5.0
経年劣化に美を見いだす
民藝運動の父であり思想家の柳宗悦が1985年の著書『手仕事の日本』で
「根来寺の『根来塗』は昔の物語になりました。しかしこれを試みる者がどこかに絶えないのは、塗としてひとつの型をなすからでありましょう。~~(後略)」と語っているのを読んでからずっと興味関心を抱いていました。
今回このように、来歴の確かな作品群を鑑賞できて幸いでした。
使いこむことですり減った朱色の肌から、黒の漆がチラッと顔を出す独特の風合い、
使い込むほどに朱色がすり減り黒漆が浮かび上がり、使うからこその美しさに、シンプルであるけれど力強さも感じられました。
黒漆の独特の現れ方を鑑賞しつつ、使用された人の使用癖など想像しながら館内を回遊すると楽しかったです。
全国の漆器と比べても技法が特徴的だと思いました。
最近の研究では、根来寺=製造、に疑義が問われているそうです。
というのは、根来寺坊院跡の出土遺物からは漆器生産を示す工房などの跡は発見されなかったそうで。
併設のカフェで、展覧会からインスピレーションを受けたという和菓子を、根来塗の器でいただきました。
和歌山県産ミカンと梅の二層の和菓子、美味しくいただきました。





