえん】に繋がります。
『猿』は一見珍しいテーマ。何故サルを描いたのか気になり調べてみると、2つの根拠が浮上。
1つは古代中国の周王朝に伝わる故事逸話で戦死した君子が猿鶴に変化したというもの。
2つめは宋時代に編纂した古典文学に、兵士に捕らえられた子猿を思う母猿が悲嘆で死んでしまった故事がありました。
元(モンゴル)から侵略される宋という時代の流れに合致しているので納得ですが、鎮魂というテーマで改めて作品を見ると粛然とした気分になります。
もう1つのお目当て俵屋宗達たわらやそうたつ筆の【蓮池水禽図れんちすいきんず】は墨のみで空間の余韻というか、空気の表現が素晴らしかった。
7章という長丁場構成なので、時間が限られている場合は要注意。後半にだいぶ捲く羽目になります(泣)
満腹の作品数ですが、目を付けたカエルのネックピローになるクッション、もう少しお財布に優しくして欲しかったのでマイナス★1です。













