5.0
若冲好きならおすすめ◎
祝日の昼、そこまで人も多くなくじっくりゆっくり見ることができた。若冲が好きなら見応えあり。館内は静かでコンパクトなので、そこまで時間はかからない。
コロタイプのものもあったが、それでも実物と同じ大きさで見られて良かった。やはり本で見るのとは違う。
後期は応挙はかなり少ない点数なので、若冲が好きな人におすすめです。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 300 の美術館・博物館と 858 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
18世紀の京では、多くの絵師が各々の画技をふるいました。なかでも、伊藤若冲と円山応挙は現在も愛好者の多い、人気の絵師です。本展覧会では、相国寺と伊藤若冲の関係を軸に、相国寺と相国寺塔頭所蔵の作品を公開します。
また、Ⅰ期は円山応挙の傑作、重要文化財《七難七福図巻》全三巻と画稿、下絵を、Ⅱ期は伊藤若冲の傑作、重要文化財の《鹿苑寺大書院障壁画》五十面を一挙公開します。
Ⅰ期 応挙の代表作、重要文化財の《七難七福図巻》ができるまで
円山応挙の才能をはやくから見抜いて庇護していたのは、滋賀の円満院の祐常法親王(1723~73)でした。現在相国寺に所蔵されている重要文化財、七難七福図は、祐常の指示のもと、制作された傑作です。
『仁王経』いう経典に説かれた災いと福を描き出したものです。三年の歳月をかけて、36歳の応挙が完成させました。今回は、依頼者の祐常によって描かれた下絵、それを受けた応挙の画稿、そして完成した大作絵巻を第Ⅰ期に展示します。ぜひ、実際の作品からその制作意図をたどってください。
Ⅱ期 若冲の水墨の大作、重要文化財《鹿苑寺大書院障壁画》全五十面
若冲は若干44歳にして、鹿苑寺の大書院の障壁画全五十面の制作を一手に担いました。一の間から四の間、そして狭屋の間に至るまでの障壁画を若冲が制作しました。制作年は宝暦9年(1759)、若冲のもう一つの大作、動植綵絵の制作も行っていた時期です。寺院空間を彩る作品群を展示室でお楽しみください。
会期 |
2023年9月10日(日)~2024年2月25日(日)
|
---|---|
会場 | 相国寺承天閣美術館 Google Map |
住所 | 京都府京都市上京区今出川通烏丸東入 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
2023年11月13日(月)~11月18日(土) 年末年始 12月27日(水)~2024年1月5日(金) |
観覧料 | 一般 800円 65歳以上・大学生 600円 中高生 300円 小学生 200円 ※一般の方に限り、20名以上は団体割引各700円 |
TEL | 075-241-0423 |
URL | https://www.shokoku-ji.jp/museum/ |
5.0
祝日の昼、そこまで人も多くなくじっくりゆっくり見ることができた。若冲が好きなら見応えあり。館内は静かでコンパクトなので、そこまで時間はかからない。
コロタイプのものもあったが、それでも実物と同じ大きさで見られて良かった。やはり本で見るのとは違う。
後期は応挙はかなり少ない点数なので、若冲が好きな人におすすめです。
4.0
今回の京都の美術館巡りのメイン展示の一つ。
若冲だからこそ!と思っていたのだが、それ以上の興味を持たせてくれる展示だった。
このお寺を建てたのは、金閣(鹿苑寺)を建てた足利義満であり、
銀閣寺(慈照寺)も合わせて、こちらのお寺が本山。
そして若冲(1716ー1800)と専属の契約を結んでいた時期もあり、縁の地という歴史が
とても興味を惹く。
この展示の若冲の作品は、複製画が多いが(三の丸尚蔵館との繋がりも興味深い)
40代と初期でも、落ち着きのある植物の絵は、ただものではない感じが漂っている。
金閣の内装にも若冲が抜擢されてのもなるほどという感じ。
濃い赤・黄に見事に色づいた紅葉に迎えられながら
立派に管理されたお寺の中にある美術館での時間は至福の時。
京都を満喫するのに代表的な寺院なのではないか。
5.0
11月19日から第2期が始まりました。
第1期の応挙に代わって第2期は若冲の鹿苑寺障壁画50面。通期展示の動植綵絵30面と合わせて若冲の彩色画と水墨画の両方が堪能できる機会。早速行って参りました。
他の方々のレビューにもある通り、動植綵絵は複製ですが鑑賞する分には充分です。
何より釈迦三尊像と一緒に一気に30幅展示されていたことで、釈迦三尊像を左右
15幅ずつこうやって法要の時など飾られていたのだろうなあと追体験できてよかったです。絵画としての価値もあれど、若冲がお寺に寄進したという背景を考えると動植綵絵を部分的に見るのでなく30幅を釈迦三尊像とともに見せてもらう今回のような鑑賞が私的には心に訴えるものがありました。
また第2期の鹿苑寺障壁画50面は、動植綵絵と対照的な水墨画の黒白の世界。若冲お得意の筋目書きも堪能いたしました。
彩色画と水墨画、伊藤若冲の魅力を余すところなく魅せる展覧会でした。
(応挙もかわいい狗子図が出品されていて癒されました)
4.0
本物の動植綵絵は見たことないので、いつか見たいと思いますが、複製画でも十分見応えありました。
ただ、展示会場の問題でどうすることもできないので、贅沢な話ですが、「釈迦如来像」から全容が見えたらもっと良かったなと思いました。
全30幅を順に見て来たことで、気づいた表現方法の違いがありました。それは、「鶏冠」の表現です。
30幅中6幅ある、「鶏図」ですが、最後に「大鶏雌雄図」を見た瞬間、背景が描かれていないこともあって、驚きの表現のような突起の数の多さに驚き、今まで見た鶏冠はどうであったか、見直しました。「向日葵雄鶏図」「紫陽花双鶏図」「芙蓉双鶏図」「老松白鶏図」「棕櫚雄鶏図」は植物の緻密で繊細な表現によって、鶏冠の激しさが隠れていたことに気づきました。いや、良く見ると、はやり他と比べても一番激しい表現が「大鶏雌雄図」でこれは、背景がないことでより鶏冠に目に行くように仕掛けているように感じました。また、本物の鶏を詳しく観察したことがないので、雄の足に生えている突起は何だろうと思い、調べたら、「雄の足には横向きか後ろ向きに角質が変化した距(けづめ)が生えているが、雌にはこの距はない」ことが分かり、よりリアルが迫ってきました。
現在、皇居三の丸尚蔵館にて「皇室のみやび~受け継ぐ美」が開催されていていますが、ぜひ本物をじっくり見たいと改めて心に強い思いが募りました。
5.0
承天閣美術館がリニューアルした2007年、「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」を見に行ったんですよ。もともとセットだった33幅を見渡せる空間の贅沢さに、もう二度とない機会だろうと思っていました。
あれから16年、動植綵絵が複製とはいえ同じ構成の展示を見られるのは、僥倖の極みです!それなのに、それなのに、あまり人が入ってないんですよね…。この機会損失を後から悔やむ前に、若冲好きなら、いや好きじゃなくても原寸・全幅展示の迫力を感じに行ってくれい!
複製の品質がどんどん上がっていて、私には本物との見分けがつかないです。建仁寺でやっている「スミソニアン展」も高精細複製品の展示だし、大塚国際美術館はそもそも陶板の複製品だけだし、とにかく原寸で見られる機会は貴重ですよ。
それに、この後、石川県美で動植綵絵の本物を二幅見ましたが、まったく違いがわかりませんでした(笑)
第1会場で至福の時を過ごし、第2会場に向かうとそこには地獄絵図が待っていました。応挙の「七難七福図巻」は初めて知ったんですが、人災巻が惨すぎて、人の怖さをあらためて感じました。人災に比べると、天災が穏やかに感じるほどです。また、形状が絵巻というのも、怖さを増幅させている気がします。災いが次から次へと起こって、救いがない!これを使って説教されたら、一発で改心しそうです。
久しぶりに見た若冲作品も、初めて見た応挙作品も見応えたっぷりでした。至福!
三の丸尚蔵館がいよいよ新築開館しますね。楽しみです。
開館記念展が4期に分けて開催されますが、やはりどうしても若冲の《動植綵絵》が気になります。
展示予定は11月の第1期に8幅、来年5月からの第4期に4幅だそう。一挙30幅を期待してま…readmore
5.0
若冲の動植綵絵、圧巻でした。廃仏毀釈で窮乏した相国寺は、この33幅を明治天皇に献納し、その下賜金で窮状をしのいだとのことです。なので、原本は三の丸尚蔵館にあり、この展覧会でみられるのは、現在相国寺にある複製です。しかしこのコロタイプ複製という複製も素晴らしくて、作成した会社のHPを探して見てみたところ、とても丁寧に作られたこともわかり、古い作品を支える方々の熱意にも感動しました。6月17日に「観音懺法会」という会が開かれ、方丈に掲げられるとの事、お寺の中で、行事の中にある動植綵絵も見てみたいと思いました。第二期に公開される「鹿苑寺大書院障壁画》全五十面」も楽しみです。
4.0
京都に行くと、相国寺承天閣美術館によく行きます。いかにも京都らしいコレクションというか、部屋ごと持ってきたような若冲の重文指定の障壁画が2点常設で拝見できるのが最大のポイントで、できる限り、見ておきたいという気になる。
今回は「若冲と応挙」というタイトルで、確か若冲と応挙は同じ時代に京都で活躍したのだけど、なぜか関係はなかったと聞いていたが、実は何か新発見でもあったかな、とか妄想しながら見に行きました。まあ、それは妄想でした。「相国寺と伊藤若冲の関係を軸に、相国寺と相国寺塔頭所蔵の作品を公開いたします」とのこと。でもまあ、見所は2つあって、まず若冲の釈迦三尊像と複製の動植綵絵が展示されています。複製ですがコロタイプ複製というもので、鮮やかです。
もう一つは応挙作の重文指定「七難七福図巻」。この作品、応挙が3年かけて36歳のときに完成したとのこと。全部で3巻。一種の地獄・極楽図なんですが、よりリアルに見えるように、地獄・極楽を描くのではなく、現実世界での災害や犯罪、幸福さを描いてます。水害であらゆるモノが流されるところとか、強盗に襲われて殺される人々なんかが、応挙のリアルな筆致で描かれてます。
ちなみに、展示替えがあって、後半は若冲の「鹿苑寺大書院障壁画五十面 一挙公開」とのこと。これも見てみたい。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
京都府で開催中の展覧会