4.0
小規模ながらも名品揃い
120年ぶりの「巳づくし」特集とのことで、蛇にフィーチャーした展示はありそうでないユニークなものでした。
他の方のレビューにもあるように展示数としてはやや物足りなさも感じましたが、土器、絵巻、能装束など幅広いジャンルにおける蛇の扱われ方を一堂に鑑賞することができました。
中でも「篆隷文体(重文)」の蛇書は独自性が高くおもしろかったです。篆隷文体はその後の時代の雑体書に広く影響を及ぼしたと考えられており、唯一現存する貴重な写本を間近でみることができました。
また、根付5点はすべて鱗の表現が異なるなど技法の幅が広く、興味深かったです。江戸時代の「三竦み木彫根付」が何とも言えずかわいらしかったです。
子ども向けのワークシートは展示作品から指定の蛇を探すもので、年齢が低くても関心が持てるように工夫がなされていました。
小規模ながらも名品揃いであり、京博ならではの展示でした。