畳アートって?【鶴のコラボ展】@東福寺塔頭 光明院
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- by morinousagisan
昭和の作庭家・重森三玲さんのお庭は、訪れたいと思っており、未だ伺っていない東福寺塔頭光明院へはいつか行かないとなぁ・・・と思っておりました。ちょうどそんな折、Twitterで教えて頂きました。光明院で「畳アート」なるものをやっているらしいと。写真を見てちょっと驚きどうなってるん?となりました。
【鶴のコラボ展】山田憲司・丹地保堯 畳 VS 写真画
7月末迄の開催で、祇園祭と大阪の天神祭りは避けて、会期末となってしまいました。
京阪の東福寺駅からではなく、鳥羽街道駅が最寄駅です。5分ほどですが、炎天下での最後の上りはきつかったです。
山門をくぐって、前庭である雲嶺庭の突き当りにある「摩利支尊天」にご挨拶して玄関を入る。受付もなく「志納 300円程度」を竹筒の中に入れて、置かれているチラシも自分で取って先に進む。
開けられた障子の先には三玲さんの庭「波心庭」が見えている。畳が何やら光っていて、近づいてビックリです。こんなことになっているのかと。
畳アートの作家さんは、山田憲司さん
チラシの紹介欄によれば
「岐阜県羽島市で150年以上続く老舗畳店『山田一畳店』の五代目として生まれる。大学では建築を学び、卒業後は建築会社に就職。2017年から趣味として変形した畳の制作を始めたことをきっかけに、畳職人として畳の制作を開始。自由曲線の畳の製造を独学で開発し、2019年には市から優れた技術を有する職人として「マイスター」に認定される。デザイン性の高い『すごい畳』と称して全国に展開中。」
【特に注目すべき点】
- 畳の色そのものを変化させるのではなく、畳の織り目の角度を変化させることで
- 光の反射の違いで畳の色を変化させている。
本当に立つ場所によって全く違って見えてくるから不思議です。
《鶴休飲水図》についてのチラシの解説をそのまま引用
「このプロジェクトは2021年私が思いついた案で、壁の無い解放された空間の床にデザインを付加することで、室内空間と室外空間の境界が、曖昧になるのではないかという仮説から作られたプロジェクトです。
今回、東福寺光明院で展示をさせて頂くにあたり、庭園にある枯山水を湧水に見立てて、そこに水を飲みに来た鶴を畳のデザインにしました。鶴は光明院の寺紋でもあります。外部空間の庭園と内部空間の床に、共通のストーリーを作ることで普段は分断されている空間を繋ぎ合わせた作品となっています。
畳は全て同じイグサで作っていますが、イグサの織り目の角度をずらすことで光の反射で色の変化をさせています。・・・一歩一歩、歩くたびにイグサの色が変化していきます・・・」
縁側から見ると・・・
同じ作品でも見る時間帯、お天気、季節によって色が違って見え、作品から印象も違ってくるということです。
縁側にそって茶亭「蘿月庵」(らげつあん)にのぼる。
光明院のHPの解説によれば
禅語「無雲生嶺上 有月落波心」(雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有リ)を由来とする蘿月庵は、 昭和三十ニ年の建築。窓、壁、障子に月のモチーフを抱き、波心の庭から眺めることで東の空に昇る月を愉しむ仕掛けになっている。
すこーし上に上がるだけで涼やかな風があり、蘿月庵の横を水が流れ落ち、その音にも癒されました。
こちらはなんと「龍」、もちろん部屋の四隅で龍は違って見えました
仏間でおまいりをすませて、仏間から「波心庭」を眺め、縁に出て涼みました。
当日の京都は物凄い酷暑で、作品に夢中になっているとちょっと危なかったです。
他にも紹介したい作品やお庭の風景もありますが、画像の枚数にも制限があり
最後は、《耀変地目》
2つの円板は回転していて、光の反射で色が変化する様子を伝えていました。
知ってる方は知ってはるんですね。酷暑の中次々と拝観者は訪れられ、私が視聴していないだけで、関西の朝昼夕の情報番組でも紹介されたのかもしれません。
【鶴のコラボ展】山田憲司・丹地保堯 畳 VS 写真画 は、7月30日日没ごろまで
初めて目にする畳アートに吃驚で、三玲さんのお庭そっちのけ状態になってしまいました。
苔の緑が美しい湿潤な時期に再訪したいと思います。
哲学の道沿いにある法然院さんでも若い作家さんの展示を観たことがあります。インバウンドで哲学の道へも足が遠のくばかりで、今はどうなさっているのか。
こんな風に京都の寺院とのコラボ展示も素敵な企画ですね。
光明院さん、今後は要チェックしたいと思っています。
★畳職人にして畳アーティストとお呼びして良いのか?上記にもリンクを貼っておきましたが
『山田一畳店』のHPからSNSなどへも飛ぶ事が出来ます。youtubeで制作風景も紹介されています。
詳しくは⇒コチラから
★東福寺塔頭 光明院 HP ⇒ コチラから