4.0
美しい、島の宝
行ったことはあるのに、沖縄の美術品というと紅型くらいしか浮かばず、どんなものが展示されているのだろうと訪れました。きれいなものがたくさん並んでいました。中でも、サンゴや色とりどりの石が縫い付けられた冠、螺鈿細工の品々。海の恵みを取り入れて、豊かな発想で作られていました。戦争で焼失してしまって、写真でしか残っていない美術品も紹介されていました。もっともっと、沖縄のことを知りたいと思いました。
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多くの島々からなる沖縄は、かつては琉球と称され、独自の美が生み出された海上王国でした。15世紀に統一王朝が成立し、400年以上にわたって東アジアを舞台に“万国津梁(世界の架け橋)”として繁栄した琉球王国は、諸国の至宝で満ちていたといわれています。
本展覧会では、鮮やかな紅型に代表される染織や、中国・日本から刺激を受けて描かれた琉球絵画、螺鈿・沈金・箔絵などの技法を使ったきらびやかな漆芸作品を中心に琉球王国の美をご紹介します。
なかでも、近年の東京でまとまって公開されることがなかった琉球絵画は見所のひとつです。首里王府の染織や漆器のデザインには絵師が関わっていたとされており、染織・絵画・漆芸を特集することで琉球の美術を総合的にとらえ、その実像に迫ります。
第二次世界大戦の戦禍をくぐりぬけ現在に守り伝えられた優品が集う貴重な機会であり、とくに首里王府を治めた尚家に継承された「国宝 琉球国王尚家関係資料」は必見です。
「生活の中の美」をテーマとしてきたサントリー美術館では、紅型や琉球漆器といった琉球の美術がコレクションのひとつの核をなしてきました。沖縄に関する展覧会も1968年の「秋の特別展 沖縄の染織」をはじめに、琉球政府立博物館(現 沖縄県立博物館・美術館)と共催した1972年の「特別展観 50年前の沖縄―写真でみる失われた文化財―」など複数行っており、2007年に「美を結ぶ。美をひらく。」というミュージアムメッセージを掲げて六本木に移転開館した後も、2012年に「沖縄復帰40周年記念 紅型 BINGATA―琉球王朝のいろとかたち―」を開催しました。
2018年は、1968年の「秋の特別展 沖縄の染織」開催から50年目となります。東アジアの美を結び、新たに独自の美としてひらいた琉球の美術は、文化の多様性や新鮮な魅力に満ちており、本展が時代を超えて受け継がれてきた琉球王国の輝きをご覧いただく機会となれば幸いです。
会期 |
2018年7月18日(水)~2018年9月2日(日)
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会場 | サントリー美術館 Google Map |
住所 | 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
火曜日 ※8月14日は18時まで開館 ※shop×cafeは会期中無休 |
観覧料 | 一般 1,300円(1,100円) 大学・高校生 1,000円(800円)
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TEL | 03-3479-8600 |
URL | https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_3/ |
4.0
行ったことはあるのに、沖縄の美術品というと紅型くらいしか浮かばず、どんなものが展示されているのだろうと訪れました。きれいなものがたくさん並んでいました。中でも、サンゴや色とりどりの石が縫い付けられた冠、螺鈿細工の品々。海の恵みを取り入れて、豊かな発想で作られていました。戦争で焼失してしまって、写真でしか残っていない美術品も紹介されていました。もっともっと、沖縄のことを知りたいと思いました。
5.0
様々な漆芸作品や染織、琉球絵画など、鮮やかで美しい作品が数多く展示されていて、大変見ごたえがありました。突飛な琉球王国独自の作品ばかりが並んでいるかという予想に反して、思ったよりも中国や日本の影響も色濃くて、とても勉強になりました。
5.0
螺鈿の大皿はじめ、かなりの点数と細やかな色彩感覚の作品づくしです。螺鈿作品はじっくり見ていたら時間を忘れるくらい、2時間はかかるかも。修復後の皇帝の被り物の鮮やかさといい、紅型の美しい布地といい、琉球時代にタイムスリップした気分です。
4.0
旅行で沖縄に行けば必ず、首里城へは行きますよね。「琉球」は、素晴らしい文化が有ったのに、何より第2次世界大戦沖縄戦により、現存するものが少なく、残るものも保存状態があまり良くないものが多いです。今回の展覧会に集められた美しい品々を見るには、ちょっとばかりの涙が要りました。またこの展覧会で私は初めて、紅型人間国宝鎌倉芳太郎氏の、膨大な写真資料が、悲惨な淵にあった沖縄の美を、今私たちにも見ることが出来るようにしてくれた、ということを知りました。見てよかった展覧会です。
4.0
子供のころに、切手を集めていました。
そのなかに琉球の切手があり、それが琉球を知ったきっかけでした。
アメリカ統治下の沖縄で発行されていた切手で、日本の切手とは何かがちがう、どこか違う。
その本土とはちがっている雰囲気が、この展覧会でも感じられました。
文化的には、日本の影響もあれば大陸の影響も受けている。
ですから、衣裳のデザインや色や文様など日本風でもあるけれど、大陸風でもある。
絵画も漆器も日本的であり、大陸的でもあり、それに琉球独自の風土風習もあって、作品は何とも言えない印象を与えます。
惜しむべきは、戦争によって多くの貴重は美術工芸品が失われてしまったこと。
沖縄戦の悲劇はこんなところにも現れているのかと実感しました。
もちろん現在も沖縄独自の文化は息づいており、これを機会にもっと知るべきだと感じさせた美術展でした。
4.0
キレイなものがたくさん集まっています。
黒漆の工芸品など緻密な細工が施されており、思わず欲しくなってしまいます。
本展覧会の個人的メインは東京では初お披露目となる琉球絵画です。
同時期の江戸絵画と似て非なる部分を探したりするのも一興です。
結構似ているなぁと影響とかあったのでしょうかね。
特に気になった絵師は佐渡山安健という人。
現存作品は少ないようですが《花鳥図》など素晴らしい出来です。
グッと惹きつけるような目玉作品はありませんが、琉球王国の優品を堪能出来ます。
サントリー美術館らしく展示替え複数回あります。
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