「神戸アートマルシェ2024」に行ってきました。
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- by morinousagisan
神戸アートマルシェ2024が、今年は4月19日(金)-21日(日)に神戸メリケンパークオリエンタルホテルの9Fで開催されました。
なんだか徐々に開催される階が下がってきているような気がしています。神戸らしい絶好のロケーションで、春は結婚式も多く、また神戸へ入港する外国客船も増えているからかもしれません。初日は快晴でしたのでその日に行ければよかったのですが、真ん中の曇りの土曜日に出かけました。神戸まつりと重なった最終日は雨降りでした。
今年は東京のギャラリーさんの参加もありましたが、その一方名古屋や京都のギャラリーさんは少なかったです。京都は独自で大きなアートフェアが開催されるからでしょうか。
昨年出会った作家さんからお話を伺ったり、新しく知った作家さんから作品について教えて頂いたりしました。日本画の作品で金を用いた平面作品が多く印象に残りました。その反面、手作り市みたいな出展はなく、ちゃんと?アートしていました。コロナ禍前は「えっ!」と二度見してしまうような作品が東京のギャラリーさんにあったりしましたが、そんな作品は残念ながらありませんでした。ホテルの部屋での開催と言うことで、日本の狭い家屋に飾るイメージがしやすく、ギャラリーさんの立ち位置としては当たり前なのですが、売れやすい?作品、平均的にお手頃にまとめられています。サイズが小さいものを手元で愛でる慣習が日本人にはあり、小さくてかわいいものを日本人はどうも好む傾向があるのかもしれません。東京や京都や大阪の大型のフェアではどうなのでしょう。繊細な小物を海外のフェアに持って行っても売れないと聞いたことがあります。海外の大きな邸宅にはフィットせず、海外の大金持ちの目には止まりにくいいようです。根付を出品されているギャラリストさんも海外でも根付を作っている作家さんはいるが「もっとかわいいものを」と話しても「かわいい」という感覚が伝わらないとのお話でした。日本特有の「カワイイ!」文化なのですね。根付などは、魔除けや縁起物の造形が好まれ、海外では「カワイイ」は人気がないらしい。おばちゃんになっても「カワイイ!」に目が止まり手に取ってしまいがちです。
今年のフェアで私が気になった作家さん、作品をご紹介したいと思います。
昨年の神戸アートマルシェで知った家具職人と敢えて呼ばしていただく北奥真帆さんこと「とらまめ」さん、以来facebookとXをフォローしています。”X”に現れた青龍を見てこれは是非とも会いたいと今回も出かけることにしました。工房での出来上がりはもっと大きくて、分解して神戸にやって来ました。バルコニーに据えられた龍は、まるで海を渡って上がって来たようでした(笑) 今年は昨年のように動物園とはならなかったもののアルパカさんもお気に入りです。龍の背に跨ったお子さんは嬉しそうでした。作りがしっかりしているので大人が腰掛けてもビクともしない安定感です。広―いリビングにこの龍があればお洒落だろうなぁと妄想が広がります。ホテルとかカフェや店舗にあっても良いなぁ。ギャラリーさんが「龍屋」なので「龍」だったのかも。あのサイズ(作品サイズ:h1700×w1600~3500×d600mm(サイズ可変))の龍を2週間で仕上げたとはビックリしました。話題をかっさらったこの龍はさすがに売約済みでした。飛騨高山の工房を公開予定があるそうでいつか伺ってみたいです。
・ギャラリー龍屋:https://www.t2y.info/aichi
・とらまめサイト:http://www.toramame.com/
白い突起がいっぱいあるソフトスクラプチャーの様な立体は中に仕掛けられたモーター?によって蠢いていました。この突起は1つ1つが布を絞ったものです。松本千里さんは大学で伝統的な絞り染めの技法を学び、絞りを模様ではなく立体作品として表現しています。 "Tokyo Midtown Award2017”で優秀賞を受賞し、六本木アートナイト2018や東京アートフェア2019にも参加。「六甲ミーツアート 芸術散歩2020」で公募大賞 準グランプリも受賞されていました。六甲ミーツアートに参加なさっていたと知り、コロナ禍は行っていなかったので六甲山頂で大きな作品も観たかったとお伝えすると、その時の作品やワークショップのお写真も見せてくださり、ワークショップのことや子どもたちの思いがけない発想のことなど興味深いお話を聞かせて頂きました。また是非「六甲ミーツアート」に参加して頂いて大きな作品を拝見したいです。インスタグラムに大掛かりなインスタレーションがアップされていますので、チェックしてください。
・みぞえ画廊:https://mizoe-gallery.com/
・松本千里instagram:@mastumoto.chisato
岩本依留羽さんも素敵な作家さんです。
未知の才能の発掘と支援を目的とした公募展、「第9回 Artist meets Art Fair」の受賞作家のお一人です。神戸アートマルシェでは珍しいブロンズ作品です。私のヘボイ写真家らも伝わるでしょうか、確かな技術があり造形が物凄くしっかりしていました。2018年東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻鋳金研究分野 修了で今に至る。ブロンズの工程と材料を考えればそれなりのお値段はします。過酷な制作工程もインスタにアップされていますのでそちらもチェックしてください。
・岩本依留羽instagram @iwamotoeruba
バルコニーにこの様な立体があるとツイツイ写真に収めてしまいます。ちょっと加藤泉さんの作品に六甲ミーツアートの高山植物園で出会った時を思い出しました。かわいくて少し怖い。5月の連休に神戸元町の大丸で、6月に大阪の大丸で個展があるそうなので出かけてみたいです。
Gallery 螺さんで今回一番初めにご紹介いただいたのは小高由美さんのタイル作品でした。Gallery 螺へは、今年も「藤織り」作家の齋藤麻弓さんに会いたくて伺いました。今年の齋藤さんの作品は小さなオブジェが展示されていました。決してお安くはないですが、「藤織り」の制作過程、手間を知っていれば頷かざるをえないかもしれません。「藤織り」の技術を継承していく事は容易い事ではありません。「藤織り」をより多くの方に知って頂くには反物や織がはっきり分かる作品の展示もして頂きたかったところですが、ギャラリストとしては当然のことながら「売れる作品重視」と言うことになったのでしょう。このフェアが終われば、山に入って藤の蔓を取って来ての工程が始まるそうです。
藤織り工房’ののの’サイト:https://www.nononokamiseya.com/
昨年作家さんからお話を伺えなかった、九谷焼作家?陶芸家の上端伸也さんからお話を伺ってきました。九谷焼で、手で模様を施しています。とのお話。ゴブレットの中にも細かな細かな宝石の様な模様が散りばめてあります。「フランスで見た歴史的建造物(ステンドグラスなど)や美術館で見た宝飾品などから着想を得て、独自で調合した葡萄茶色を使い異国情緒を感じる九谷焼を制作している。」まさにまさに言葉通りの作品でした。
・Gallery 螺:http://gallery-ra.com/
・上端伸也instagram @ shinya_kanbata
他の作家さんでは、アクリルに漆で描いた江藤雄造さん、漆芸家で文化財修復のお仕事にも携わっていらっしゃるようです。日本画も多くありましたが、中でも中尾博恵さんのランチュウや黒猫、抽象的な作品も気になりましたが、ご不在だったか、他の方と対応されていたかで、お話する事が出来ませんでした。
今回も多くの作家さん、作品に出合う事が出来ました。私が出かけた日にはマルタ船籍とお聞きした大きな客船がホテルの横に着岸していました。前日はもっと大きな外国客船が着岸していたそうです。翌日はあいにくの雨でしたが、神戸まつりで花火が上がったそうです。
大型客船の外国人観光客らしき人をアートマルシェで見かける事はありませんでした。
さて、次回は・・・と聞かれればちょっと迷うところです。ロケーションは抜群だが、どうもホテルのバスルームやベッドの上に作品が飾られているのはうーんどうでしょう。チケットは高くなるが、アート大坂や京都アートフェアでまた違うギャラリーさん、作家さんに出会うのもありかもしれません。
☆☆5月に夕方から夜にかけて銀座の画廊巡る「画廊の夜会」開催されるそうです。
5月24日(金)17:00-21:00
「美の起源」さんで冊子を頂きました。羨ましいなぁ(遠い眼)
ギャラリー巡りツアーのコースも多彩(いいなぁ)
誰かレポートしてほしいです。
【参考】拙ブログ「今年も行ってきました 神戸アートマルシェ@神戸メリケンパークオリエンタルホテル」