4.0
2回目の訪問
下村観山の「老松白藤」がとても心に残りました。はじめて知り見たということもありますが、屏風からせまる迫力がある「老松」、それに対照的な小さな「熊蜂」の存在も吉祥を表わすコントラストとして際立っていました。本作品で一番気になったのは、老松に生える苔の色です。今まで見て来た松の苔と言えば、葉の色と同じ、緑でした。それが下村観山の「老松白藤」の苔は青色で鮮やかな色どりを添えていました。改めて、私自身が「青」という色に心を惹かれる「好きな色」であることを認識しました。
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古くから、人々は幸せな生活を願ってきました。誕生・婚礼などの慶事や節句、あるいは日常の営みの中で飾られる図様として、日本美術にはさまざまな吉祥の造形が表現されています。不安定な世界情勢が続いている昨今だからこそ、山種美術館では皆さまの幸せを願い、HAPPY感が満載の展覧会を開催します。
本展では、長寿や子宝、富や繁栄など、人々の願いが込められた美術に焦点をあて、おなじみの松竹梅や七福神をはじめ、現代の私たちにとってもラッキーモティーフといえる作品を紹介します。また、ユーモラスな表現、幸福感のある情景など、見る者を楽しく幸せな気持ちにする力を持った作品も展示します。
伊藤若冲《鶴図》(個人蔵)には、長寿を象徴する鶴が躍動感あふれる描写によって水墨で表されています。また、川端龍子は子孫繁栄を象徴する画題で、子どもたちが象と戯れる平和な情景を《百子図》(大田区立龍子記念館)に描きました。さらに、猪を抱えてうれしそうな表情の《埴輪(猪を抱える猟師)》(個人蔵)は、見る者を楽しい気持ちにさせてくれます。2025年の干支にちなみ、蛇を描いた作品も紹介します。
古墳時代から近代・現代まで、幅広いテーマのHAPPYな日本美術を通して、年末年始に心温まるひとときをお過ごしください。
会期 | 2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振) |
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会場 |
山種美術館
![]() |
住所 | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
時間 |
10:00~17:00
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休館日 |
月曜日、1月14日(火) 12月29日(日)~1月2日(木)は年末年始休館 ※1月13日(月・祝)、2月24日(月・振)は開館 |
観覧料 | 一般 1,400円(1,200円) 中学生以下 無料 ※付添者の同伴が必要です
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.yamatane-museum.jp/ |
4.0
下村観山の「老松白藤」がとても心に残りました。はじめて知り見たということもありますが、屏風からせまる迫力がある「老松」、それに対照的な小さな「熊蜂」の存在も吉祥を表わすコントラストとして際立っていました。本作品で一番気になったのは、老松に生える苔の色です。今まで見て来た松の苔と言えば、葉の色と同じ、緑でした。それが下村観山の「老松白藤」の苔は青色で鮮やかな色どりを添えていました。改めて、私自身が「青」という色に心を惹かれる「好きな色」であることを認識しました。
4.0
久しぶりの山種美術館でした。
皆さんの投稿にもありますが、川端龍子の百子図がかわいいです。戦後の象の話なので、今年は戦後80年の節目だな、とか、今も世界で続いている戦争について考えたりもしました。
あとは、伊藤若冲が好きなのでいろいろ出ていて嬉しかったです。
5.0
心惹かれるタイトルで、ぜひとも福を呼び込みたい!と楽しみにしておりました。
今回、初めての山種美術館でしたが、展示規模は大きくないながら、大型の作品もあり見応えがありました。
気に入った作品をじっくり観て回ることができるほどよい広さで、とても居心地のよい空間でした。
鶴にせよ、富士山にせよ、異なる作者による同モチーフの作品を見比べられるのは面白く、とても贅沢な気分を味わえます。
連日の寒さにより春の訪れを待ち遠しく思っていた気持ちが、松竹梅の梅の花に癒され、川端龍子の『百子図』の子供たちの様子に元気をもらいました。
展示室内で唯一撮影OKな、猪を抱く猟師の埴輪 展示ケース前は、会場内のみなさんそれぞれ、声量を抑えつつも盛り上がりを感じました。
ユーモラスな猟師の表情も目を惹きますが、なにより小脇に抱えられた猪がかわいい!
フライヤーにも掲載されている伊藤若冲の『鶏図』、楽しみにしていた作品をすみずみまで堪能できたので大満足です。
5.0
速攻図録買いました!
年パス買います。
最初に行った時は「これだけ?なんか小さい美術館だな…」という感想だったので、いかに若く青かったかという苦い思い出です。
今はもう、量も丁度よく、見た絵は全部頭に残せる感じで、痒い所に手が届いてるような、本当に気持ち良く楽しめる美術館で、感謝しかないです。
何回も見たことあるやついっぱいでしたけど、それでもいい!めでたし!
アートシーンで出てましたけど、観山の屏風も、あの蜂がかわいい!!あれいいよね!と、連れとえらい盛り上がりました。もちろん外でね!
あと「鶴尽くしのところ、どれが良かった??」となり、連れは「鶴3匹のやつ!」ということで川端龍子推し、私は木の上に鶴二匹の川合玉堂推し♡
龍子はそういえば今年記念の年だったような…注目するのも頷けるなぁ。
1番持っていかれたのは土牛の蛇ですね〜。来年は出ないだろうし、いや〜いいねぇ!若い頃は「なんじゃこりゃあ〜!」と思ったようなゆるいのが、今は本当に好きでねぇ♡
他にもゆるいの所々で上手く挟んでくれて◎でした!
(一応土牛の名誉の為に言っておきますと、友人の話だと、スケッチや取材等バッチリなお方でルソーみたいな天然ではないようで、狙ってゆるい、ということらしいです。)
毎年鉄板みたいでいて、実は技あり!
天晴です!
別件で、去年売り切れで逃した、カフェの練切で「おめでたい(赤い鯛の形)」というのがあったんですけど、今年の俵でしたっけ?より鯛に未練があって、まさに去年の練切の鯛にそっくりなのがあって、感動の涙を流しながら堪能致しました(笑)
これで展示作品の絵葉書をもうちょっと揃えてくれたら、言う事無し…
是非宜しくお願い致します!
4.0
新春ということで、HAPPYをテーマに、松竹梅、富士山、七福神などをモチーフとする作品が並ぶ。
作品はおなじみの山種のコレクションが中心だが、個人蔵の伊藤若冲もののほか、安田靫彦の《虎渓三笑・文王呂尚屏風》、さらには《埴輪 猪を抱える猟師》(なんだこの笑う埴輪は!)や《迦陵頻伽像》といった山種では見たことのない立体物(?)まである。
あまり難しいことを考えず、鑑賞するというよりも、心穏やかに楽しむ、そんな新春の幕開けにふさわしい美術展でした。
5.0
20250104
チラシにもなってる川端龍子の百子図は、創造していたより大きく、でもいつもの龍子よりは小さめで可愛い。
もうこれだけで、見に来たかいがあるってところです。
他の展示もそれぞれ楽しく、新年にふさわしいく幸せにしてくれました。
4.0
山種美術館ではほぼ毎年、この時期に吉祥モチーフや干支にちなんだ作品の展覧会を実施していますが、似た趣向の展示でも行く度に館蔵の代表作プラス新しい作品が展示され、楽しませてくれます。小品ながら個人蔵の魅力的な江戸絵画群。今回の目玉は数々の古美術の優品を所蔵するロンドンギャラリー白金の仏像、埴輪、狩野派の大屏風「虎渓三笑・文王呂尚図」が展示されていて、必見です!
3.0
混雑状況:平日の昼間にしては意外にいるので、新年はもっと混むと思います。
写真撮影:1点のみOK
今回は川端龍子が龍子らしい楽しいものや、力強いものなどが印象的でした。
横山大観、河合玉堂、伊藤若冲等、同じテーマを鶴、鯉、富士等がまとまって並んでいます。
おめでたいですが、並べただけ感もあり、もう少し工夫があってもいいのになぁと思ったり、所蔵の多さにすごいなと思ったり。
レア作品を観たい方は見逃さないようにした方がいいと思います。
特筆すべきは、ショップです。山種の雑貨類は本当にセンスがいい!!
丸型はがきもシールもクリアファイルの色バランスも抜群に可愛いので、購入!
山種グッツは色々なところで褒められたりして、嬉しい。作品だけではなく、ショップも必ずチェックするのがお勧めです。
4.0
手持ちのチケットの有効期限が年内だったので、新春を待たずに吉祥ものを見に行ってきました。小さめの美術館では「この人がこんな絵を描いていたの?」という作品に出会うことが多いので、掘り出し物を探しに行くような感覚で楽しいです。
柴田是真の「子日図」は現実と思い出が同時に描かれた面白い構図。男性の長いまつ毛に気を取られ、最初は思い出部分を見落としてました。キャプション読んで二度見して、ようやく認識。見えてるはずなのに見ていないことを痛感。
川端龍子の「百子図」は絵本の表紙のような愛らしさ。象の耳の輪郭線が滲んで、後ろにいる子がヒゲ面みたいになっているのもご愛敬。
岸連山の「花鳥図」は孔雀の顔がふっくら美形に描かれている。
下村観山の「寿老」はレースのカーテンのような髭と、角がなければボルゾイにしか見えない鹿という表現が独特すぎる。観山が描く涙袋が好きな私としては、これも掘り出し物でした。
埴輪も迦陵頻伽も笑っていて、つられて笑ってしまいました。
3.0
松竹梅とか富士山とか鶴とか七福神など縁起物を画題とした作品を楽しむ企画展です。
下村観山の金屏風、個人蔵若冲(蛸図が良いなぁ)、川端龍子が良いです。
龍子はデカくて結構バカっぽい作品も少なくないのだけど山種の龍子作品はなかなか良いです。
鯉図なんかを見ると円山四条派みたいな写実的な絵もちゃんと描けるんですよね。
龍子記念館の百子図がいろいろグッズになっていました。他館のをやるのが山種スタイル。
あと写真撮影可能なハニワがとてもカワイイ。あの口元の表情はとてもイイ。
横山大観、川合玉堂、竹内栖鳳など出ていますがありきたりな日本画が多いのでちょっとイマイチかな。
館蔵品があまりパッとしないのでよその作品でカバーしている感がありました。
来年は浮世絵と江戸絵画の名品展を楽しみにしています。
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横山大観《心神》1952(昭和27)年 絹本・墨画淡彩 山種美術館
《埴輪(猪を抱える猟師)》5-7世紀(古墳時代) 個人蔵
《迦陵頻伽像》15世紀(室町時代) 木造・彩色 個人蔵
《虎渓三笑図屛風》17世紀(江戸時代) 紙本金地・彩色 個人蔵
狩野常信《七福神図》(部分) 17-18世紀(江戸時代) 絹本・彩色 山種美術館 [会期中巻替]
伊藤若冲《伏見人形図》1799(寛政11)年 紙本・彩色 山種美術館
伊藤若冲《鶴図》18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵
伊藤若冲《鶏図》18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵
柴田是真《墨林筆哥》1877-88(明治10-21)年 紙本・漆絵 山種美術館