5.0
春画展を楽しみ尽くす
「細見で春画展を開催」の一報を聞いてから、本当に楽しみにしていました。今年一番期待していた展覧会といっても過言ではないですね。
春画の面白さは、絵面がワイセツこの上ないのにムダに技巧を凝らして豪華に作っているところ。そして、絵解きをするまでもなく、わかりやすい!
今年は春画を見る機会が多くあって、当たり年だと思っています。アートフェア東京の角匠のブース、アートフェアArt Kudanの浦上蒼穹堂のブース、大倉集古館の「浮世絵の別嬪さん」など、展示数は多くないけど良品・珍品を楽しみました。で、満を持しての「美しい春画」展です。
本展を楽しむには、迷わず友の会への入会をオススメします(4,000円、1年間有効)。
なぜなら、今回はフロアごとに再入場が不可だから。別のフロアに進んでから前のフロアにあった作品を見たいと思っても戻れない。でも、会員なら何回入館しても大丈夫。今回も日帰り遠征だったので、入会して本展を見て、京セラと近代美術館を回ってから再訪しました。「この人、また来た?」と思われても、全然平気です(笑)
1日で会費の元は取ったし、後期もまた来るし、来年の遠征計画もすでにあるし、もうタダみたいなものです。
差し障りがあるので作品の細かい内容は語りませんが、期待以上の内容でした。
肉筆画が多いのでとにかく色が綺麗だし、大っぴらに見るものでもないので保存状態も良好。「真似ゑもん」も「三源氏」もあったし、特にうれしかったのは鳥文斎栄之の作品を多く見られたのと、「袖の巻」と「階下の秘戯」の実物を見られたこと!
今年1月にあった鳥文斎栄之の大規模回顧展でも春画については触れられてなかったし、「袖の巻」はサイズ感が気になっていたので実物を見て納得しました。「袖の巻」は男女ともに笑顔が可愛らしい大好きな作品です。「階下の秘戯」は大倉集古館のセミナーで「深川の雪」との関係性を聞いていたので、それを思い出しながら鑑賞しました。
目玉の北斎の作品は最後のフロアを丸ごと使って展示していました。版画の「富久寿楚宇」とそれに彩色した「浪千鳥」の同じ場面が並べられていて、見比べがしやすかったです。「肉筆浪千鳥」を含めて、版画と肉筆のそれぞれの良さを味わうことができました。
図録には多くの展示作品の全場面が掲載されているので、図版は小さいもののストーリー展開を追うのに役… Read More