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【記者発表】2024年夏『開創1150年記念 醍醐寺 国宝展』を大阪中之島美術館で開催!!

左から:本展監修の内藤栄 大阪市立美術館館長、壁瀬宥雅 真言宗醍醐派総本山醍醐寺座主、菅谷富夫 大阪中之島美術館館長

6月15日より大阪中之島美術館で開催される「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展」の記者発表が、真言宗醍醐派総本山醍醐寺 霊宝館で行われ参加してきましたのでご報告します。

※本ブログ掲載の作品画像は主催者からご提供頂きました。記者会見の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

真言宗醍醐派総本山醍醐寺(以下「醍醐寺」)の開創1150年となるを記念して、太閤さん所縁の大阪で初めての大規模な「醍醐寺展」が大阪中之島美術館で開催されることになりました。

壁瀬座主からは、これまでも「醍醐寺展」を開催してきましたが、今回は幅広く1150年を感じられる展覧会したいとのお話でした。


左から:重要文化財《閻魔天騎牛像》、脇侍《月光菩薩像》、国宝《薬師如来坐像》、脇侍《日光菩薩像》、重要文化財《帝釈天騎象像》

”この夏、大阪・中之島にパワースポット出現!”

 

【見どころ】

 1.醍醐寺は国宝を7万点以上所蔵しています。(※2013年に69,378点に及ぶ醍醐寺文書聖教が国宝に指定されました。) 

本展では、国宝14件、重要文化財47件を含む約90点の寺宝を公開します。

2.豊臣秀吉は、応仁の乱で荒廃した醍醐寺の復興を支援しました。秀吉の肖像画や俵屋宗達の「舞楽図屏風」をはじめとした華やかな近世文化の展示が充実しています。

3.仏教美術は初めてという方も楽しめるように、5つのトピック「秘宝継承」「密教法具-神秘の造形」 「修験の寺」「引き継がれる聖宝の教え-顕密兼学の精神」「醍醐寺の近代・現代美術」でミステリアス な「密教世界」を体感できる展示にもご注目ください。

 

更には、醍醐寺と最新テクノロジーとのコラボによる未来型関連展示やイベントもお楽しみに!


醍醐寺を特徴づける3つのテーマからなる3章構成です。


重要文化財《如意輪観音坐像》平安時代(10世紀)画像提供:奈良国立博物館(通期展示)

第1章    山の寺 醍醐寺

醍醐寺は、醍醐山の山頂にある上醍醐と、山裾にある下醍醐という二つの伽藍があることが大きな特徴です。醍醐寺の始まりは上醍醐にあります。理源大師聖宝が平安時代前期の貞観16年(874)に笠取山山頂の霊水が湧きでる地に草庵をむすび、准胝観音と如意輪観音をまつったことが醍醐寺の始まりです。湧き出る霊水の味こそが「醍醐味」です。醍醐天皇の御願寺となり上醍醐の伽藍が完成すると、下醍醐に伽藍の建立が始まります。天暦5年(951)五重塔が落成して、上醍醐、下醍醐の二伽藍からなる大伽藍となりました。

室町時代の文明2年(1470)下醍醐が兵火によって五重塔を残して灰燼に帰しましたが、上醍醐には兵火が及ばなかったことで、創建期の貴重な文化財が今日まで伝えられることになりました。

美しくも肉感的な重要文化財《如意輪観音坐像》、国宝《薬師如来坐像》とともに量感ある造形で10世紀の像を反映しています。


重要文化財《不動明王坐像 快慶作》建仁3年(1203)画像提供:奈良国立博物館(通期展示) 「快慶」と墨書が残る 重要文化財《不動明王坐像 快慶作》、憤怒の明王でありながら、穏やかな表現に快慶らしさが表れています。

第2章 密教修法のセンター

この章では、平安時代から鎌倉時代の作品を中心に仏像や仏画、密教法具が展示されます。

古来より人々はあらゆることを願いさまざまなことを仏に祈ってきました。密教の加持祈祷の作法である「修法」は、種々の願いに対応する多様性を有し、同じ修法でも寺院や流派によって作法が異なり、独自の秘法は門外不出とされることが多かったそうです。平安から鎌倉時代の醍醐寺は、高名な学僧や験力(げんりき)の強い僧侶を多く輩出し「密教修法の研究センター」のような存在でした。自流、他流の情報を収集し、詳細な記録に残し、修法の本尊を描くための設計図である「図像」を集積しました。約7万点の「文書聖教」が今日まで伝わっています。仏画は法要の際に掛けるもので(つまり仏画さえあればどこででも法要が可能であった)、仏像のように間近で拝見する機会は少なく貴重な機会となりそうです。


《豊臣秀吉像》江戸時代(18世紀) 画像提供:奈良国立博物館(通期展示)秀吉の死後に、神様として全国の豊国神社にまつられた豊臣秀吉像として描かれた。

第3章 桃山文化の担い手

五重塔だけを残して焼失した下醍醐の復興に尽力したのが天正4年(1576)に醍醐寺座主となった義演です。義演の兄は、二条昭実で秀吉に関白の位を譲った人でした。秀吉と醍醐寺といえば、「醍醐の花見」、秀吉は醍醐寺に対して特別な想いを持ち、復興を支援しました。秀吉の死後も豊臣家の支援は続き、上醍醐の諸堂も再興されました。

醍醐寺は三宝院の長谷川等伯の襖絵や俵屋宗達の舞楽図屏風などを所蔵し「桃山の美の殿堂」という厳しい密教寺院とは別の面を持っています。所蔵作品の展示を通してその魅力を紹介します。

徳川の時世になっても醍醐寺に対する庇護は続きました。修験道は当山派(真言宗系)と本山派(天台宗系)など勢力を二分して争っていましたが、慶長16年(1611)徳川家康が醍醐寺三宝院に属する修験を「当山派」と称することを許可し、真言宗の修験道の本寺と認められました。これによって醍醐寺は真言系の修験道を統括する寺院となりました。

 

秋には「醍醐寺開創1150年 慶讃大法要」が11月14日~11月18日に行われる予定です。

 

本展には岸田劉生の孫・岸田夏子の《醍醐寺の春》も展示されるらしく、平安時代から令和まで、醍醐寺の新たな面も知ることになりそうな展覧会です。


3月には雪が積もる日もあり、3月最終週始めでも蕾が堅かった枝垂桜と五重塔

【開催概要】開創1150年記念 醍醐寺 国宝展

  • 会期:2024年6月15日(土) ~8月25日(日)

前期:6月15日(土) – 7月21日(日) 後期:7月24日(水) – 8月25日(日)

  • 会場:大阪中之島美術館 4階展示室
  • 開館時間:10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
  • 休館日:月曜日と7月23日(火) ※7/15(月・祝)、8/12(月・休)は開館
  • 観覧料:一般1800円(前売・団体 1600円)/高大生1100円(前売・団体 900円)/

小中学生500円(前売・団体 300円)※前売券の販売期間は、4月15日~6月14日


プロフィール

morinousagisan
阪神間在住。京都奈良辺りまで平日に出かけています。美術はまるで素人ですが、美術館へ出かけるのが大好きです。出かけた展覧会を出来るだけレポートしたいと思っております。
かつて関西のアートサイトに読者レポートとしてアートブログを掲載して頂いていたご縁で、展覧会担当の広報会社さんから私個人に内覧会や記者発表のご案内を頂戴し、「アートアジェンダアートブログへ投稿」という形を広報会社さんに了解頂いて、アートブログを投稿しています。アートブログは全くの素人の個人としての活動です。
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