儒教のかたち こころの鑑
日本美術に見る儒教

サントリー美術館

  • 開催期間:2024年11月27日(水)~2025年1月26日(日)
  • クリップ数:36 件
  • 感想・評価:4 件
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重要文化財 名古屋城本丸御殿上洛殿襖絵 帝鑑図 露台惜費 狩野探幽 
四枚四面 寛永11年(1634) 名古屋城総合事務所 【展示期間:12/25~1/26】
孔子像 伝 戴進 一幅 中国・明時代 15~17世紀 公益財団法人斯文会 【展示期間:11/27~12/23】
重要文化財 賢聖障子絵 狩野孝信 
二十面のうち 慶長19年(1614) 仁和寺 【通期展示・面替えあり】 
重要文化財 二十四孝図襖 伝 狩野永徳 
十四面のうち 天正14年(1586) 南禅寺 【通期展示・面替えあり】
孔子観欹器図 雪村周継 
一幅 室町時代 16世紀 大和文華館 【展示期間:12/25~1/26】
桐鳳凰図屛風 狩野探幽 六曲一双のうち左隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館
桐鳳凰図屛風 狩野探幽 六曲一双のうち右隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

儒教は、紀元前6世紀の中国で孔子(前552/551~前479)が唱えた教説と、その後継者たちの解釈を指す倫理思想です。孔子が唱えた思想とは、五常(仁・義・礼・智・信)による道徳観を修得・実践して聖人に近づくことが目標であり、徳をもって世を治める人間像を理想としています。このような思想は、仏教よりも早く4世紀には日本へ伝来したといわれ、古代の宮廷で、為政者のあるべき姿を学ぶための学問として享受されました。

中世になると、宋から新たに朱子学(南宋の朱熹(しゅき)が確立させた新しい儒教思想)が日本へ伝わり、禅僧たちがそれを熱心に学んだことから、儒教は禅宗寺院でも重要視されました。そして近世以降、文治政治を旨とする江戸幕府は、儒教を積極的に奨励し、その拠点として湯島聖堂を整備します。江戸時代を通じ日本各地で、身分を問わず武家から民衆、子どもに至るまで、その教育に儒教が採用され、広く浸透していったのです。

例えば、理想の君主像を表し為政者の空間を飾った、大画面の「帝鑑図(ていかんず) 」や「二十四孝図(にじゅうしこうず) 」が制作された一方で、庶民が手にした浮世絵や身の回りの工芸品の文様にも同じ思想が息づいています。それらの作品には、当時の人々が求めた心の理想、すなわち鑑となる思想が示されており、現代の私たちにとっても新鮮な気づきをもたらしてくれます。

本展が、『論語』にある「温故知新」(ふるきをたづねて新しきを知る)のように、日本美術の名品に宿る豊かなメッセージに思いを馳せる機会となれば幸いです。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年11月27日(水)~2025年1月26日(日)
  • ※作品保護のため、会期中展示替えを行います
会場 サントリー美術館 Google Map
住所 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
時間 10:00~18:00
  • 金曜日および1月25日は20:00まで
    入館は閉館30分前まで
休館日 火曜日(1月21日は18:00まで開館)、12月30日(月)~1月1日(水・祝)
観覧料 一般 1,700円(1,500円)
大学・高校生 1,000円(800円)
中学生以下 無料
  • ※( )内は前売り料金
    前売券は2024年9月18日(水)販売開始予定
TEL03-3479-8600
URLhttps://www.suntory.co.jp/sma/

サントリー美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

サントリー美術館 サントリー美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

3.0

24G

儒教をメインに据えた意欲的な展覧会、だとは思います。
為政者の学問ということもあり最大派閥の狩野派の作品が多く出ています。
狩野永徳、探幽、山雪といった頭領の名前も。
屏風や襖絵など大画面の作品も多くて結構見応えがあります。

ただ、ルッキズムやジェンダー云々が厳しく問われるこの時代になんなのですが
画題がほぼジイさんなのです。5Gどころじゃない。
やっぱり名前も馴染みがなく顔と一致するわけがない爺さんたちが続くのは結構キツイです。
なのでこう何度も観たい再訪したいという感じにはならなかったかなぁ。
後期に出る応挙の瀑布図は楽しみ。空いています。

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、komagatayaさん、morinousagisanさん

4.0

切り口が面白い、希少な一級品ばかりの展示

これまで、源氏物語にまつわるこの手の展覧会は、やり尽くされてますが、日本美術に見る儒教の展覧会は初だと思います。大画面の「帝鑑図」や「二十四孝図」のみならず、工芸品、浮世絵、典籍、禅画とバラエティー豊かです。狩野派好き必見、永徳、友信、探幽、栄信ら狩野派を代表する絵師の屏風が沢山展示されております。余談ですが現在東洋文庫ミュージアムで開催中の名品展でも重文を含め儒教関連の展示品沢山出品されてますので両方行くと、理解深まりオススメです

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん、fumiko773さん
  • 2
  • BY TK

4.0

迫力の襖絵

狩野派の襖絵等とても見ごたえがあります。
当時の生活風景や文化を肌で感じることができます。
大きな作品から伝わる力強さ、歴史の重みが伝わってくるようでした。

3.0

二十四孝図を見ながら考える「孝行ってなんだ?」

孔子の教えが立派なのは間違いないけど、二十四孝図に描かれたエピソードが強烈で、絵を楽しむところまで頭が回らない。
御用絵師の狩野派までが描いているので幕府のプロパガンダなのは明白だけど、常軌を逸したレベルの孝行を道徳や倫理として広めるのはどうなの?そもそも、孔子の時代(紀元前6世紀)に高齢者はいたの?高齢者が少なかったからこそ孝行に精を出したの?こんな孝行を強制されたら、いまどきの若者は発狂するんじゃないか?などなど、日頃から高齢者無料の展覧会(サントリーではないですよ)にモヤモヤしている私は
儒教が広がりすぎた弊害を感じましたね。孝行とは「高齢を理由に軽んじないこと」くらいがいいんじゃないかと(笑)
とはいえ、改めて伝永徳の「二十四孝図屛風」を見ると、やっぱり人物描写が素晴らしい!二十四孝図は七賢図を見るときのように「この人たち、何やってんの?」くらいの気持ちで対峙するのが正解のようです。

唯一の花鳥画、狩野伊川院栄信の「桐松鳳凰図屛風」はパステル調の発色がすごくいい。鳳凰の尾の描き方が左右で違っていて、特に左隻のくるくるした尾が金地に映えて可愛らしい。後期にはこの絵の元となった探幽の作品が出ますが、図録を見る限り、こちらのほうが好きですね。

興味を引いたのは子ども向けに描かれた作品の所蔵が公文教育研究会だということ。「子ども+勉強=公文」みたいな感じで集めているのかな?
馴染みのない題材が多かったおかげで、湯島聖堂や昌平坂学問所が儒教を学ぶための施設だったとか、歌川国芳まで二十四孝図を描いていたとか、新しく知ることも多かった展覧会でした。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん、morinousagisanさん

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重要文化財 名古屋城本丸御殿上洛殿襖絵 帝鑑図 露台惜費 狩野探幽 
四枚四面 寛永11年(1634) 名古屋城総合事務所 【展示期間:12/25~1/26】

孔子像 伝 戴進 一幅 中国・明時代 15~17世紀 公益財団法人斯文会 【展示期間:11/27~12/23】

重要文化財 賢聖障子絵 狩野孝信 
二十面のうち 慶長19年(1614) 仁和寺 【通期展示・面替えあり】 

重要文化財 二十四孝図襖 伝 狩野永徳 
十四面のうち 天正14年(1586) 南禅寺 【通期展示・面替えあり】

孔子観欹器図 雪村周継 
一幅 室町時代 16世紀 大和文華館 【展示期間:12/25~1/26】

桐鳳凰図屛風 狩野探幽 六曲一双のうち左隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館

桐鳳凰図屛風 狩野探幽 六曲一双のうち右隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館

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