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京都国立近代美術館コレクション展の病

京都国立近代美術館コレクション展をこよなく愛している。当館のコレクション展については病膏膏肓肓に入っていることを自覚している。気づけば2024年度第3回コレクション展から欠かさず通っている。企画展は欠かしているのに。


2025年度第3回再訪

2025年度第4回再訪再再訪


◇京都国立近代美術館コレクション展の好きなところ◇

◯企画展のチケットを買ったらコレクション展も見れる。

(今回は企画展のチケットで、3階の企画展・4階のコレクション展・1階の加守田章二と三宅一生展が見れる。どうかしている)

◯4階でやっている。

(横に広がっている京セラ美術館に対して、京都国立近代美術館は縦に積み上がっている。その4階なので、京セラ美術館や平安神宮の鳥居が見下ろせて景色がいい。階段を上り下りするのも楽しい)

◯展示室がドーナツ状なので好きなだけ周回できる。

(気になった作品に対してもう1回後で来ようがやりやすい)

◯企画展や他の美術館と関連させた展示を行っている。

(粋すぎる)

◯キャプションが公式サイトに出ているので、あらかじめ/帰ってからじっくり読み込める。

(ニワトリ記憶力にはありがたい)

◯展示作品のジャンルが豊富。

(西洋画、日本画、写真、陶芸、工芸品、着物、オブジェ、映像作品……と、1回のコレクション展の中で国内外問わず多様な作品が展示されている。やばすぎる)

◯少なくない点数の展示替えがある。

(贅沢すぎる)


◇京都国立近代美術館コレクション展あるある◇

◯コレクション展だけを見に行く。

◯同じコレクション展に複数回行く。

◯公式サイトに次のコレクション展のページが設営されるのを確認する。

(まだ何の情報も入っていないのにページが出来ただけで嬉しい)

◯その後キャプションが公開されたら読み込む。

(どんな作家が出品されるのか想像する)

◯あのドーナツの展示室のどこにどのコーナーが展示されるか想像する。

◯作品リストはあえてあらかじめ見ない。

◯1回行ったら、作品リストを見て後期展示替え作品を確認する。


全部当てはまったらあなたは私です。


十二代西村總左衛門「孔雀図刺繍屏風」

というわけで2026年度第1回コレクション展を見に行った。


1番最初の展示は「MoMAKマスターズ――京都国立近代美術館コレクションより」。17,000点から選ばれた名品たち(マスターズ)を展示する。

入口近くには竹内栖鳳「若き家鴨」、十二代西村總左衛門「孔雀図刺繍屏風」、迎田秋悦「大正大嘗宮蒔絵料紙硯箱」が展示してある。栖鳳の家鴨と總左衛門の孔雀は鳥同士だし、孔雀の輝く羽根と秋悦の輝く稲穂の蒔絵がモチーフとして近く感じる。更に硯箱には鳥避けの鳴子も描かれている。3作が関連し合っている。しょっぱなから楽しい。テンションが上がる。

總左衛門の屏風は、4つの扇(せん)全てを使って大きく孔雀が刺繍されているのが豪華だが、足元に野の花があるのもいい。あと、屏風の下の部分に描かれた孔雀の羽根もおしゃれでよかった。


池田遙邨「うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火」

「昭和100周年 京都の日本画」のコーナー。

ひょっとして推し(下村良之介)がいるかと楽しみにしていたが、いなかった。それでも後期には大野俶嵩、秋野不矩など日本画アヴァンギャルド作家の出品があるので楽しみ。


池田遙邨「うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火」。池田遙邨は福田美術館でも展示されていた。私にとって今回のベスト絵画だった。


池田遙邨「うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火」右側

ススキを渡る風が見えて、その風を目で追っていくうちにススキが動いているように見える。手前のススキは一本一本の絵の具の跡が見えるが、後景のススキは絵の具の跡が見えずひとかたまりになっている。それでも風になびくススキの姿が感じられる。すごい。

もう1回見ようと後で戻ってきたらお婆ちゃんが熱心に鑑賞していて、「すごいだろ、その絵」と思った。


リチ・ルーム。まさか本当に部屋を作るなんて思ってなくてびっくりした。かわいい。

ピンクの壁に描かれているのは上野リチ・リックスによる七宝飾りプレート「二羽の孔雀」のデザイン。さっき見た刺繍屏風とリンクしている。沢山の模様のデザインを見ると、企画展で見た千代紙の模様を思い出す。鮮やかな花柄や鳥の卵のデザインは新年度にふさわしい展示だった。


加守田章二「彩色壺」

富本憲吉・加守田章二・栗木達介の陶芸。キャプションのタイトルがいい。「形は身体骨組、模様はその衣服」。鑑賞のヒントになってくれる。加守田章二の言葉だそうだ。服のサイズに身体を合わせていくのではない、という感じがして肯定的に生きていけるような気がする。

加守田章二の作品は左右対称ではなくいびつで、それによって一つひとつの作品が愛おしく感じた。


西村陽平「生活の貧しさと心の貧しさ みすず書房 1978」

陶芸の展示の後にやきものの技法を使った作品が展示されているのが流れとして美しすぎる。西村陽平「生活の貧しさと心の貧しさ みすず書房 1978」。本を約1000度で焼成したもの。作品の思想性を考える前に作品自体がキラキラしていてきれいだった。


松本竣介「郊外」

松本竣介「郊外」。今回のベスト絵画(2枚目)。遠くから見ても松本竣介だとわかる緑色。アサヒグループ大山崎山荘美術館で見た松本の「街」を思い出す。いい場所でいい絵を見れたなぁと思う。

黄色、赤の明るい色があることによって、緑の深さが引き立っている。よく見ると緑は全部違う緑。この画の中で生きるためには、身体をゼリーみたいに透明にしないといけないような気がする。


八木一夫「二口壺」

八木一夫「二口壺」。加守田章二たちの作品を見たあと見ると、形の面白さが更にわかるようになった気がする。口のあたりがぺこっとへこんでいるのが、空洞感を感じて面白い。何かの生き物の器官のように感じる。


川西英「神戸港」

今回の企画展に出ている川西英。シンプルな形と色遣いがかわいい。近くにポール・シニャック「サン=トロペ岬」が展示してあったので比較すると面白いと思う。


今回のコレクション展も楽しみすぎて始まるのが待ち遠しかった。始まったのが嬉しすぎて2日連続で行った。


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くつしたあつめ
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