4.0
大屏風は大迫力、動物画は愛情が感じられます
昨年に引き続いての木島櫻谷展。昨年は風景画中心でしたが、今回は動物画中心です。
でも最初の展示室の大屏風が大迫力で圧巻でした。
季節ごとの花や風景を描いてあって、住友家本邸ではそれぞれの季節に合った屏風絵を飾って楽しんでいたんでしょう。
梅の絵では、雪を強調するために梅の花はあえて蕾の状態を描いてあります。
燕子花図は、尾形光琳へのリスペクトが感じられるもので、光琳よりもさらに装飾的に描いてあります。
次の展示室からは、動物画を中心に展示されています。櫻谷が影響を受けたであろう、円山四条派の絵師たちの作品も並べて展示することで、その違いや共通点を確認しながら鑑賞できます。動物画は、櫻谷の動物たちへの愛情が感じられます。写実的であるだけでなくて、その愛らしさやしぐさを際立たせるようにていねいに描き込んであります。
昨年の展覧会と同様に、写生帖も展示されていて、貴重です。前回は風景画でしたが、今回はすべて動物画です。写生を重視した姿勢が良く伝わってきます。