4.0
刈谷市美術館にて
刈谷市美術館にて。
この展覧会楽しみにしてました。耽美で、妖しくて、どこか可愛らしい感じもあるあの世界が、好きです。全仕事を振り返るような内容だったので、学生時代時代のものから、舞台美術まで色々見れて良かったです。
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日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍し続ける宇野亞喜良(うのあきら 1934-)。1960年代の日本において、「イラストレーション」「イラストレーター」という言葉を広め、時代を牽引してきたレジェンドでありながら、常に進化し続けています。
その創作は、イラストレーション、ポスター、絵本、書籍、アニメーション映画、絵画、舞台美術など多岐におよび、1950年代初めのデビュー以来、活動の範囲は限りなく広がっています。
本展は、宇野亞喜良の初期から最新作までの全仕事を網羅する、過去最大規模の展覧会です。1950年代の企業広告をはじめ、1960年代のアングラ演劇ポスターや絵本・児童書、近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、多彩で貴重な原画や資料等を紹介します。「魅惑のサウスポー」から生み出される、時代を超越した宇野亞喜良の華麗で耽美な創作世界に迫ります。
【FEATURE|内覧会レポート】
深淵まで。痛々しいほどの美と気品。神秘に誘う宇野亞喜良の超越的イラストレーション
会期 | 2024年4月11日(木)~2024年6月16日(日) |
---|---|
会場 | 東京オペラシティ アートギャラリー Google Map |
住所 | 東京都新宿区西新宿3-20-2 |
時間 |
11:00~19:00
(最終入場時間 18:30)
|
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,400円(1,200円) 大・高生 800円(600円) 中学生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.operacity.jp/ag/ |
4.0
刈谷市美術館にて。
この展覧会楽しみにしてました。耽美で、妖しくて、どこか可愛らしい感じもあるあの世界が、好きです。全仕事を振り返るような内容だったので、学生時代時代のものから、舞台美術まで色々見れて良かったです。
5.0
イラストレーションにとどまらず、絵本やアニメーション、舞台美術まで幅広く創作を展開している宇野亞喜良。本展はそうした多様かつ膨大な仕事を整理して提示するとともに、宇野特有の表現性を探ることができる展覧会だった。
宇野亞喜良の絵にはたしかに独特のエロティックさはある。見ようによっては露骨に性的ですらある宇野亞喜良の描く女性身体。しかし彼のイラストレーションにはまた、そうした性的な視線をすり抜けていく流動性が備わっている。
宇野の表現がおもしろいのは、目に見えるエロスをいかにずらしていくか、隠していくかというところにある気がする。その発想力が画面に滲み出たエロティシズムに独特な地平を切り開いている。パブリックな目に晒されることが前提となるようなデザインを数多く手がけてきた宇野亞喜良にとっては、ある意味ではそうした規制的・抑制的な側面こそが、独特の幻想世界を創作するための潤滑油だったのかもしれない。
宇野亞喜良の耽美的で風変りな世界観には、エロスとファンタジーが通底している。隠喩として解釈することも、不思議で華やかな空想として楽しむこともできる宇野の世界観は、それゆえ老若男女問わず世代を超えて、人々を惹きつけるものがあるのだろう。
嬉しいことに本展はほぼすべて撮影可能だったが、余すところなくというのも難しく、分厚い図録も、掲載されている作品はおそらく半分以下なのが惜しい(作品リストが配布終了していたので照合できず)。それだけ大充実の作品群だったので、巡回先と予定が合えばまたじっくり鑑賞したい。
5.0
この展覧会は「愉しい」というより「楽しい」です。
個人的には、何十年前の若かりし80~90年代にある種の空間でごく普通に目にしていた宇野氏作品の記憶がセンチメンタルに蘇ります。不思議なことに、個人的な懐かしき思いの旧い感と、作品を見ての今どき感が相混じります。
まず素晴らしいのは展示作品の量。更には展示の妙。
企業広告、雑誌新聞、書籍。。。と媒体・スタイル毎のストーリー展開なのですが、作製年はかなり離れても纏まるし、そもそもスタイルの幅が広い。そして展示終盤のポスターで覆われた空間に進むと、最高に幸せになれるのです。天井高い壁一面を埋めるポスターの数々は、一点一点のインパクトに加えてその集合体としての空間のスゴ味、実に圧巻で感動です。
官能、エロス、ファンタジー、耽美、精密、繊細、かっこいい、時代感、といったキーワードが観ていて強く印象付けられます。セクシーなきエロティックの領域、これが実に耽美。さわやかで耽美な(これが共存する)裸体少女のモチーフの数々、これは宇野氏の真骨頂とあらためて感銘しました。日本の社会がイケイケだった時代と重なる思いです。児童書向けのサイケな少女裸体の挿絵、街中のポスターも同様に、等々、今よりもずっと大らかなで感受性高い社会であった時代の息吹を感じます。
出口付近の宇野氏による展覧会への寄稿文より。「文字から絵を発想するのが好き/少女を描くのが好き/90歳にいたる長い時間をこの好きだからという気分で仕事をしてきた」 これ、頷きました。同じく出口付近のインタビュービデオ放映より。「どこか意識はしているけど計算はしていない時代の描き方というものを考えている」 これが氏の70年のキャリアに通底するコンセプトとして心に残りました。90歳にして現役のお姿、凛々しくてカッコよくて素晴らしいです。
何気に圧巻なのが出口廊下に展示されている氏の年譜、凡そ10メートル。詳細読了は途中でギブアップしましたが、終戦直後の12歳(!)の頃から名古屋の絵画研究所に通い裸婦像クロッキーを描き始めたこと、16歳時点は母親の営む喫茶店に裸婦が舞う壁画を飾っていたこと。私のような凡人男性には全く理解できない感性の成長過程を経て、氏の真骨頂である耽美でサイケな裸婦少女のモチーフが形成されたのかと感嘆しました。
本当に、楽しい展覧会でした。す… Read More
5.0
10代デビュー時のスケッチや企業広告、アングラ演劇ポスター、舞台美術、彫刻、絵本など、幅広いジャンルの作品が一挙に集まった密度の濃い展示で、ポスター展示などは壁を埋め尽くすように展示されていて圧巻です。
お目当ては初期の頃の広告デザインだったのですが、デビュー時から作風が確立されていて驚きました。特徴的なあのアンニュイな眼差しは当初から描かれていたのですね。コピーライティングも担当されていたとは知りませんでした。
良い意味で画風が変わらないのですが、今みても素敵だし唯一無二な魅力を感じます。
特に色彩の美しさとバランス感覚、文字デザインがオシャレで、媒体によってタッチは変えているのに溢れ出る宇野亞喜良感に圧倒されました。
90歳でまだ現役で描かれているというのも驚きだし、大手企業の広告だけでなく地元のお祭りのポスターなども描かれているのが好きです。
ほとんどの作品が撮影可なのも嬉しい。残念ながら物販はなかったのですが、耽美な世界に浸れて満足度の高い展示でした。
4.0
2022年に銀座のgggで「宇野亞喜良 万華鏡」を見たときに、展覧会はこれで最後かなと思っていましたが…、ハズレましたね~(笑)
しかも、もっと大規模なスケールで開催とは、恐れ入りました。
宇野作品は何を見ても懐かしさを感じるんですよ。
子どものころに見た絵本を思い出すのか、変わらない画風に安心するのか、遠くを見ているような表情の女の子はなぜ古びないままあり続けるのか。
初めて見た作品が多いのに、とにかく懐かしかったです。
会場の設営も凝っていて、迷路のような展示の先に、ポスターを床から天井まで壁一面に50枚並べたのは見応えがありました。
一番上のは高すぎてほとんど見えなかったけど(笑)
5.0
昨年今回の宇野亞喜良展を知り、とても楽しみにしていました。
やっと4/25に見に行く事が出来ました。
1950年代初めのデビユーから最新作までの仕事の全てをブースに分けてイラスト、ポスター、絵本、書籍、舞台美術、等々広範囲にわたり、ご本人の世界を表しています。
本当に素敵でした。とても美しいのにその相反する世界ごとこんなにも凄い世界観を表現し続ける事に驚いて何だかクラクラしてしまいました。
東京オペラシティ アートギャラリーが会場でしたが、初めての訪問でもありとてもドキドキして一日を過ごすことが出来ました。
色々な相反する世界を具現化して見せてくださる作品が大好きです。
展示の中に子どもの頃食べたチョコレートのパッケージ(クリーム地に花柄)なのですが
子供心にもなんて素敵なんだろう、ほかとは違うと強く思った感情を、これだったんだと思い出しました。
宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO見ることができてとても満足でした。ありがとうございます。
5.0
とにかく圧倒的点数。少年期のスケッチから、初期デザイン、広告・絵本・書籍・広告、舞台美術……900点を超えるは、会場を入場時から迷路化していた。
行く前にPDFのリストを見たら27ページ!覚悟して行ったのだが想像を超えていた。
原画の素晴らしさにため息の連続。繊細!美しい!よどみ迷いのない完璧さ!
印刷物も多いが、最終形で完了する計算された美しさがあった。原画と遜色ない再現性に、紙媒体に精通している氏の凄さがわかる。
エロスや耽美イメージの翼がハンパない。ドキドキワクワクウズウズが止まらない。
白雪姫でさえちょっと色っぽくドギマギしてしまう。
かと思うと、ダイナミックな時代小説の挿絵もこなし、メルヘンな民話っぽいものもこなす。
舞台関係の衣装スケッチは、それだけで物語が溢れていた。
圧巻は天井に届かんばかりの膨大なポスターの展示。クラクラします。
立体作品等も見られたのは嬉しい。
最後の方で最新作も素晴らしいと思った時、90歳であることをスッカリ忘れていたことに気づいた。
4月25日(木)11時半入館。平日の割に混んだ感じになっていた。ほぼ撮影可。
5.0
一月に渋谷で催されていた「アヴァンギャルドポスター見本市」に出かけたとき
「あ、これは凄くいい!!」
と強く感じた作品があった
それがまさに宇野亞喜良の作品だったわけで、
今回の企画展の開催告知を見かけたとき、絶対に行かなくっちゃと
始まるのをずーっと楽しみにしていた
メルヘンの持つエロチシズム、夢想的な狂気なコラージュ
漂う不健全さと不健康さと品の良さ
各種印刷物とその元になった下書きやパーツ
イメージの組み合わせのアングラな華美さと
目を奪う魅力的な描線にアンニュイな視線
様々なジャンルの様々な素膨大なスケッチと成果物が
これでもかと所狭しと迫ってくる
これは素晴らしいな。なんという刺激だろう
やはり舞台関係のポスターやデザインが楽しい
見終わると関係書籍がむちゃくちゃ欲しくなる展示だ
5.0
宇野亞喜良、ちょっと凄すぎる展覧会!
15歳から近年まで質量ともに膨大なやり過ぎ展示で満足度と満腹感が圧倒的!
クールでキッチュ、エロティックだけどキュート、ちょっとグロテスクだけど品格高い、
総じて最高にカッコイイ作品に翻弄されるとっても贅沢な時間でした。
ほんの一部を除いて大半が写真撮影可能です。
今春都内で開催されている見逃せない展覧会の一つになると思います。
既に結構観客が入っていて展示はミッチリ気味、更に混み合うと見づらくなると思うのでお早めにどうぞ。
オススメします!
4.0
宇野亞喜良といえば、ちょっとビアズリーを思い起こさせるような(違うかな?)イラストという印象があったが、全くそれにとどまらない。初期から最新作まで、時代ごとに様々な作風を見せる。企業広告から、アングラ演劇ポスター、絵本、書籍、アニメ、絵画、舞台美術、そして近年の俳句。少し懐かしいこの作品も宇野亞喜良作だったんだという驚き。宇野ワールドに耽溺し、独特の高揚感を覚える。稀代の絵師。90歳にして、なお現役である。
いつもは静かなアートギャラリーだが、結構混んでおり賑やかだった。
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