4.0
良かったです。
古径の色使いが大好きで、楽しみに鑑賞。もう一回り…と思ってしみじみ鑑賞したのは意外にも、速水御舟の方でした。
平日にもかかわらず、館内は大変賑わっていました。
ミュージアムショップの奥に、とっておきの名画があるのに、位置的にはスルーして見逃してしまいそう…。
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近代日本画の歴史に大きな足跡を残した小林古径(1883-1957)と速水御舟(1894-1935)。二人には11歳の年齢の差がありますが、彼らの画業をたどると多くの共通点が見出せます。
古径と御舟はともに歴史画・人物画から画業をスタートさせました。1914(大正3)年に再興された院展で活躍した二人は、大正時代半ば以降、細密描写による徹底した写実へと同時期に作風を変化させています。また、実業家・原三渓から支援を受けたことも共通しています。さらに、それぞれの渡欧体験を経て、古径は東洋画の「線の美」に目覚めて独自の画風を確立し、御舟は人物表現や水墨を基調とした花鳥画へと新境地を拓いたのです。
古径と御舟は互いに尊敬し合い、切磋琢磨した仲でもありました。御舟は先輩画家である古径を「自分の信じた道を真直(まっすぐ)に歩んでいく」と称賛しています。一方の古径も年下の御舟に対して「あれほど芸術に熱烈だった友のことを想うと尊敬の念にかられる」と述べており、互いに敬意を持って交流したことがわかります。
古径の生誕140年を記念する本展では、古径の代表作である《極楽井》(東京国立近代美術館)、《出湯》(東京国立博物館)、《清姫》、御舟芸術の粋ともいうべき《炎舞》【重要文化財】、《翠苔緑芝》をはじめ、初期から晩年までの名品の数々を展示し、二人の交流を示す作品や言葉もあわせて紹介します。互いに刺激を受け合いながら、時代の先駆けとなって活躍し、同時代や後世の画家たちに大きな影響を与えた、特筆すべき二人の天才画家の軌跡をご堪能ください。
※文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵です。
会期 | 2023年5月20日(土)~2023年7月17日(月・祝) |
---|---|
会場 |
山種美術館
![]() |
住所 | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 ※但し、7月17日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 1,400円 大学生・高校生 1,100円 中学生以下 無料 (付添者の同伴が必要です)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.yamatane-museum.jp/ |
4.0
古径の色使いが大好きで、楽しみに鑑賞。もう一回り…と思ってしみじみ鑑賞したのは意外にも、速水御舟の方でした。
平日にもかかわらず、館内は大変賑わっていました。
ミュージアムショップの奥に、とっておきの名画があるのに、位置的にはスルーして見逃してしまいそう…。
4.0
「線」の古径と「色」の御舟。「画壇を揺るがした二人の天才」というけれど、二人の努力を知れば「天才」などという言葉で評してしまうのは申し訳ないと、思います。その足跡には共通点も多く、年齢こそ離れているものの、互いに尊敬し合い、切磋琢磨した仲だったといいます。とかく早世した画家は高評価されます。特にセンセーショナルな色使いで人々を驚かせた御舟。でも御舟亡き後古径が、二人で挑み、彼がつきつめた日本画を、きちんと形にし、天国で友に見せたい作品を沢山、しっかり描き切ったと思います。その古径の「生誕140年記念」でもあるのが、今回の展覧会ということで、2人の魅力を存分に味わうことが出来た展覧会でした。
山種さんは日本画専門美術館として、名高い日本画家数多の巨匠たちの作品を収集紹介しておられ、中でも旧安宅コレクション速水御舟作品を全購入されたことから、御舟にかなり思い入れがあるのでは、と思っています。ここ10年ほどの展覧会だけをみても、2013年再興院展100年記念 速水御舟―日本美術院の精鋭たち、2016年【開館50周年記念特別展】 速水御舟の全貌―日本画の破壊と創造、2018年【企画展】 日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たち―大観・春草・古径・御舟、2019年【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】生誕125年記念 速水御舟、2021年【開館55周年記念特別展】 速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演、と2023年に本展。と、御舟の名が冠された展覧会はとても多いと思います。もちろん全部観ています。それに比し、小林古径の作品は勿論多く所蔵されてはいるのでしょうが、この間、上記2018年【企画展】の4人の大家の中に古径の名があるのと、2013年【特別展】小林古径生誕130年記念 古径と土牛、があるのみでした。
個人的には古径の作品では、今回第二展示室で凛とした佇まいで迎えてくれた「猫」、猫らしくないとの声もあるようですが、美しい毛の細線もさることながら、見つめ返されたこちらも背筋を伸ばさずにはいられない、気品に満ちたその存在感が私は好きです。他に「出湯」、「闘草」「芥子」、あと永青文庫さん所蔵の「孔雀(今回展示はありません)」も好きです。緻密な写生の積み重ねと緊張感に満ちた極細の筆遣いの妙が、透明感のある色彩、日本画っていいなと心から思える作品たちです。それから展示の最後、暗い第二展… Read More
5.0
挑み続ける御舟と丁寧にそぎ落としていく古径、そんな印象だった。
情熱的に描く御舟と丹念に素材を美しい線へと昇華していく古径、
二人だけの作品で埋め尽くされた展覧会は至福だった。
特に古径をこれほどまとめて観られる機会は少ないでしょう。
近美の《極楽井》も、《清姫》もすばらしかったし、
小品の作品もすべて良品だった。
もちろん、御舟の作品もすばらしく、《炎舞》《翠苔緑芝》は何度見ても絶品。
当たり前だけど、ハズレの無い作品群はとても気持ちが良かった。
6月1日(木)12時半入館。混雑無し。古径《弥勒》のみスマホ・携帯での撮影可。
5.0
推し美術館といってもいいぐらい、毎回来ている山種美術館。
今回の展覧会も充実してました。
特に『炎舞』は、暗い第二展示室に暗い壁をバックに展示されていたのでより際立っていました。
『翠苔緑芝』の黒猫と古径の『猫』も可愛かったです。古径の猫はキリッとしてて、解説の通り異国の猫という感じがして、竹内栖鳳の猫と違ってまた愛らしいですね。
お得な年間パスポートも購入したので、次は道明寺を勉強してからもう一度『清姫』を観に行きたいと思います。
4.0
小林古径[清姫]の怪しくも哀しい物語の連作、速水御舟[翠苔緑芝]の斬新な構図の本人自信作の屏風絵は、所謂、古典としての日本画の枠をはみだし、現代にも通じるポップかつ緻密で計算高いアートであると素人目にも感じた。小林古径[猫]と速水御舟[炎舞]は、西洋の影響を受けつつもアジアの視点が見受けられ、挑戦的かつ完成度の非常に高い作品だと思う。二人の巨匠の作品を同時に見ることができて本当に良かった。
5.0
館蔵小林古径作品全展示、10年ぶりに公開される作品に東博、東京国立近代美術館の代表作品、個人蔵作品も前後期で多数展示されております。速水御舟の代表作品も惜しみなく展示され、2人の画業における同系統の作品が比較展示され、2人の交友関係、日本画論もキャプション、パネルで詳細に紹介、おすすめ展覧会、後期も楽しみです。
4.0
小林古径と速水御舟、良かったです!
御舟美術館とは知っていましたが小林古径もイイものお持ちなんですね。
大阪の日本画(後期展示)を見てからだったので美しい線描のシンプルさ加減が新鮮でした。
御舟のデスマスクが良かったです。
山種のマスターピース、御舟の炎舞は第2展示室に展示されています。
山種で炎舞を見ると東近美の重文展に炎舞が出品されなかった理由が分かります。
炎舞は山種で見るべき。
あと現在東博では御舟の将来の重文候補《京の舞妓》が展示されています。
《翠苔緑芝》もイイですし御舟は今後重文作品が更に増えそうです。
山種では初?と思われる年間パスポートも購入。
サントリー → 根津 → 山種 → 写美のルートが出来て嬉しい。
気軽に気楽に何度も楽しめるのがイイんだよなぁ。
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小林古径《蓮》1932(昭和7)年 絹本・彩色
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速水御舟《炎舞》【重要文化財】1925(大正14)年 絹本・彩色
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小林古径《闘草》1907(明治40)年 絹本・彩色
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小林古径《極楽井》1912(大正元)年 絹本・彩色
東京国立近代美術館[前期展示 5/20-6/18]
速水御舟《錦木》1913(大正2)年 絹本・彩色
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小林古径《出湯》1921(大正10)年 絹本・彩色
東京国立博物館 [6/27-7/17展示]
Image:TNM Image Archives
小林古径《静物》1922(大正11)年 カンヴァス・油彩
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速水御舟《山科秋》1917(大正6)年 絹本・彩色
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速水御舟《桃花》1923(大正12)年 紙本金地・彩色
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