2023年アートシーンを振り返る
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- by morinousagisan

年が明けてしまいましたが、2023年のアートシーンを振り返り、特に印象に残った展覧会などを選びました。私の場合、京都大阪を中心として時々神戸、たまに奈良、遠出して滋賀という限られた範囲をグルグルと。それでも毎週出かけても出かけるところはあるようで、出かけきれなかった心残りな展示もありました。シーレや大好きなマティス、大掛かりな展示のようだったディオール、東博のこれでもかと力任せの大展覧会や根津の中国絵画などなど規模の大小を問わず多種多様にある東京の展覧会を「ええなぁ~」と皆様の感想、鑑賞レポート全て読ませて頂いております。

1.特別展「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」@兵庫県立美術館
安藤建築で観るもの派、李禹煥作品は格別でした。現代作家李禹煥をまとめて県美で観る事が出来るなんて!展示には李さんも積極的に参加されたそうで、HPには多くの動画も掲載されています。県美で現在開催中の「生誕120年 安井仲治 -僕の大切な写真」も担当は小林学芸員です。

2.『開館1周年記念特別展 大阪の日本画』@大阪中之島美術館
京都の画壇にばかり目が向きがちな関西において、大阪画家たちはどうだったのかを改めて考えさせられた展覧会でした。古き良き大阪では、大阪の旦那衆が大阪の画家たちを支え、また多くの女性の画家を輩出しました。年末の「女性画家たちの大阪」展が待遠しかったです。東京へも巡回し、サントリー美で開催された「大阪市立美術館展」や「東洋陶磁美術館所蔵品」が展示された泉屋博古館東京と共に大阪にはこんなに素敵な作品が所蔵されているのかとの反応が多かったように思います。現在流布している大阪のイメージでなく、谷崎の『細雪』の世界観が愛おしい。

3.『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』@国立国際美術館
ブロックバスター展と期待していなかったら、良い意味で裏切られたくさんの良い作品が来ていた。特に大好きなクレー作品がいっぱいあって嬉しかったです。

4.『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』@京都国立近代美術館
待ちに待った展覧会でした。土日は京都へは出かけないことにしていますが、待ちきれなくて初日に出かけました。資料も充実し前のめりに覗き込みました。時代劇映画の衣装考証をした甲斐荘楠音の後半生はまさに天職ではなったか。東映の全面協力により、時代劇の衣装の展示はまさに圧巻でした。(拍手)TSGへも巡回し高評価でした。

日頃近づくことさえない神戸の港湾施設、それも取り壊されることが決まっていた「住友倉庫」での若い現代作家さんの大掛かりな展示に吃驚しました。一歩足を踏み入れて見ればそこはまるで映画のセットの様でした。最小限手を加えた作品が物凄い迫力を持って迫ってきました。ここで出会った作品の作家さんの「[小企画] 美術の中のかたち―手で見る造形 遠藤薫 眼と球」が県美であり嬉しい再会となりました。

6.『恐ろしいほど美しい 幕末土佐の天才絵師 絵金』@あべのハルカス美術館
まさか絵金の屛風絵をまとめて観る事が出来るなんて!単館開催でした。高知の夏祭りの再現展示で魅せる絵金の屏風絵はインパクトありました。展覧会によって「絵金」についても色々と知る事が出来ました。

7.『開館1周年記念特別展 佐伯祐三 —自画像としての風景』@大阪中之島美術館
美術館設立へのきっかけとなった佐伯祐三作品の寄贈。世界で一番たくさん佐伯作品を所蔵する大阪中之島美術館でこそできる展覧会でした。短い佐伯の生涯を網羅する展示件数の多さと内容が充実した展覧会でした。二度目のパリ滞在で自分の残りの人生が分かっているかのように描きに描いた佐伯が迫って来るようでした。TSGへも巡回しこちらも高評価でした。

8.『特別展 生誕270年 長沢芦雪-奇想の旅、天才絵師の全貌-』@大阪中之島美術館
「奇想の絵師」として紹介されることの多い芦雪が、実は多様な作品を残していたことにも驚きました。しかしながら、南紀で自由奔放(のように感じる)に筆を揮い、芦雪の巧さにも脱帽。急逝した芦雪は何処へ向かおうとしていたのかとも思いめぐらしました。九州国立博物館への巡回はこれからです、そちら方面の方お楽しみに。

2023年初めに開催された「大阪の日本画」展以来ずっと楽しみにしていた展覧会です。巡回はないそうです。タイトルに「大阪の・・・」が付くと敬遠される?一地方の日本画家の展覧会として人が入らないかもとのことでしたが、とっても残念です。気品ある京都の松園とは違った、キレイや可愛いだけの絵でないところがまた良い。多分野で活躍した大正期を中心にした大阪の女性画家たちを丁寧に調べた結果、現時点での「決定版!」となった展覧会です。女性画家としてのキャリアや結婚、子育て、介護と色々と女性画家が画家として生きていくことにも考えさせられた展覧会です。
番外として
「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」、コロナ禍を経て久々に出かけた六甲山、六甲山頂での現代アート巡り楽しかったです。季節がすすみ再訪、アート作品が時間の経過で変化する様も観てきました。初めてロープウェイで有馬温泉へ下りたのも楽しかったです。しかしなら、六甲山頂を巡ることに体力的にキツクなってきているのも事実で、今後トレイルエリアとか一緒に巡れるだろうか自信がない。
前々から訪れたいと願っていた琵琶湖畔にある山元春挙の別邸「蘆花浅水荘」は、春挙が粋を凝らした別邸でした。春挙の孫にあたるご当主が丁寧に各お部屋をご案内下り、楽しい遠足となりました。
京セラでの「アンディ・ウォ-ホル・キョウト」や現在開催中の「MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウンズまで」私が日頃あまり見ない分野ですが、京セラのフレンドシップに入っていることからとても興味深かったです。
毎月3テーマ、1ヶ月毎に1テーマが展示替えとなり3ヶ月で全てが展示替えで、3ヶ月毎に出かけている藤田美術館、30件程の展示にいつも2時間以上居座ってしまい、2023年は館長直々の建物ツアーにも参加しました。
大阪中之島美術館が出来たことが私には大きい。京都まで出かけなくともな感じです、それでも秋は毎週京都へ出かけたが、インバウンドで観光客が溢れた寺社は行かなくなりました。
2024年は、もう少し足を伸ばして出かけたいところもありますが、体力、気力、体調と相談しながらボチボチとマイペースで出かけたいと思っています。宜しくお願いいたします。
皆様の感想、鑑賞レポート、アートブログ楽しみにしております。