5.0
中国陶磁の至極を満喫
何と言っても「油滴天目」、「木葉天目」、「飛青磁」は別格ですよね。そして汝窯の青磁 水仙盆の美しさにうっとりしました。幸せな時間をありがとうございました。
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日本有数の東洋陶磁の名品を所蔵する大阪市立東洋陶磁美術館。その中核をなすのが、安宅産業株式会社の安宅英一(あたかえいいち 1901-1994)氏の美意識によって収集された961件におよぶ東洋陶磁からなる「安宅コレクション」です。
従来の伝統的な価値観や枠組みにとらわれることなく、安宅英一という一人の芸術家的な眼をもった収集家によって築かれたコレクションで、国宝《飛青磁花生》《油滴天目茶碗》に代表される優れた中国陶磁143件、高麗・朝鮮時代を代表する作品を数多く含む韓国陶磁791件を中心に構成されます。
安宅英一は父の安宅弥吉の安宅商会に入社後、26歳でロンドン支店長となり、帰国後30代半ばから音楽や美術に関する支援活動を始めました。戦後日本のクラシック音楽のパトロン、近代の日本画家・速水御舟のコレクターとしても知られる彼は、昭和26年(1951)安宅産業の事業の一環として美術品購入が認められると、本格的な東洋陶磁の収集を開始し、それは経営が行き詰まる昭和51年まで続きました。その後、散逸の危機に直面した「安宅コレクション」を大阪市に寄贈し、美術館建設に寄与したのが、大阪を基盤とする住友グループでした。本展では、安宅コレクションから国宝2件、重文11件を含む名品101件を選び、珠玉の東洋陶磁を紹介します。
また、こうした住友グループの文化貢献の基盤には、住友家15代当主であった住友春翠(すみともしゅんすい 1864-1926)が育んだ近代的な社会貢献活動(図書館や美術館などの文化施設建設、内国勧業博覧会開催支援など)がありました。大阪市立東洋陶磁美術館設立への支援は、近代住友の社会貢献精神を受け継いだ戦後の住友グループの文化貢献事業を象徴する大きな事業のひとつといえます。リニューアルオープンした新しい展示室で、中国陶磁、韓国陶磁の名品、さらに住友コレクションの中国絵画の国宝《秋野牧牛図》や高麗仏画の重要文化財《水月観音像》(展示替えあり)とのコラボレーションをご覧頂きます。
会期 | 2023年3月18日(土)~2023年5月21日(日) |
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会場 |
泉屋博古館東京
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住所 | 東京都港区六本木1丁目5番地1号 |
時間 |
11:00~18:00
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休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は開館、翌平日休館 |
観覧料 | 一般 1,200円(1,000円) 高大生 800円(700円) 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/ |
5.0
何と言っても「油滴天目」、「木葉天目」、「飛青磁」は別格ですよね。そして汝窯の青磁 水仙盆の美しさにうっとりしました。幸せな時間をありがとうございました。
5.0
5月上旬のお昼頃に伺いました。
リニューアル前にも訪れたことがありましたが、とても綺麗になっていて驚きました。
天気も良かったためか展示室内は混雑しており、高齢の方が多く見受けられました。
展示は大半が陶磁器で、特に青磁の色合いに強く惹かれました。
画像や映像で見るよりも美しい青緑色だと感じました。
枕や瓜形瓶など様々な形状のものがあり、飽きることなく楽しめました。
また、油滴天目と木葉天目の茶碗2点は訪問前から注目していたので、その佇まいをじっくり眺めることができ満足です。
赤の発色が不十分な釉裏紅の盤は淡い色合いが趣深かったです。
大変よい展覧会で、今度は泉屋博古館の収蔵品を観に行きたいなと思いました。
4.0
世界有数の東洋陶磁の名品(約1000件)を所蔵する大阪市立東洋陶磁美術館は、2024年リニューアルオープンに向け、現在長期休館中であり、そのおかげで、普段滅多に館外に出ることのない貴重な品々(国宝2件、重要文化財11件を含む101件)を、今回こうして泉屋博古館東京で観ることが出来たわけだ。また住友グループが、美のハンターと呼ばれた男安宅英一氏の奇跡と言われる「安宅コレクション」散逸の危機を住友グループが救った経緯からも、これまでありそうでなかった展覧会と、注目もされているらしい。昔のお金持ちの方々は本当に素晴らしい。現代のお金持ちさん方も、ちゃんと見習ってほしいものだ。「安宅コレクション」を東京で、それも住友のコレクションとのコラボで観ることが出来たのは、更に泉屋博古館東京は「ぐるっとパス」で観ることが出来て、本当に幸せだ。今回私の一番のお目当ては、もちろん国宝《油滴天目(12-13世紀中国)》、次いで国宝《 飛青磁 花生(14世紀中国)》と重文《木葉天目(12-13世紀中国)》なのだが、入館して最初に出迎えてくれたのは、ふくよかな中国唐代の美人像、通称「MOCO(大阪市立東洋陶磁美術館)のヴィーナス」として知られる《加彩 婦女俑》だった。身体をゆるく弓なりに反らせ微かな笑みを見せる、その手の仕草は小鳥をあやすものかというが、なるほどなるほど、ふっと来館者の気持ちを和らげてくれる。他にも愛らしい小品が幾つもあり、鑑賞を進めながら自然に和めた。他も名品ぞろいで、洗練され繊細で美しい青磁の数々にも、うっとりしてしまう。泉屋博古館東京はとてもこじんまりしている美術館で、展示点数は少ない。けれどもいつもながらにとても分かりやすい展示構成と解説文とが素晴らしかった。更に今回も撮影オールオーケーの大盤ぶるまいだった。会期終了間近で観ることが出来、ほんのり幸せな気持ちになれた。平日好天の午後、混雑ではないけれど、割合来館者が多かったように思う。一昨日のTVが微妙に影響しているのかもしれない。
5.0
開始まもない4月の平日夕方に伺いました。
眼福でございます。
国宝・重文の数々はもちろんのこと、MOCOのヴィーナス、木葉天目など、しばし釘づけになる作品ばかりで、時間が無限に必要です。
出張があれば必ず寄らせていただいていた東洋陶磁美術館ですが、出張は今後とも戻らないようで、こうして拝見することができて幸せでした。
ありがとうございます。
5.0
ロンドンギャラリー白金で開催している「須田悦弘 補作と模作の模索」を見たとき、かたちのいい青磁の花器に須田さんの梅が挿してあったのですが、この花器、二代目諏訪蘇山の作で大阪市立東洋陶磁美術館にある国宝の飛青磁の写しとのこと。何の因果か、その本物が東京に来ているというので、泉屋博古館東京に見に行きました。
国宝2点、重文11点を展示となかなか豪華。そして、国宝じゃないけど、とても目をひく作品が数多く、少々驚きました。メインビジュアルにもなっている重文の《木葉天目 茶碗》とか、ふくよかな唐美人の人形《加彩 婦女俑》(ちなみにこれがMOCOのヴィーナス)などなど。ちなみに、すべて撮影OKというのはありがたい。
5.0
美しく端正な陶磁器の数々。品がよく、流麗な形の麗しさ、発色の美しさ、色の取り合わせの見事さ、こだわりが伝わるコレクションです。名品と銘打っていますが、今回選ばれなかった作品たちもその確かな審美眼で選びつくされた美しい品々だと想像に難くありません。
メインビジュアルの木の葉天目茶碗は、本物の桑の葉を使ったそうです。
収集エピソードや若者たちに本物に触れることの重要さを説き支援したり、またコレクションを歴史にとどめようという提案に歴史など意味がないと返すなど人柄のしのばれるキャプションもとてもよかったです。
5.0
始めから終わりまで、美しい陶磁器のオンパレードで、眼福でした。
中国や韓国の陶磁器の教科書ができるのでは、と思うくらい、多種多様なラインナップです。
瑕疵がほとんどない完璧な陶磁器で、凜とした気品があり、どれも形や色がすばらしかったです。
解説もわかりやすく、安宅英一氏とコレクションにまつわる小話も楽しかったです。
写真撮影は、全てOKでした。
大阪市東洋陶磁器美術館が長期休館中のため実現した企画だと思います。
見逃すのはもったいない、凄い品々です。
帰るときに気づいたのですが、解説のアプリを無料でDLできたようです。
イヤホン、お持ちになると良いと思います。
5.0
安宅コレクション、素晴らしかったです!
名品かつ超美品という難題を自らに課しているコレクターだけあって出品作のクオリティが異常に高いです。
唐三彩、青磁、白磁、五彩、青花、高麗など、そのどれもが瑕疵の無い優品です。
絵柄や装飾も過度に華美なものは少なく品格の高い優美さも素敵です。
木葉天目、油滴天目、飛青磁を独立ケースで展示しています。
数は少ないですが絵画も取り合わせ展示があり後期には国宝も出品予定です。
個人的には中国陶磁は完全無欠で破綻がなく面白味に欠けるとは思っていましたが
この名品群を目にするとそんな戯言も吹き飛ばすかのような圧倒的な凄みがあります。
とはいえ突き放すような孤高さはなく親しみを持って繰り返し見たくなる魅力にも溢れています。
丁寧なキャプションと執念というか安宅氏ちょっとヤバイんじゃないかという収集エピソードも面白い。
全作品、写真撮影可能でした。
何度も訪問する価値のあるグレイトな陶磁展です。
まさに大阪市の宝。羨ましい!
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東京都港区で開催中の展覧会
重要文化財《木葉天目 茶碗》(このはてんもく ちゃわん)
中国 南宋時代 12-13世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
《加彩 婦女俑》(かさい ふじょよう)
中国 唐時代 8世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
国宝《油滴天目 茶碗》(ゆてきてんもく ちゃわん)
中国 南宋時代 12-13世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
国宝《飛青磁 花生》(とびせいじ はないけ)
中国 元時代 14世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
《青磁陽刻 筍形水注》(せいじようこく たけのこがたすいちゅう)
韓国 高麗時代 12世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
《青磁陽刻 牡丹蓮花文 鶴首瓶》
(せいじようこく ぼたんれんかもん かくしゅへい)
韓国 高麗時代 12世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
《青磁象嵌 竹鶴文 梅瓶》(せいじぞうがん たけつるもん めいぴん)
韓国 高麗時代 12世紀後半-13世紀前半
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘
《粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺》
(ふんせいてつえ れんちちょうぎょもん ひょうこ)
韓国 朝鮮時代 15世紀後半-16世紀前半
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)
写真:六田知弘