3.0
暮らしへのシュルレアリスムの影響力
シュルレアリスム芸術は、私たちの日常に潜む奇妙で怪奇的なものへの道筋を開拓してくれる稀有な表現潮流だ。単に「シュール」なものとしておもしろがるのもよいが、実のところ凝り固まった「常識」や「規範」の堅苦しさから解放してくれる治癒的な芸術でもある。こうありたいという自分、まだ気づいていないだけの欲求を顕在化させると、シュルレアリスム的な造形が生まれてくるのだと思う。そうしたシュルレアリスムがファッションやインテリアなどの機能と快適を目指す日常的造形に影響を与えたのは不思議なことではない。「生きる」ことはただ「生活する」というだけのことではないのだから。本展が着目する美術以外の分野でのシュルレアリスムの影響力を見ていると、ますますそのように感じられる。 国内の所蔵品を選りすぐったシュルレアリスム展ゆえ小ぶりな感じは否めないのだが、シュルレアリスムの「拡大」に焦点を当てて展示することで”美術”展としての不足感は軽減されていた。しかしながら、やはりもう少しボリュームは欲しかった。くわえてダリ作品の不掲載が多い図録は非常に残念で、せめて図録くらいは資料性を高めてほしかった。… Read More










