5.0
はだかにエプロン?
「模造」って表現で、ずいぶん損してる気がします。
展覧会は映像解説があって良かったです。
上皇皇后両陛下が、皇居で貴重な染料「日本茜」を育てていらっしゃる映像で始まります。
特に、美智子さまが、蚕「小石丸 」を愛おしそうにご覧になるお姿に、大切さが伝わってきました。
「小石丸」の絹の展示もあって、繊細で真っ白なのがわかります。
模造の螺鈿紫檀五弦琵琶は2019年に東博の御即位記念特別展「正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー」でも展示されていました。
ただ、原品と一緒ではじっくり見なかったのですが、今回はかなり興味を持って見せて頂きました。
これも映像があって、
紫檀を彫る人
螺鈿装飾の貝を彫る人
玳瑁や玉に色をつける人
弦を張る人など
何人出てくるの?って思いました。
これ、九州国立博物館(2021.4.20~6.13)で企画された時の、ホームページで製作者のインタビューが見られます。
YouTube
https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s60.html
制作時の思いや、専門家ならではの奈良時代の制作方法の考察も興味深いです。
あと、古文書の再現方法の映像解説が不思議でした。
コロタイプ印刷で再現されるのですが、なぜか男性が上半身、裸にエプロン姿で作業しています。
理由を見ないまま帰ってきてしまい、検索してもわからない。今も謎で後悔しています。
「再現模造」は、X線の利用など分析技術は進歩しましたが、玳瑁、象牙などの材料調達や職人の確保など大変です。
「模造」も作れない日がくるのではと心配になります。