4.0
山口蓬春。
ギリギリに滑り込み、かつ初めて見た山口蓬春の「卓上」を見て全部持っていかれました。
すみません、もう本当にファンなんです。お許しを・・・。
が、この絵が一番日本人が描いたように見えない、日本人の気配が感じられない絵で、そういう意味では「日本画に挑んだ」という企画意図にばっちり。
小さい絵なので目立たなかったかもしれませんが・・・。
オリエンタルなお皿と洋梨3つが机の上にある絵なのですが、梨には黒い陰影がついていて「ジョルジュ・ブラックの影響があり」とのこと、白と緑と薄紫の色構成や平面性にマティスっぽさも感じましたし、一瞬シルクスクリーンかと思った位で・・・かっこええ・・・。
と、文章書いた後で、このHPの下に画像あるのに気付きました。
「蓬春モダニズム」の幕開け頃の作品かなと思います。見られて嬉しかったです。
速水御舟の「白芙蓉」だけ写真撮影OKで喜んで撮らせて頂きました。やっぱり遠目で見ても御舟だってわかりますね・・・本当にこの人はどれ観ても、何回観てもすごいですね。
今回も充実でしたが、特にトップバッターの松尾敏男「翔」に圧倒されました。
下層部に真っ白の骨のような葉のない木が、森を上から俯瞰して見たように沢山描かれ、上部には大きな猛禽類が4羽描かれていて、鳥たちには生気がありません。目にも力がない。
散っていった特攻隊を連想させました。解説にもそんなことが書いてあったかと。
国立近美の「樹海」と同時時期の作品との事で、是非そちらも見たいと思いました。
うーん、山種美「いいね!」な企画連発だなぁ!